スポーツに取り組む中高生にとって心配なことは、将来、その道でキャリアを積むことができるのかということ。「このままスポーツに打ち込んでいって、その世界で大成できればいいけど、もしダメだった場合、他の道を急に探しても、困ることになるのでは……」。そんな不安を抱えることも多いだろう。

　最近、そんな悩みを解決するような教育が脚光を浴びつつある。スポーツに励む若者たちを後押しし、さらにそれに関連した業界にも道をつなげられる支援教育を実践している大学も出てきている。

　その一つが大阪の追手門学院大学。「スポーツに対して、学問として多角的に向き合う」ことを目的とした「スポーツキャリアコース」を今秋からスタートする。体育会のクラブか、学外の団体で本格的にスポーツに取り組んでいる学生が参加でき、まさにスポーツをがんばる人のために作られたプログラムだ。

　カリキュラムをみると、第一線で活躍する現役選手やチームの指導者、運営者などを招いてノウハウや経験を語ってもらう「特殊講義」の他、「スポーツ心理学」「スポーツ栄養学」「トレーニング論」「スポーツビジネス論」など多様だ。効果的なトレーニング法や体作りの理論はもちろん、チームのマネジメントや、プロスポーツに欠かせないマネタイズの部分に関しても学べる点などが興味深い。

　卒業要件およびコースの修了要件を満たした学生には、スポーツキャリアコースの『修了書』も授与される。もちろん卒業後の進路先を確保するキャリア支援に力を入れる。スポーツ産業を含め、様々な進路先を開拓しているそうだ。

　2020年の東京五輪開催に向けて日本ではスポーツビジネスに注目する人も増えてきており、こういったスポーツキャリア教育への需要もますます高まるに違いない。それに応えようと充実度が高まれば、スポーツをがんばる人にとっても心強い。その最先端を行こうとする追手門学院大学の今後の取組みに注目したい。

◆大学探検シリーズVol.3『追手門学院大学 新設スポーツキャリアコースを探る！やる気満々の一期生・陸上部女子を直撃☆』