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リズムネタは劇薬…藤崎マーケット「精神的にも肉体的にもボロボロになる」

 もはや説明不要の「あったかいんだからぁ」に「ラッスンゴレライ」。俗に言うリズムネタ、音楽ネタは分かりやすく浸透しやすい反面、諸刃の剣であることも周知の事実だ。「ラララライ体操」で身を持って体験したお笑いコンビ・藤崎マーケットはいま、若手への警鐘として自ら「リズムネタ撲滅キャンペーン」なる小冊子を作って配布中。彼らはその“後遺症”に悩まされ、原点の漫才を中心にリハビリに励んでいる。

■「リズムネタはダメ、絶対。」

 藤崎マーケットは、ツッコミの田崎佑一(34)とボケのトキ(30)が2005年に結成、2007年に白のタンクトップ姿で行う「ラララライ体操」でブレイクした。散々使われ、飽きられた後は徐々にメディアから遠退いて一時は「死亡説」まで流れたこともあったが、現在は漫才に回帰。さらにピンのネタや細かい物まねも行っている。

 撲滅運動は「東京の悪口を言うたびに顔が歪んできた」というほど心に傷を負ったトキが発案し、積極的に啓蒙中。先月1日に配信されたインターネット番組『めちゃ×2ユルんでるッ!』では、お手製の「リズムネタ撲滅運動冊子」を紹介していた。

 リズムネタでブレイク後、テレビなどに呼ばれなくなってしまう“メディア難民”を増やしたくないと思ったことがきっかけ。拠点の大阪では8.6秒バズーカーとの共演も多いが、トキは「会う度に危険性は話しています。依存性があるので、1回手を出すと精神的にも肉体的にも全てがボロボロになる」と真顔で訴える。さながら薬物中毒患者を諭すような口調に、その真剣さが伝わってくる。

 リズムネタでのブレイクは、どうしてもコンビ名より印象的なフレーズで覚えられてしまうことが多い。覚えられやすいからこそ、忘れられるのも速い。トキは、メディア難民に陥りやすい理由の一つだと指摘する。「今は誰も8.6秒バズーカーって呼んでいないっていうのがダメ。ラッスンの人とか呼ばれているのが、もう怖いことです。僕らもラララライの人、ライの右の人とか呼ばれていて、コンビ名が浸透しなかった」。

■“無料”の無法地帯が生んだ新潮流

 さらに彼らがブレイクした頃や、さらなるリズムネタの先人たちが活躍した時代と決定的に違うのが、SNSやYouTubeの台頭だ。8.6秒バズーカーのブレイクはまさにテレビ露出よりも先にツイッターでの爆発的な拡散力によりもたらされた。ブレイクへの道はさらに縮まり、事実、8.6秒バズーカーは結成1年に満たない。

 「無料で見られるっていうのはよくない。出演した番組もアップされますし、すぐに『もうあかんやろ』って言われてしまう。劇場に行かなくても見られてしまうし、アップされているネタもリズムネタの同じものばっかり。僕らのときにその2つが流行っていたら、もっとテレビに出ていなかったと思いますね。普及が早いと飽きる速度もすごく速い」。

 急激なブレイクは、ほかのネタを披露できなくなる副作用ももたらす。トキも一時はタンクトップをシュレッダーにかける寸前まで追い込まれていた。だからこそ「8.6秒バズーカーって、ほかのネタも面白いんですよ。本人たちも違うネタを出したいのに出せない。お客さんもラッスンゴレライを見たいっていうのもありますけれど…彼らを救えるのは、僕らしかいない」。強い使命感がにじみ出る。

■タンクトップを脱ぎ捨てて

 トキは今後もトークライブなどでリズムネタ撲滅運動の普及を続けていく。相方・田崎もトキほど積極的ではないが「撲滅運動はトキじゃないとできないっていうのは、一番そばで見ていて思います。冊子には数年前の東京への怨みもだいぶ書いてあった」と苦笑い。深い理解を示している。

 とはいえ「ラッスンゴレライ」は一度聴いてしまえばなかなか頭から離れない。彼らのネタをより高いクオリティで完コピすることで、10年前のリズムネタの雄オリエンタルラジオ再評価の機運も高まっている。先月21日に行われた『日本女子博覧会』では御大・桂文枝までもが赤シャツにサングラス姿でラッスンゴレライを披露するなど、まだまだ便乗ネタはやみそうにない。

 藤崎マーケットもまた、同博覧会でオリエンタルラジオ、8.6秒バズーカー、そして「ダンソン」で昨年の『キングオブコント』ファイナリストになったバンビーノらと同じく「リズムネタ芸人」の枠で出演。求められた“仕事”としてしっかりラララライ体操を行ったが、タンクトップにはならなかった。すぐに切り替えて披露した物まねネタはより大きな笑いを生み出していた。着実に実力をつけてきた藤崎マーケットは『第50回上方漫才大賞』の奨励賞に選出。4月4日、大阪市内での最終決戦に臨む。



関連写真

  • 「リズムネタ」の危険性を訴えた藤崎マーケット(左から)田崎佑一、トキ (C)ORICON NewS inc.
  • 『第50回上方漫才大賞』では奨励賞に選出された (C)ORICON NewS inc.

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