流行りモノ調査隊 流行りモノ調査隊
#034 今週の急上昇キーワード(更新日:2008/03/11)
Shojo Manga
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今回の調査内容
米国の少女マンガブームは本当か?NYで突撃インタビュー!
『少女マンガパワー!』展@川崎市市民ミュージアム
世界では“漫画革命”が起きている!@TOKYOPOP
『西洋骨董洋菓子店〜アンティーク〜』初のTVアニメ化決定!@フジテレビ“ノイタミア”
春のマンガ・アニメ関連イベント情報
米国の少女マンガブームは本当か?NYで突撃インタビュー!2/4
 というわけで、もう少し話になりそうなところに場所を移すことに。

 日本のマンガとなれば、やっぱり「紀伊国屋書店」。たしか、2007年10月下旬にリニューアルして、広いマンガコーナーがあったはず。いたいた!少女マンガコーナーにたむろするアメリカ人の女の子たち。

 「あのう、突然ですが、少女マンガ、知ってる?」
 「もちろん!」

 「少女マンガ」とそのまま日本語でぶつけてみたら、あっさり通じた。「スシ」「トーフ」と同じレベルで通じたことに感動〜。

ブックオフ さて、次は「ブックオフ」。あるんですよ、ニューヨークにも「ブックオフ」。

 「少女マンガ」という日本語が通じたナターシャ・ダニエリアン(Natasha Danielian)さんが、気さくに取材に応じてくれた。彼女はニューヨーク市立大学で数学を専攻する大学生。

 「新品は高いので、いつもここで買っているの。英語版やバイリンガル版もけっこう新しいのが入荷されているのよ。学生でお金がないからそんなに買えないの。少女マンガに使うお金は1ヶ月100ドル以下と決めているの」

 そんなナターシャさんは少女マンガ歴8年。300冊くらい持っているそうだから、なかなかのもの。

  「何かきっかけがあってというわけじゃなく、気がつくといつの間にか読んでいたって感じ。ニューヨークって、いろんな国のカルチャーと自然に出会える環境だから、日本のマンガも本屋で自然に目についたので読み始めたというか」

  現実と現実でない世界が入り混じった不思議ストーリーが楽しいそうだ。いちばんのお気に入りは、CLAMP。『ふしぎ遊戯』の渡瀬悠も好きとのこと。

この日は『ウルトラ・マニアック』(吉住渉)をゲットしたナターシャ。学園生活でマジカルな女の子が活躍するような不思議ストーリーが好き。
この日は『ウルトラ・マニアック』(吉住渉)をゲットしたナターシャ。学園生活でマジカルな女の子が活躍するような不思議ストーリーが好き。
「特に女の子のキャラがとっても魅力的。登場人物がしっかりした個性を持っているところが少女マンガのいいところ。奥が深くて、どんどん続きが読みたくなってしまう。もちろんコスチュームもかわいくてファッショナブルで好きよ。アメコミ(アメリカンコミックス)のキャラはどれもこれも悪い奴をやっつける正義の味方でしょ。ストーリーも単純すぎて飽きてしまう。アメリカにはティーン対象のマンガがないのよ。それに比べて日本の少女マンガは私たちの気持ちに近いから、共感できるの」

 最近、日本語の勉強のためにバイリンガル版の少女マンガを読みはじめたところだそうで、「少女マンガを日本語で読めるようになりたいと思っているので、次のセメスターでは日本語を取ろうと考えているの。将来は学校の先生になって、子供たちにマンガを使って教えたい。マンガは大人も子供も楽しめるから」と、夢を語ってくれました。
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世界では“漫画革命”が起きている!@TOKYOPOP
 米国マンガ界をリードする出版社の一つが、TOKYOPOP(本社:東京都港区)。米国・ロサンゼルスにも拠点を置き、これまでに北米で出版したマンガは1000巻以上、約3500万部。今後はさらに2年間で約1000巻のマンガを刊行する予定という。従来のマンガ=紙媒体だけでなく、インターネットを駆使した普及やオリジナル作家の発掘・育成、映画化などの展開も視野に入れたグローバル・エンターテインメント・コンテンツの企画・プロデュースにも取り組んでいる。取締役ジェネラル・マネージャーの松橋祥司さんに話を聞いた。

松橋「米国で、マンガが流行っているといっても、ここわずか数年のことです。2002年がターニングポイントでした」

TOKYOPOP専用のマンガラックを兼ねたPOPを作り、書店での認知を促した
TOKYOPOP専用のマンガラックを兼ねたPOPを作り、書店での認知を促した
2002年当時、5500万ドルだった北米マンガ市場は、わずか2年後には1億4000万ドル市場へと成長。同社の売り上げも急激に伸び、市場シェアの約50%を占有するまでに急成長した。2002年に何が起きたのか。

