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倖田來未、結婚・出産経ての15周年「何回も辞めようと思った」

 デビュー15周年を迎える倖田來未が、アルバム『WALK OF MY LIFE』を3月18日に発売。「人がどう思うかではなく 自分がどう生きたか」とこれまでとこれからの“倖田來未宣言”ともいえる作品が完成。デビュー以来、強くカッコいい女性像を提示してきた倖田が、意外にも何度も引退を考えたことがあると明かした。

デビュー15周年を迎える倖田來未

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◆自分が思い描く“倖田來未”のイメージを作り上げていった

――アルバム収録曲の「Sometimes Dreams Come True」の歌詞にもありますが、少女の頃に夢見ていたアーティスト像と、今の自分は違います?
【倖田】 子どもの頃は歌詞のように、ただ歌えればいいって思っていて。でも歌だけではなく、ダンスも、ライブでの演出からファッションまで、あらゆることを総合的に考えなきゃダメなんだって。いい意味で全然違っていました。

――ここまで広がる予定ではなかったと。
【倖田】 倖田來未を表現するためには歌を好きなだけではダメだなと。もっといろんな角度から自分の見せ方を知らなきゃいけない世界だなっていうのは、やりながらだんだんとわかってきたことで。でも、それを自覚したのは11枚目のシングルの「Crazy 4 U」ぐらいなんですよ。

――「キューティーハニー」のひとつ前のシングルですね。
【倖田】 それまでは自分から楽曲を選んだことはなかったんですけど、この曲で初めてこれを歌いたい! って伝えたんです。私はやっぱり強くてカッコいい女性になりたいんだって思って、じゃあファッションはこうしようとか、どんどん歌以外の部分も見えてきて、自分が思い描くイメージを作り上げていったんです。“倖田來未”を構築するまでは、そういう時間的な流れがあるんですよね。

◆15年という節目、ひと皮剥けないといけない

――倖田さんは曲によってさまざまに顔を変えますが、ベースにあるのはつねに“強くてカッコいい”イメージ。そこはつねにブレない。
【倖田】 でも14年もやっていると、どういう方向性でやっていったらいいのか悩むこともあるんですよ。“くぅちゃん”として、つねに近い存在に感じてもらえるのは嬉しいし、逆にクールで攻めてる倖田來未でいくのも大事だけど、それだけじゃダメなんじゃないかなと。変わらないっていうのは成長してないってことでもあるので、15年という節目を利用して、ひと皮剥けないといけないっていう想いはすごくありました。

――歩いている途中で、もうやめようかなと思ったことはなかったんですか?
【倖田】 何回もありましたよ。8枚目のシングルの「real Emotion」を出した頃とかは、初めて大きなタイアップをもらったけど、それでも売れなかったら、才能がないってことだから辞めたほうがいいのかなって考えたし、テレビに出なくなった時期とか、あとは結婚のタイミングでも悩みましたし。

――それでも、続けてこられたのは何でだと思います?
【倖田】 私はデビュー前までは何をしても続かない人だったので、あのときのままだったらとっくに辞めていたと思います。でも“倖田來未”だと思うと強くなれるというか。こう見えて私は意外に人見知りで、初めて会った人は目も見られずにシャッターを下ろしちゃうところがあるんですね。しかも、すっごくマイナス思考(笑)。でも倖田來未はプラス思考って自分の中で理想の女性像を掲げてきたから、自信を持って人と接することもできたし、精神的に追いつめられることがあっても、断固としてあきらめなかった。それだけ精神的に強くしてもらったし、人間として大きくしてくれたのは“倖田來未”のおかげでなんです。

◆守るべき存在がいるからこそ、恥じない自分でいようと思える

――ひとりの人間ですが、気持ち的には二人三脚のような状態?
【倖田】 そうそう、そうやってバランスを取っているんです。“倖田來未”はスタッフやファンの方と一緒に作り上げてきたものでもあるから、そこを離す勇気はなかったですね。ここでやめたら、それこそ“強くてカッコいい”倖田來未らしくないって気持ちが一番強かったかもしれない。

――そんな倖田來未を生きるなかで、女性としての成長や変化もありました?
【倖田】 今まで歌詞でも“愛おしい”って言葉をよく使っていたけど、結婚して出産して、改めて“愛おしい”ってこういう感情なんだ! って気づかされましたね。そして、守るべき存在がいるからこそ、恥じない自分でいようと思える。そこでいい意味のプレッシャーがかかってくるから、1つひとつの作品により力を入れるようになりました。で、あとは女性としてというより人として、オンオフがハッキリつけられるようになったかな。前はレコーディングが終っても、スタッフとトークに花を咲かせたりしてたけど、今は終った瞬間、オフに切り替えて、さっと家に帰るって感じで、生活全般にメリハリがついた気がします。

――では、アーティスとして女性として、そして人としてもパワーアップしている“倖田來未”が今後、目指す道は?
【倖田】 今ままでは急ぎ足で歩いてきたので、これからはしっかり地に足をつけて、ファンのみんなと一緒にじっくり歩いていきたいです。その一方で攻めの姿勢も忘れず、人のやっていないことにも挑戦して、サプライズもいっぱいやっていきたい。遠回りだとしても、自分らしく自分がいいと思う道に向かって進んで行きたいですね。

(文:若松正子)

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