今年1月、日本の芸能界に10年ぶりに復帰することを発表した女優で歌手の希良梨（歌手名義はKirari）が、子宮頸がんによる長期休業、国際結婚、出産を経て、15年ぶりに歌手活動を再開させることがわかった。「実を言うと、私自身こんなに早く歌を再開するなんて、夢にも思ってもいませんでした」という希良梨が、全身で歌う喜びを表現した新曲「七色のヒカリ-Colors of the Human Race-」のミュージックビデオ（MV）がきょう19日から公開された。

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　東京で生まれ、沖縄で育った希良梨は、1997年にドラマ『ギフト』で女優デビュー。翌98年に反町隆史と松嶋菜々子共演し、結婚するきっかけとなったドラマ『GTO』で中心的な生徒役を演じてブレイクした。99年9月にはシングル「Last Piece」で歌手デビュー（Kirari名義）し、2000年5月には、財前直見主演ドラマ『QUIZ』の主題歌「Toy Soldiers」がスマッシュヒットを記録するなど順調に活動していたが、同年に突然メディアから姿を消した。

　当時は理由を明かしていなかったが、今年1月、子宮頸がんで長期休業していたこと公表。関係者によると、手術、療養を経て一度は芸能界に復帰したものの、ほとんど活動することなく海外に渡ったという。2004年からは台湾でモデルなどの活動するようになり、台湾人の芸能関係者と結婚。09年に第1子男児を出産し、子育てに奮闘している。

　希良梨の生き方が反響を呼び、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、今年から毎年開催される『多文化おもてなしフェスティバル』のイメージキャラクターに抜てきされた。“おもてなし力”向上を目的とし、東京都、国際交流基金、複数の在日大使館が後援する同イベントのテーマソングとして、新曲「七色のヒカリ〜」が起用されることも決定。8月15・16日の両日、東京・日比谷公園で行われる同イベントの16日公演では、“Kirari”が15年ぶりとなるステージ復帰を果たす。

　「私の活動がきっかけで、近隣国や外国の方々にもっと興味を持ってもらえたら」という希良梨は「思いを伝える手段として、音楽活動を続けていきたい」と意欲的。所属事務所代表の木山善豪氏は、「休業、子宮頸がん、国際結婚、海外での暮らし。今の希良梨に伝えられることは、自身の体験をもとに、未来のよりよい国際環境をつくること」といい、「希良梨の活動を通して、台湾だけでなく世界各国との文化交流を増やし、理解やつながりを深めていきたい」としている。

　新曲「七色のヒカリ-Colors of the Human Race-」は、今月下旬から日本と台湾のiTunes Store、KKBOXで順次配信開始。現在は、イギリスのレーベルに所属する世界的に活躍するアーティストが手がけた同曲のリミックス版を制作中。既に台湾のテレビ、ラジオ、イベントへの出演が決定しており、中華圏をはじめとするアジア展開を本格的にスタートさせる。新曲発売に伴い、ユニバーサルミュージックは旧譜の配信を開始した。

■Kirari「七色のヒカリ-Colors of the Human Race-」MV
https://youtu.be/D4LsZkV6qYU

■希良梨、歌手活動再開へ向けて
　この曲の制作過程だけでもたくさんの国の方が携わりました。私自身もそうですが、皆さんも日常生活している中で、特にこのごろは身近にたくさんの外国人がいると思います。私はそんな方々と共同作業するなかでいろいろな文化背景に触れる貴重な経験をすることができました。それぞれ違うバックボーンを持つ人々が出会い、手を取り、共に一つの目標に向かうこと、「ONE FAMILY」になることは本当にすばらしいことだと思います。

　そして人種の壁を超えて、多文化共生を歌った曲が、今回の「七色のヒカリ-Colors of the Human Race-」。実を言うと、私自身こんなに早く歌を再開するなんて、夢にも思ってもいませんでした。でも、たくさんの人の支えで実現することができました。今後もこの貴重な経験をいかして、さらに多くの違う文化背景を持つ人たちとコラボレーションしていきながら、思いを伝える手段として、音楽活動を続けていきたいです。

　私の活動がきっかけで、近隣国や外国の方々にもっと興味を持ってもらえたらうれしいなと思います。本当に久しぶりで心臓が飛び出すほど（笑）ドキドキしていますが、ずっとあきらめず応援してくれたファンのみんなに感謝の気持ちを込めて。期待に応えていきたいと思います。