松橋「日本のマンガを英訳して出版する際、横書きの英語に合わせて、わざわざ左右を反転させていたのですが、それをやめました。吹き出しの部分が英訳されているだけで、ほかはすべて日本のマンガと同じ。描き込まれた擬音なども日本語のまま残すことにしました。さらに、版型も日本の単行本とほぼ同じサイズに統一。それを“オーセンティックマンガ”、つまり“本物のマンガ”と打ち出したのが受けたんです」

 いまや世界中にいるマンガファンは、インターネットを駆使して日本のマンガを読んでいる。オリジナルな言語である日本語でマンガを読むために、日本語を勉強しているファンも少なくない。

 一方で、2002年以前に米国で出版されたマンガは出版社によっても、また作品によっても版型・サイズがバラバラで、書店での扱いもSFマンガはSF小説と同じ棚に置かれてしまったり、“マンガ”というジャンルの認知そのものが希薄だったという。版型を統一し、“オーセンティックマンガ”として専用ラックやPOPを作るなど、明確な販促を行ったことで、書店の一角にマンガコーナーを設置する動きが加速。消費者にとってもわかりやすく、買いやすくなったことで、マンガファンが一気にオーバーグラウンドに現れた。

松橋 「日本のマンガのほうが、クールでかっこいいって(笑)。娯楽としても、新鮮だったのでしょう。もともとあるアメリカン・コミックの市場規模というのは非常に小さくて、出版だけでみるとマニアックな存在。コンテンツも男の子向けのスーパーヒーローに限られています。しかし、日本のマンガはコンテンツの幅も広いし、世代や好みに合わせた作品がたくさんある。それだけ、読者層も広く、市場も大きい」

『Princess AI(プリンセス・アイ物語)』(左:日本語版も発売中)は、コートニー・ラブ&D.J.ミルキー原作、矢沢あいがオリジナルキャラクターデザインを手がけたヒット作。実写映画化も決定している
『Princess AI(プリンセス・アイ物語)』(左:日本語版も発売中)は、コートニー・ラブ&D.J.ミルキー原作、矢沢あいがオリジナルキャラクターデザインを手がけたヒット作。実写映画化も決定している
米国で出版されたマンガの日本語版の出版も今後、増やす予定
米国で出版されたマンガの日本語版の出版も今後、増やす予定
月間ユニークユーザーは約100万人。世界中のマンガファンがアクセスする『TOKYOPOP』WEBサイト
月間ユニークユーザーは約100万人。世界中のマンガファンがアクセスする『TOKYOPOP』WEBサイト
英語:http://www.tokyopop.com/
日本語:http://www.tokyopop.co.jp/
2005年9月18日付けのニューヨークタイムズは、「米国出版業界で最もホットなマーケットは『Shojo Manga』」と報じた。マンガの中でも特に注目されているのが少女マンガといわれるのは?

松橋 「意外に思えるのですが、米国では、ティーンの女の子向けのエンターテインメント、カルチャーというのが少ないんです。その隙間にうまくハマッたのが、キティちゃんであり、少女マンガ。かわいいものを“かわいい”と喜ぶ女の子らしさを自然に表現する楽しさに、米国の女の子たちも気付いたというのもあると思います」

 TOKYOPOPでは、「マンガ・レボリューション(漫画革命)」を掲げ、SNSサイトを核に、世界中から才能の発掘、育成にも取り組んでいる。

松橋 「日本のマンガの影響を受けて、読者から作家を目指す人たちが出てきました。それで、年2回、マンガ新人賞コンテストを開催しているのですが、1回あたりの応募が1000を超えるようになった。それも、すごく積極的で熱心なので、バックアップしたいと思ったんです。2006年末からマンガの投稿ができるSNSサイトを立ち上げました。今後はさらにグローバルに、マンガ原作による映画やアニメ、ゲームへと展開するプロジェクトを推進していきたいと考えています」

  SNSサイトから世界デビューも夢じゃない。2007年8月には、TOKYOPOPのオリジナル・マンガ作品をベースに、ハリウッドで実写映画10作品の制作が決定。すでに動き出しているプロジェクトもあり、マンガの可能性はさらなる広がりみせる。日本のマンガファンも、グローバル化するマンガから目が離せない。
<関連リンク>
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