4月5日に第一章が公開となる映画『THE NEXT GENERATION−パトレイバー−』。17日、ららぽーと豊洲にて、同作の実物大イングラムのデッキアップ披露イベントが開催され、主演の真野恵里菜をはじめ、筧　利夫、押井 守監督が登壇した。

　1988年の発表後、コミック、アニメ、小説といった他分野で展開し、現実に極めて近い世界に“レイバー”という巨大機会が存在する設定で多くのファンを獲得してきた『パトレイバー』シリーズ。今回、アニメシリーズの初期OVA・劇場版（1&2）でも監督を務めた押井 守を総監督に迎え、登場人物を世代交代した完全オリジナルの新作プロジェクト『THE NEXT GENERATION−パトレイバー−』として始動させた。

　4月からシリーズ全7章の順次公開と来年のGWには長編劇場を控えている同作。当日のイベントに、第二小隊のパイロットスーツで登場した主人公・泉野 明を演じる真野は、「今日この衣装着るのが、クランクアップして最初なので。なんか（泉野 明が）よみがえります」と嬉しそうに語った。

　また、役については「自分の中で明を演じてきて、最初はすごい葛藤とか、悩みとか戸惑いとかあったんですけど、今はもう達成感でいっぱいで。逆に、公開されて私の演じた泉野 明が、みなさんにどう映るのかっていうのが、楽しみです」と充実した顔を見せた。

　役を演じていた気がしないというほど、“そのまま”で第二小隊の隊長・後藤田継次を演じた筧　利夫は「アニメのときから非常にファンが多い役どころで、（後藤田を演じるにあたって）非常に導入部的には難しい入りがあったんですけれども。最終的な結論としては、俺の演技に周りに慣れてもらうしかないなと。そういう結論で、突き進ませていただきました」とコメント。

　人気シリーズの実写映画化というだけに、作品や配役に対してのマイナスな反響も覚悟していたという押井監督は、「公開が終わりに差し掛かった頃、“やっぱりこの2人でなければ、後藤田っていう隊長と、明っていう女のコは演じられないんだ”っていう、“そう思ってもらえるようになるから大丈夫だって”って。そうならなかったらもう、僕の責任です」と話す一方で、「多分あっという間に慣れちゃうし。観たらね、“真野恵里菜じゃなければダメだったんだ”って、そういう風に思ってもらえるはずです」と自信を覗かせた。

　さらに同作について、押井監督は「隊員とか隊長とか、生活しているその感覚を、堪能していただければいいなって。最終的に、特車二課みたいな会社がもしあったら、“そこで仕事してみたいな”って思えるかどうか。“こんなとこは2度とごめんだ”って思うのか、“大変そうだけど、ここに行って仕事したらおもしろいのかな”っていう。そういう感覚になってもらえれば、シリーズとしては成功なんだろうなって思います」とコメント。

　そしてトークショー後には、メインイベントである実物大イングラムのデッキアップが、「泉野！パトレイバー、デッキアップ！」（筧）、「はい！パトレイバー、出動します！」（真野）の合図で開始。夕日を受けたイングラムが徐々に起き上がると、会場には歓声が上がった。

　筧も「外ってやっぱり違いますよね。もうちょっと電池が入ってれば今日歩くんですけどね」と冗談を交えつつも、その迫力に改めて圧倒された様子。押井監督は「倒れないか心配！」と語り、会場を沸かせた。

　また、98式イングラムを操縦するという役どころの真野は「コックピット内の撮影は、クランクイン初日よりも緊張しました。改めて、パトレイバーという作品に出られるんだっていう実感がすごい湧いて。で、もう実際乗り込むと、いろんなスイッチがあったり、バーがあったりして。すごいわくわくしましたね」と操縦シーンの思い出を語った。

　最後に真野は「このパトレイバーで泉野 明という役をいただいて、本当に最初はどうしようかと思ったんですけど、撮影していくうちに私自身もすごいレイバーと明が好きになったし、その特車二課にいつまでもいたいなっていう感覚になりました。これは是非劇場で、大きいスクリーンで観ていただきたいです。後は、すごい幸せなことに、主題歌のほうも私が歌わさせていただいておりますので、ストーリーを観た後に、歌手・真野恵里菜の歌も、エンドロール最後まで観ていただけたらなと思います」とメッセージを送った。

　映画『THE NEXT GENERATION−パトレイバー−』第一章は、4月5日（土）より公開。また、今月22日と23日に開催される国内最大級のアニメの祭典『Anime Japan 2014』で、同映画のブースが出展されるほか、22日には真野と押井監督の出演が決まっている。なお、4月1日発売の月刊『デ☆ビュー』5月号に真野恵里菜が登場。インタビューに答えている。