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録画視聴率はリアルタイムに代わる指標となりえるのか? 視聴者の本音に迫る

 先ごろビデオリサーチ社から7〜9月に放送された番組のタイムシフト視聴(録画番組の再生視聴)に関する調査データが発表され話題を呼んだ。近年のテレビ視聴動向の変化を捉え、番組の視聴実態を把握するため、来年1月より本格的に実施される“録画視聴率”。果たして視聴者は、同調査をリアルタイム視聴率と同等、もしくはそれ以上の指標となりうるデータと考えているのだろうか?

全体の78.9%が【YES】という結果に

全体の78.9%が【YES】という結果に

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■78.9%がリアルタイム視聴率と同等のデータになると回答

 そもそも視聴率とは、「個々の番組をどれくらいの人が観たのか?」を表す数値であり、基本的にはリアルタイムで番組を観た分だけが測定されてきた。だが、ビデオデッキが普及し始めた時期から、視聴率のほかに“録画率”も考慮していく気運が高まり、現在のWEB、SNSの普及による娯楽の多様化、地デジへの移行、大容量ハードディスクの普及などに伴い、本格的な導入が実現した。

 ORICON STYLEでは、来年1月からの本格導入を前に、「タイムシフト視聴率(録画再生率)が、現在のリアルタイム視聴率と同等、もしくはそれ以上重要なデータになると思いますか?」という意識調査を実施。その結果、【YES】が78.9%、【NO】が21.1%となり、もはやリアルタイム視聴率のみで個々の番組の人気を結論付けるのは無理があるというのが大勢を占めていることがわかった。

 YESと答えた視聴者の主なコメントとしては、やはり「リアルタイムで視聴できなくても、録画で視聴できる人がたくさんいるはずだから、その率も合わせた方が正確な視聴率が得られると思う」(山形県/10代/女性)、「生活スタイルが多様化している分、そのデータからもいろいろなことがわかると思うから」(群馬県/20代/女性)など、現在の生活スタイルに合った数値を望む声が大半。また「今までの視聴率がひっくり返り、ちゃんとした数字がでると思う」(神奈川県/20代/男性)など、同調査をきっかけに、テレビメディアの新たな“地殻変動”を期待する声も目立つ。

 また、NOと答えたユーザーの主なコメントとしては「今までの視聴率調査もそうだけど、あまりにブラックボックス過ぎる! 録画視聴率も信用しきれない部分がある」(東京都/30代/男性)、「局側は視聴率とか気になるだろうが、今はスマホとかでも見ることができるのであまり関係ないと思う。視聴率が高い=良い番組、視聴率が低い=人気がない番組と一概には言えない」(栃木県/20代/女性)、「そもそも、視聴率って一般人には関係ない」(千葉県/20代/男性)など、なかなか手厳しい意見も多い。

■データの価値は高いが集計方法に疑問も

 ライフスタイルの多様化に伴い、タイムシフト視聴率のデータとしての重要性は視聴者も大いに実感しているが、課題も山積みだ。録画率を調査する際、録画と同時にその番組を観るケースも当然あり、それは視聴率と録画率に同時にカウントされる仕組み。つまり、リアルタイム視聴はしていないが、後ほど視聴する目的で録画した視聴者と混同して算出されてしまうのだ。今回の意識調査でも、「視聴と録画を同時にした人は録画率から除外しないと正しい数値にならないから意味がない」(埼玉県/40代/男性)など、データ算出に関する意見も目立つ。

 確かに、今回発表された7月期のタイムシフト視聴率ランキングも、首位が『HERO』、2位に『昼顔』(共にフジテレビ系)など、リアルタイム視聴率でも数値が高かった番組が上位を占めており、ある意味でリアルタイム視聴率と反比例するような集計結果を期待した視聴者が少なくないようだ。

■視聴者? スポンサー? 誰がための視聴率になるのか

 また、タイムシフト視聴率が“誰がための指標なのか?”という点も重要だ。これまでのリアルタイム視聴率は、スポンサーを獲得するための絶対的な指標、その数値の良し悪しはテレビ局にとって、まさに死活問題。だが、タイムシフト視聴率となると、カット機能によりCMの効力が極端に薄れるため、スポンサーやテレビ局がそのデータを今後、どこまで重要視していくかも気になるところだろう。

 “録画をする”という行為自体の考え方も人それぞれ。ある人にとっては、「この番組はリアルタイムで観たいけど、裏番組は録画でいいや」という考えもあれば、「この番組は永久保存版として残しておきたいから録画する!」という思考もあり、考え方ひとつで録画の価値観が180度変わってしまう危険性をはらんでいる。

 テレビ局にとって視聴率という呪縛は、今後も逃れることが出来ない“絶対的なもの”であることは間違いない。そもそも、視聴率データ自体がテレビ局やスポンサーに向けた人気のバロメーターとして開示されたものだからだ。スポンサーではなく視聴者のための番組作りに活かすような番組データ……願わくば、来年本格的に実施されるタイムシフト視聴率には、“視聴者のための”人気のバロメーターとして確立して欲しいと切に願う

音楽・書籍等の特典に対するユーザーの思いは?

【調査概要】
調査時期:2014年8月12日(火)〜18日(月)
調査対象:合計1000名(自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員10代、20代、30代、40代の男女)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査

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