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世界に紹介したいアニメや漫画を投票で決定 「SUGOI JAPAN」

 今年で140年を迎えた読売新聞社。その記念事業として開始したのが、日本のポップカルチャーを国民投票で決定する『SUGOI JAPAN』プロジェクトだ。「文化世相の紹介・発信」を新聞社の大きな役割の1つとし、これまでも常に最先端の文化を発信してきた同社に、今回このプロジェクトを立ち上げた経緯や想い、今後の展望などを聞いた。

『SUGOI JAPAN』は、過去10年間に日本国内で発表された「マンガ」、「アニメ」、「ライトノベル」、「エンタメ小説」が対象

『SUGOI JAPAN』は、過去10年間に日本国内で発表された「マンガ」、「アニメ」、「ライトノベル」、「エンタメ小説」が対象

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■海外に知られてない作品を中心に紹介することが大きな狙い

『SUGOI JAPAN』プロジェクトは、05年1月1日〜14年7月31日までの約10年間に、日本国内で発表された「マンガ」、「アニメ」、「ライトノベル」、「エンタメ小説」を対象に、世界中の人々に紹介したい、世界でもヒットするに違いない、と多くのファンが支持する作品を、国民投票で選ぶ史上初の試みだ。

「当社はこれまで、時代の最先端をいく日本の文化の育成や発信に力を入れてきました。今年140周年を迎え、今後もますます新聞社として日本の文化を発信する役割があると思っています。その1つが今世界的躍進を遂げているポップカルチャーです。まだそんなに知られていない作品を、日本と世界に広めたいという想いで立ち上げました」と語るのは、プロジェクトを立ち上げた読売新聞東京本社の下梶谷敦氏。

 運営は同社を中心にした「SUGOIJAPAN 実行委員会」で行い、メンバーは、書籍情報誌『ダ・ヴィンチ』元編集長の横里隆氏(出版プロデュース会社・上ノ空 代表取締役)などの専門家で構成されている。

「プロジェクトを成功させるため、横里氏をはじめ、ポップカルチャーの分野で専門家に勝るとも劣らない知見をお持ちのスペシャリストに集まっていただきました」(下梶谷氏)

 後援・協力には日本の行政機関である外務省、経済産業省と関連団体、またポップカルチャーのファンがよく集まる各地域商店街も名を連ねる。

 「クールジャパン戦略の一つということで後援を依頼したところ、どちらの省も、“日本の文化を世界に知ってもらいたい”という趣旨に賛同してくださり、快諾をいただきました。また、ファンの集まる商店街の協力を得ることで、この企画の裾野が広がっていけばと思っています」(下梶谷氏)

 今回、このプロジェクトを国民投票にした狙いについて同氏は、「日本のファンが推すもの、特に海外に知られていない作品を中心に紹介できれば、というのが一番大きな狙いです。ただし、ネット投票ですので、ひょっとしたら海外からの投票もあるかもしれません。日本票はそれほどでもないのに、欧米票やアジア票で人気の高い作品が出てくるかもしれず、それはそれでおもしろいかなと思っています」

 現時点(7/18現在)で約1500の推薦作品があり、4ジャンルのなかで多いのは、マンガとアニメだという。ところで、なぜ今回この4ジャンルにしたのか。

 「日本のポップカルチャーというと他にもあるとは思うのですが、当社は紙媒体なので、まずは紙媒体、活字媒体を中心にやってみようということになりました。また、映画やゲームにも活字が原作のものや、逆にゲームがノベライズされたものもあります。それも考え合わせ、まずはこの4ジャンルに決定しました」(読売新聞東京本社・池上吉典氏)

 今後の流れについては「10月に約200のノミネート作品を発表しますが、作品の紹介文は英語版も作成して配信します。この10年間の日本のポップカルチャーを代表する50×4ジャンルですので、特に海外で、このリスト自体に興味を持ってもらえるのではないかと考えています。これが海外のクリエイターの目にとまり、最終的には、この中から現在ヒットしている『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のような作品が生まれてくれれば」(池上氏)

 ご存知のとおり、映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』は、日本のライトノベルが原作。この取り組みが、次代の「日本原作」を生み出す原動力になる日は近いかもしれない。(ORIGINAL CONFIDENCE 14年8月4日号掲載)

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  • 『SUGOI JAPAN』は、過去10年間に日本国内で発表された「マンガ」、「アニメ」、「ライトノベル」、「エンタメ小説」が対象
  • 「史上空前の国民投票、はじまる。」とアピールするイメージ画像

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