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メテオ2度の打ち上げ失敗 研究者たちの思い

 商業用ロケット「ファルコン9」が6月29日(日本時間)、打ち上げ失敗により爆発し、搭載されていた千葉工業大学の「メテオ」も消失した。昨年10月にもロケット爆発に巻き込まれており、初号機、2号機を相次いで失ったことになるが、同大の研究者たちは冷静に受け止め、12月に行われる予定の“3度目の正直”に向けて準備を整えている。

◆「2回もロケット打ち上げ失敗が続くとは…」

 同大のプロジェクトチームが進めるメテオは、国際宇宙ステーション(ISS)から流星の長期連続観測を行う、超高感度のハイビジョンカメラシステム。2012年よりプロジェクトがスタートしたが、2度のロケット爆発により計画変更を余儀なくされることになった。今回の打ち上げに成功していれば、8月のペルセウス座流星群を観測することができたが、それも白紙に。

 連続で失敗すると打ちひしがれる気持ちが沸き起こりそうだが、「“またか”というより、“まさか”という思い。ロケットの打ち上げ失敗の確率は非常に低いので、メテオを載せたロケットが立て続けに失敗する確率を考えると、ただただ信じられない気持ちでした」と、「メテオ」を開発した千葉工業大学惑星探査研究センターの上席研究員・荒井朋子さんは冷静に語る。

◆爆発の直後から3回目のトライを相談

 爆発が起きたのは打ち上げから2分10秒後のことだが、その時は失敗だと思わなかったという。「爆発音と煙は見ることができたものの、時間的にロケット1段目の切り離しタイミングでもあったため、そうだと思い込んでいました。無事に打ち上げが終わったと思い、機材を片付けている時、インターネットで打ち上げ中継を見ていた同僚から電話が入り『打ち上げが変じゃないか』と言われ、打ち上げが順調ではなかったことに初めて気が付きました」。

 その電話の最中に、ケネディー宇宙センターの打ち上げ視察会場にいたNASAの関係者から「どうやら失敗したらしい」と告げられたという。爆発からおよそ1分後の事だった。しかし、荒井さんはすぐに次の打ち上げに向けて頭を切り替えていた。失敗の報告を受けた後、ケネディー宇宙センターからホテルに向かうバスの中で、メテオプロジェクトのメンバーであるNASAの担当者から「これからどうしようか? 今回はまさか、予備機は用意していないですよね?」と聞かれ、用意がある旨を伝えたところ、その2日後、12月の打ち上げを打診されたという。

◆予備機があったからこそ次に進みやすくなった

 打ちひしがれることなく頭と心を切り替える頭の回転の早さや精神力はさすが研究者だが、「1度目の失敗から、1年間で3回メテオを飛ばすことになります。失敗や事故に備えて予備機の製作を理解し、支援してもらえたからこそ、すぐに3回目の打ち上げに向けて進むことができました。バックアップしてくれる大学の期待を強く感じます」と荒井さんは語る。

 8月16日にはJAXAの宇宙ステーション補給機「こうのとり」に、「メテオ」の兄弟機で、同大流星観測プロジェクトの観測衛星「S-CUBE」が搭載され打ち上げられる。「今年12月中旬にふたご座流星群が見られますが、ここ数年でも条件が揃っていて、特に14・15日は、極大日を迎え、観測に最も適しています。S-CUBEの打ち上げが無事成功し、その後、メテオも12月に打ち上げが成功すれば、千葉工業大学の2つの装置で宇宙からの流星観測が可能になるんですよ」。

 流星観測は流星発光のメカニズムや流星塵を放出した彗星や小惑星の構成元素の解明等のほか、地球生命の起源に迫る可能性を秘めているという。このプロジェクトが“世紀の大発見”につながるか、注目だ。



関連写真

  • 「メテオ」を開発した荒井朋子さん
  • メテオ(超高感度CMOSカラーハイビジョンカメラ(予備機))
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