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永井豪氏 石ノ森章太郎氏の忘れられない“言葉”

 10月17日より2週間限定で公開されるアニメ映画『サイボーグ009 VS デビルマン』。故・石ノ森章太郎氏のライフワークとなった名作『サイボーグ009』と、石ノ森氏のアシスタント経験のある永井豪氏(70)の作品『デビルマン』がスクリーンでまさかの“対決”。ファン垂涎の作品公開を前に、永井氏にアシスタント時代の思い出を語ってもらった。

■「お前はまともじゃないから成功する」

 永井氏はデビュー前の約2年間、石ノ森氏のもとでアシスタント経験を積み、『サイボーグ009』の背景も手がけていた。一体どんな日々だったのかと問うと「とにかく1日が長いんですよ」。

 「多いときは(連続で漫画を)20時間、24時間とか描いていた。月のうちの2週間はほとんど寝る時間がなかったですね。寝られても1、2時間とかそのくらいで。自宅に帰れず、仕事場に来たきりで風呂も入れず垢まみれになっていくし、顔もゲッソリしてくるし。本当に生きているのが不思議だなと思いながら描いていましたね」。

 もともと石ノ森氏のファンだった永井氏は、プロの現場で働くうちに漫画家としての自覚が芽生えていく。「趣味で漫画をやりたかった自分はダメだってわかった。あれだけ才能がある人が、死に物狂いで描いている姿を見せられたので、この人に勝っていかないと漫画家として生き残れないのではないかとプレッシャーもできた。そういう意味では(石ノ森氏は)ライバル」と語った。

 石ノ森氏からかけられた印象的だった言葉を聞くと「お前はまともじゃないから成功する」と言われたことだという。永井氏の作品に向けて発せられたものだが、「デビューしてすぐの頃、自分では真面目でストイックだし、まともな人間だと思っていたけど、描いていくうちに、自分の作品は、やっぱり石ノ森先生の言ったとおり『まともじゃないのかもしれない』と少しずつ思ってきました(笑)。すごい意見だったな」。

■持ち込まれた企画は“ほぼダメ出しなし”

 『サイボーグ009』は1964年7月に連載スタート。島村ジョーたちは悪の組織により戦争のための人間兵器「ゼロゼロナインサイボーグ」として改造され、世界から争いを無くすために戦う物語。一方の『デビルマン』は1972年に『週刊少年マガジン』(講談社)にて開始され、悪魔の力を手に入れた主人公・不動明とデーモンの戦いを描いている。

 2大ヒーローの共演は、石森プロとダイナミック企画の両社より企画され、永井氏のもとに持ち込まれた。初見で永井氏は「心配だった。デビルマンのほうが圧倒的に強いと思っていますので、そんなにガチで戦ったら相手にならないのでは…」と冗談めかして憂慮したが、仕上がった作品は「面白い。キャラクターの違いが明確になって、それぞれのいいところが逆に浮き彫りになった。(石ノ森氏も)できあがった作品を観て満足してくれるのでは」と太鼓判を押す。

 今回の映画公開にあわせて多数取材を受けた永井氏は、「サイボーグ009」と「デビルマン」以外のヒーロー対決のアイデアを各所で話しており、これまで「キューティーハニーとルパン」「デビルマンと進撃の巨人」などを挙げてきた。

 持ち込まれた企画にダメ出しすることはほとんどなく、どんな作品でも「心配よりもどう動くのかを観てみたい。面白いのではないかという気持ちが勝ってしまう。何でもOK」と少年のように笑う。今後、ファンもあっと驚くコラボ作品が誕生するかもしれない。

■『サイボーグ009 VS デビルマン』
10月17日公開。監督は両作のファンで、『サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER』を手がけた川越淳氏。アニメーション制作は『ガールズ&パンツァー』などのアクタス。



関連写真

  • インタビューに応じてくれた永井豪氏 映画『サイボーグ009 VS デビルマン』はあす公開 (C)ORICON NewS inc.
  • 映画を鑑賞し、アシスタント時代を思い出したという永井豪先生 (C)ORICON NewS inc.

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