昨シーズン、それぞれにアニメーション作品とコラボした実績のあるサッカーJ2リーグの3クラブが協力し、「アニ×サカ!!」と題した企画を立ち上げ、お互いのクラブの対戦時にコラボマッチを開催することが決定した。27日、午後6時から発表記者会見を開く予定で、その模様はニコニコ生放送でも配信される。プロサッカー選手、声優、Jクラブの社長など、ボーダーレスな登壇者による一風変わった記者会見になりそうだ。

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　地域に根ざした活動を続けるサッカークラブと、その地域が舞台として描かれたり、その地域に縁のあるアニメ作品がコラボレーションし、サッカーとアニメを通じた地域振興を目指す今回の企画。アニメファンにはサッカー観戦という新たな楽しみを、サッカーファンにはアニメーションならではの魅力を伝え、双方の価値とファンサービスの向上を図る取り組み。昨季はクラブそれぞれに行なっていたが、今季は共に協力し合うことで相乗効果も期待される。

　参加クラブとアニメ作品は、東京ヴェルディ×『甘城ブリリアントパーク』、FC岐阜×『のうりん』、水戸ホーリーホック×『ガールズ＆パンツァー』。※ヴェルディは、昨シーズンはアニメ作品『とある科学の超電磁砲』とコラボした。

　会見には、選手を代表してアニメ好きで知られるヴェルディのDF井林章選手、声優を代表してアニメ『のうりん』バイオ鈴木役の大坪由佳が出席予定。今季キャプテンに就任した井林選手はアニメ好きが高じて、昨年フィギュアメーカー「コトブキヤ」とフィギュアパートナー契約を結んだことでも話題になった。これは井林選手が公式戦で得点した際、コトブキヤから希望のフィギュアがプレゼントされるという選手個人での契約。コトブキヤ本社のある立川市がヴェルディのホームタウンであるという縁から生まれた、Jリーグのチーム初の試みとなった。

　一方、声優の大坪は、趣味にサッカー観戦を挙げるほどサッカー好きで知られる。ほかに、「アニ×サカ」関係者が登壇し、今回の企画の魅力や内容、そして各3作品×クラブ個別のコラボ内容などについて発表する。

■東京ヴェルディ×『甘城ブリリアントパーク』

　『甘城ブリリアントパーク』は、KADOKAWA（富士見ファンタジア?庫）より発行されている同名ライトノベルを原作としたアニメーション作品で、2014年10月期にTBSほかで全13話が放送された。さびれたアトラクション、ダメダメなサービスの日本?残念な遊園地・甘城ブリリアントパークが、閉園の危機から再建をめざす物語。ヴェルディの本拠地となる稲城市同様、郊外に立地する遊園地がテーマの作品ということもあり、稲城市とも協力している。

■FC岐阜×『のうりん』

　『のうりん』は、SBクリエイティブ（GA?庫）より発行されている同名ライトノベルが原作。岐阜県美濃加茂市にある農林高校を舞台に、主人公たちが農業について向き合う姿を面白おかしく、時には真面目に（？）描いた作品で、14年1月期に放送された。原作者の白鳥士郎氏が岐阜県の出身で、劇中に登場する農業?校は県内に実在する加茂農林高校がモデルとなっている。作品内には岐阜県の実際の風景が随所に登場している縁もあり、地元のクラブであるFC岐阜とのコラボレーションが実現した。昨年はコラボグッズの販売、近隣の農業高校の出店、中沢農役の声優・花澤香菜による“ぷちスタジアムDJ”など、さまざまなイベントが?われた。

■水戸ホーリーホック×『ガールズ＆パンツァー』

　12年10月からテレビ放送されたオリジナルアニメーション作品で、熱い戦車戦描写と女子高生の成?を描いたハートフル・タンク・ストーリー。今夏に完全新作となる劇場版の公開を控えている。作品の舞台は茨城県大洗町で、作中に実際の風景などが随所に登場し、町内ではさまざまなコラボイベントが行われ、舞台巡りに今もなお多くのファンが訪れている。そんな中、サポーターが持ち込んだ1体のフィギュアをきっかけに、大洗町をホームタウン推進協議会とするホーリーホックとのコラボレーションが実現。13年11月10日（大洗町の日）に行われた対ヴェルディ戦でのコラボマッチを皮切りに、昨シーズンはピッチ看板スポンサー契約を結び、出演声優を招いてのトークショー、スタジアムのオーロラビジョンを使ったアニメ本編上映、コラボグッズの販売など、1年間をとおしてさまざまなイベントを実施した。協力関係を築いて3年目となる今シーズンはユニフォームスポンサー（パンツ）契約を結んでいる。