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「一度は食べてみたい…」憧れの“ジブリめし”初の子ども料理絵本が話題「夢のような世界を現実化する再現工夫」

 SNSでも度々話題となる「ジブリめし」。そのジブリによる最新映画『アーヤと魔女』のレシピを再現した初の子ども向け料理絵本『子どもりょうり絵本 ジブリの食卓 アーヤと魔女』(主婦の友社)が、「夢みたいな企画を形にしたわくわくすぎる1冊」「ジブリめしはテロだと思う」とSNSで注目されている。料理研究家の祐成二葉さんが手がけた本作のレシピは、手に入りやすい食材を使用し、子どもでも簡単に作れるのが魅力。アニメのイメージを壊すことなく再現するレシピ作成の難しさや作る楽しさについて聞いた。

料理研究家として忠実に再現したくなるメニューがたくさんある「ジブリめし」

――熱狂的なファンがいる「ジブリ作品」初のレシピ本ですが、プレッシャーはありましたか?

祐成二葉 息子が3才の頃から映画はもちろん、DVDを買って何回も自宅で観ていましたので、いちファンとして食のシーンには、とても興味がありました。プレッシャーというよりはうれしく、楽しい本にしたいという思いの方が強かったです。

――ジブリ作品に関する思い出はありますか?

祐成二葉 夫の実家が東村山市で“トトロの森”の舞台といわれる狭山丘陵まで歩いて5分でしたので、犬を連れてよく散歩に行っていました。息子はもちろん、“トトロの森”散歩が大好きで、どんぐりや木の葉を拾って楽しんでいました。以前クロアチアに行った際に、『魔女の宅急便』のモデルになったといわれるドゥブロヴニクの街並みがあまりにきれいで、感動したのを覚えています。

――「ジブリめし」に関してどのようなイメージを持っていますか?

祐成二葉 ジブリ作品に出てくる料理は、とにかく描写が美味しそうで食べたくなります。私自身も息子にせがまれて何度も作りました。海外っぽいおしゃれなものもあれば、『となりのトトロ』に出てくる懐かしい風景にある日本の日常的なごはんなど、料理研究家として忠実に再現したくなるメニューがたくさんあります。

――レシピを再現する上で、どのようなところに気をつけましたか?

祐成二葉 まず試写会で映画を観させていただき、イメージを膨らませていきました。『アーヤと魔女』は、基本的にはイギリス料理です。私がイギリス留学中にホストファミリーの家で食べた家庭料理の味や、カフェやパブで食べたスナック、本格的なレストランで食べた伝統の味、地域の料理教室で習ったおばあちゃんの味など、イギリスで食べた思い出の味と結びつけていきました。今回は子どもでも作れる料理絵本なので、例えばフィッシュアンドチップスでは、イギリスのダークビールを使うのではなく、コーラで代用して衣にコクを出したり、簡単にできる方法を考えました。誰でも再現できるようにできるだけ手順を簡単に、手に入りやすい材料で作ることを心がけました。

子どもでも失敗なく作れるように…アニメのイメージを壊さない色や形にこだわった

――アニメのイメージを壊すことなくレシピを再現するのは難しいと思います。アニメの世界感をリアルに表現する難しさは?

祐成二葉 イギリスの伝統料理に関しては、仕上がりが同じになるように、大きさや素材感などにこだわりました。オリジナルの料理やお菓子に関しては、アニメのイメージを壊さぬよう、色や形にこだわりましたが、誰でも簡単にできる工夫も考えていきました。例えば、シーツをかぶったお化けは、シュガーペーストを使うと再現性が高いのですが、扱いが難しいのと材料が手に入りにくいので、粉砂糖と卵白、レモン汁で簡単に作れるように工夫しました。

――レシピを考案するなかで、楽しかったことは?

祐成二葉 主人公のアーヤがとっても元気なキャラなので、魔法を習うことが楽しくなるように、カラフルで元気なイメージでレシピを考えていきました。魔女の家の台所をイメージして楽しくカラフルなおやつや料理を考えていくのは、とっても楽しい作業でした。

――特に拘ったことは?

祐成二葉 子どもでも失敗なくできることにこだわりました。私が子どもの頃に持っていた料理本は、『くまのプーさん』と『メアリーポピンズ』の2つで物語に出てくる料理の本で、わらかない材料が出てくるのが大変でした。本作では、どのスーパーでも手に入りやすい材料で、誰が作っても同じ味にできるように、状態がよくわかるプロセスカットで紹介しています。レシピを完成させるまでに、試作を何回もし、撮影にのぞみ、さらに原稿チェックの時もレシピを見ながら作り、何度も確認しています。

――一番のおすすめレシピは?

祐成二葉 スタッフの皆さんにも美味しいと言ってもらえた『シェパーズパイ』です。ポテトとミートソースを重ねて焼くだけの簡単料理ですが、マッシュポテトの固さと、ミートソースの味にこだわりました。「聖ウォーモード子どもの家」のコックさんの味にも負けない味にできたと自負しています。


――子どもにも理解しやすくするために、どのようなところに気をつけましたか?

祐成二葉 子どもは、あまりレシピをしっかりと読まずに作っていくことが多いので、作り方を混乱しないように、最初に準備しておくことをわかりやすく説明しています。プロセスカットがたくさん載っているので、順を追って作っていけば上手に作ることができます。

子どもにとっても食の思い出は良い経験になる

――料理家としてやりがいに感じたことは?

祐成二葉 ジブリ映画に出てくる料理を作れることが夢のようなことだと思いました。個人的には、息子のリクエストで料理を作ったことはありましたが、1作品まるごと料理を再現することは初めてでしたので、とても楽しく勉強になりました。色使いがワンパターンにならないよう子供の頃に戻った気持ちで料理制作するのは、とってもワクワクした撮影でした。

――レシピ作りで大切にしていることは?

祐成二葉 再現性が高いことです。誰が作っても美味しく、家族や友人にほめてもらえるワクワク感のあるレシピです。

――他に作ってみたい「ジブリめし」レシピはありますか?

祐成二葉 クロアチアの思い出があるので、『魔女の宅急便』の料理を作ってみたいです。「にしんのパイ」や「キキのチョコレートケーキ」。息子からは、「トトロのサツキちゃんの作ったお弁当」をリクエストされています。

――本作をどのように楽しんでもらいたいですか?

祐成二葉 映画を観た後に、子どもが作りたいと思うものを一緒に楽しんでもらいたいです。子どもと一緒だと体力もいるし、散らかって大変ですが、食の思い出は良い経験になります。本がボロボロになるまで楽しんでもらいたいです。大人が作っても満足できる味に仕上がっていると思いますので、ぜひ親子でクッキングを楽しんでみてください。

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