「サンダンス映画祭」最優秀監督賞受賞、心に突き刺さる傑作ドキュメンタリー！
誰もが一度は味わう思春期ならではの葛藤や絶望。進路や将来に悩む高校3年生のリアルな実態を描く

アメリカ中西部インディアナ州の地方都市ワルシャワは、白人と共和党支持者がほとんどを占め、富裕層から経済的に恵まれない家庭まで様々な人々が暮らす、アメリカの典型的な町。そこに唯一ある高校に通う生徒たちもまた、アメリカの典型的なティーン。 体育会系の花形選手コーリン、みんなが憧れるプリンセス・メーガン、バスケットボール部のレギュラーでイケメンのミッチ、恋に戸惑うアート志向の女の子ハンナ、誰からも相手にされないオタクのジェイク……。 社会の縮図のような完全なヒエラルキーのなかで生活する彼らに、高校生活最後の10カ月がやってきた。コーリンは大学進学のため、何としても試合に勝たなければならなかった。メーガンは親も兄弟も出た有名大学への進学が目標。ジェイクは進学よりも彼女がほしくてしょうがない。そんななか振られたばかりのハンナがイケメンのミッチと恋人同士になるというニュースが校内を駆け巡る……。

夢を抱き理想を追い求めるのが10代の特権。しかし彼らの前に、現実は常に乗り越えがたく存在しています。それはアメリカも日本も同じ。 この映画はアメリカのごく普通の高校３年生たちの日常を、1000時間という膨大なフィルムに納めることで、誰もが共感せざるを得ない「シナリオのないドラマ」を作り上げています。 彼らがどうやって現実と向き合い、夢に向かって歩き続けようとするのか？　その姿を目の当たりにすることは、日本の10代はもちろん、かつて10代だった人たちにも、今の何気ない日常が「生きている」実感に満ちあふれたものであると感じられるでしょう。 監督はハリウッドの名物プロデューサー、ロバート・エヴァンズの破天荒な半生を追ったドキュメンタリー『くたばれ！ハリウッド』（02年）で高い評価を得たナネット・バースタイン。