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鈴木亮平、バズ・ライトイヤーを演じた誇り 「受け入れる」ことの大切さに共感
鈴木正直に言うと、非常にありました。僕はアンディとほぼ同世代で、所さんのバズをみて育ってきているので、どうすればお客さんに納得してもらえるんだろうと思いました。オリジナル版のクリス・エヴァンスさんが、おもちゃのバズとは完全に違う、という方向性で演じられていたので、僕もそのつもりでおもちゃのバズのモデルとなった“人間のバズ”を演じようと思いました。ただ少しだけ自分の中でのこだわりで、「無限の彼方へ、さぁ!」の言い方をコンマ何ミリか所さんに寄せてみたところがあります(笑)。
――完成した映画をご覧になった感想は?
鈴木たぶん観客の皆さんもそうなると思いますが、最初は「あれ? 所さんのバズじゃない」と、自分でも思いました(笑)。でもすぐにこれはおもちゃのバズの話じゃない、というのがわかって、気づいたら自分が声優をやったことも忘れていました。
鈴木いろいろあるのですが、「受け入れること」ですかね。バズは、過去の自分の失敗を受け入れて、自分が完璧なスペース・レンジャーではないということを受け入れて、周りの仲間を受け入れて、成長していく。さらに、無情に流れる時間も受け入れていくおはなしでもある。
――バズは責任感が強いあまり、他人に頼ることが苦手。鈴木さんはそんなバズの一面に共感できますか?
鈴木非常に共感できますね。僕も20代後半に入るまではバズと全く同じでした。人から評価されたいし、頼られたいし、頼れる人だと思われたいし、しかも自分にはその価値があると思っていましたし、自分一人でもできると思いがちでした。でも、そんなふうに思って虚勢を張っているうちは全然信用してもらえなかった。だから、どこかで僕は、かっこつけることをやめた気がします。これといったきっかけはなくて、たぶんですが、かっこつけなかった時の方がうまくいったという経験の積み重ねによるものだと思います。大人になるってそういうことなのかもしれない。それも、自分の弱さ、至らなさを受け入れるところから始まっていたと思います。
鈴木バズ・ライトイヤーを演じた、その誇りが一番大きいですね。もちろん反省点もいっぱいあって完璧ではないのですが、今回、バズ・ライトイヤーの声の収録と向き合って、次に、もしまた演じる機会があったらいつでもバズ・ライトイヤーになれる、その引き出しができた。観客の皆さんがどう受け取られるかはわかりませんが、僕の中では、子どもの頃から見てた(バズのモデルになった)バズになれたという事実は大きいですね。
――おもちゃのバズのモデルとなったバズ・ライトイヤーにはこんな物語があったんだ、というだけでワクワクしましたし、(人間の)バズのことをもっと知りたくなりました。すごく奥行きのあるキャラクターでしたよね?
鈴木そうですね。今回の作品は、バズの人生の一部にすぎない。なぜスペース・レンジャーになったのか、劇中でも語っている候補生時代のバズはどうだったのか、この後、どうなるのか見たいですよね。実はシリーズもので、ユニバースがあるのかも。マルチバースも作れるかもしれないですよ(笑)。願いがかなうのならば、またバズを演じたいと思います。
鈴木宇宙での闘いがとにかくかっこいい。マシンやロボットが出てくるので、子どもは絶対に大満足だと思います。次の世代へ命をつないでいく話でもあるので、親世代にもすごく響くと思う。大人も子どもも感動できる作品を作れるのはピクサーならではだと思うので、ぜひ幅広い世代の人に観てほしいと思いました。あと、(バズの相棒となる猫型の友だちロボット)ソックスがめちゃくちゃかわいいです。
有能なスペース・レンジャーのバズは、自分の力を過信したために、 1200人もの乗組員と共に危険な惑星に不時着してしまう。
彼に残された唯一の道は、全員を地球に帰還させること。
猫型の友だちロボットのソックスと共に、不可能なミッションに挑むバズ。
その行く手には、孤独だった彼の人生を変える“かけがえのない絆”と、 思いもよらぬ“敵”が待ち受けていた…
スタッフ
監督:アンガス・マクレーン
制作:ギャリン・サスマン
日本版声優
バズ・ライトイヤー:鈴木亮平
イジー:今田美桜
ソックス:かまいたち・山内健司
アリーシャ:りょう
モー:三木眞一郎
ダービー:磯辺万沙子
ザーグ:銀河万丈
アイヴァン:沢城みゆき
撮影:松尾夏樹