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ハイレゾ市場で注目集めるアニソン分野

 ハイレゾの領域で今、アニソン分野の好調が目立っている。すでに有力ジャンルとしての地位を確立しつつあるが、昨年10月のe-onkyo musicへの音源提供開始以降、この流れを強力に後押ししてきたレーベルがランティスだ。

「アニメファンは、アニメの作画や声優の声質など、できうる限り高いクオリティのまま触れたい、 入手したいという傾向があるので、高音質ということにこだわり抜いたハイレゾは非常に相性がいい 」とランティスの事業本部事業戦略プロデューサー/高野宏之氏

「アニメファンは、アニメの作画や声優の声質など、できうる限り高いクオリティのまま触れたい、 入手したいという傾向があるので、高音質ということにこだわり抜いたハイレゾは非常に相性がいい 」とランティスの事業本部事業戦略プロデューサー/高野宏之氏

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■ハード、イベントを伴う海外展開も

 「アニソンファンからの好反応があってから気がついたことなのですが、もともと、アニメファンはアニメの作画や声優の声質など、できうる限り高いクオリティのまま触れたい、入手したいという傾向がありました。ですから、高音質ということにこだわり抜いたハイレゾは非常に相性がいいんです。ユーザーからの反応を得て、今年5月に、全社的にハイレゾに力を入れていこうという方針を決め、新作のハイレゾクオリティでの制作や、旧作のハイレゾリマスター化についての方向性をまとめました」(ランティス・高野宏之氏/以下同)

 この夏は、まず8月6日にe-onkyo musicで、JAM Project作品100曲の配信を一挙に開始した。

 「JAM Projectは当社を象徴するアーティストですから、彼らの楽曲をハイレゾでもラインアップするということは、ランティスとして、ハイレゾを今後の重要な領域として位置づけるという、社内に向けての意思表示とも言える施策です」

 さらに、8月20日にはmoraからのハイレゾ配信もスタート。スフィアのこれまでの全音源を一挙にラ
インアップした。

 もちろん、ハイレゾが一般に浸透し、当たり前のように使われるためには、これらプラットフォームでの展開だけでなく、ハードウェアの充実が必須だ。同社では7月、iPhone等のスマートフォンと接続することで、手軽にハイレゾ音源を楽しむことができるiriverの人気ヘッドホンアンプ「AK10」を『ラブライブ!』とコラボレートさせた「Astell&KernAK10 ラブライブ!エディション」を発売した。μ’sメンバーそれぞれにちなんだ9色展開を行い、オリジナルホルダーなどもパッケージしたもので、OEM商品として自社発売していることからも、同社のハイレゾへの「本気度」の一端が伝わってくる。

 さらに今年は、東海、関西、関東、東北の4会場で開催する同社主催の野外アニソンフェス「ランティス祭り」の関東会場(9月13日〜15日/東京・潮風公園)では、e-onkyo musicなどのプラットフォーム事業者及びハードメーカー合計8社とともに、ハイレゾに関するブース出展も行う。

 「ランティス祭りでもハイレゾの楽しみ方を提案していきたいと思ってのことです。特に若い層、女性層も多くいらっしゃるイベントですから、小さなヘッドホンアンプがあるだけで、誰でも持っているスマートフォンでハイレゾが楽しめるということも、積極的に提案したいと考えています」

 若い層が多いアニソンファンは、他のジャンルのファン以上に、声優、シンガーの声のクリアさや息づかい、臨場感や空気感などにこだわりを持っている。主に「歌声」にフォーカスしている点がやや異なるとは言え、ハイレゾ市場をけん引してきたジャズやクラシックのファン同様のディテールへのこだわりだ。音の解像度や音像の立体感など、一度体験すれば分かる魅力的なサウンドクオリティを、今後もそれらアニソンファンに伝えていきたいという。

 「今後、年内にも『Astell&Kern AK10ラブライブ!エディション』を海外展開させる予定です。そして、来年のランティス祭りも海外数ヶ所で行う予定で、当社としても、ハイレゾの海外への訴求も図っていきます」

 DVDからBlu-ray Discへの移行が、他に先駆けていち早く進んだのがアニメ分野だ。アニメファンが持つクオリティへの欲求を示すもので、音楽分野でその欲求を満たす新たな領域となるハイレゾは、アニソンというジャンル自体の活性化にも貢献していくだろう。そして、本格的なハイレゾへの取組みという方針をいち早く打ち出したランティスは、今後も確実にその中心に位置していきそうだ。(ORIGINAL CONFIDENCE 14年8月25日号掲載)

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  • 「アニメファンは、アニメの作画や声優の声質など、できうる限り高いクオリティのまま触れたい、 入手したいという傾向があるので、高音質ということにこだわり抜いたハイレゾは非常に相性がいい 」とランティスの事業本部事業戦略プロデューサー/高野宏之氏
  • iOS端末に接続することで最大96KHz/24bitのハイレゾ音源を楽しむことができるヘッドホンアンプ「Astell&Kern AK10 ラブライブ!エディション」(税込3万980円)。本体(写真下)の他、iPhone等に固定できるオリジナルホルダー等もパッケージしている。写真上はμ’sの高坂穂乃果エディションで、写真下は同園田海未エディション
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