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ORICON NEWS
石丸幹二、2作のアルバムリリースでデビュー30周年を実感 「これからも歌い、演じ続け、後輩たちが追いかけてくれる立場にいたい」
そんな石丸が10月7日、デビュー30周年を記念したベスト盤『The Best』、デュエット曲を集めた『Duets』を同時リリース。自身が選曲し、俳優、歌手として第一線で活躍してきた彼のキャリアを追体験できるこの2作を中心に、歌手、俳優としてのスタンス、30周年を迎えた心境などについて聞いた。
30年間を噛みしめることができた2枚のアルバム制作
石丸幹二ええ。これまでリリースしたアルバムの楽曲から、「果たして1枚にまとめられるのかな?」と思いながら選曲したところ、やはりまったく収まらず(笑)。レコード会社の方から「ソロ楽曲とデュエット曲を分けたらどうでしょう?」というアイデアを頂き、2作同時にリリースすることになりました。選曲の一つの基準は、「30年、板の上に立ってきた自分の歴史を刻みたい」。これまで舞台で歌った曲、大事にしている曲、思い出のある曲を中心に選ばせていただきました。
石丸そうですね。ベスト盤、デュエット盤の制作を通して、劇団四季でのデビューから今までの歴史のページをめくっているような気持ちになりましたね。ライナーノーツを書きながら、そのときどきの思い出がフラッシュバックするように蘇ってくるんです。こういう機会があったからこそ、改めて30年を噛みしめられたんだと思います。
過去の名曲を、今の世代の人たちに聴いてもらうことも僕の仕事
石丸御三方とも素晴らしいミュージシャンで、テイクを重ねるごとにいろいろな技を披露してくださいました。私は、観客のように演奏を味わいながら歌ってましたが、いろいろなエモーションが湧きたってきて、ライブレコーディングの感覚を楽しみましたね。
――ミュージカル楽曲以外では、ショパンの「別れの曲」をモチーフにしたソロデビュー曲「名もなき星になる日まで〜別れの曲〜」を聴くことができます。
石丸この曲には2つのバージョンがあり、今回は後発の“メロウ・バージョン”を収録しています。「また会う日までのトリロジー」という絵本と朗読CDの作品に収められていたものですが、よりジャズの色合いが強いアレンジになっています。オリジナルも好きなのですが、ベスト盤の流れで聴いてもらうには、こちらのほうがいいかなと判断しました。
石丸はい。武満徹は現代音楽の作曲家としてのイメージが強いのですが、じつは映画音楽や歌も数多く残されています。「歌ってみたら?」と、つのださんから勧めてもらったのがきっかけですね。本当に心をそそられる名曲ばかりで、今の世代の方々に向けて歌い継ぐのも、私たちの仕事かなと思っています。
――さらに『The Best』には新録音の「美の真実」(ラブ・ネバー・ダイ)も収録。
石丸昨年、ミュージカル「ラブ・ネバー・ダイ」で歌った曲ですね。私は「オペラ座の怪人」のラウル役でデビューしましたが、やはりファントム役に憧れがありました。その続編として制作されたのが「ラブ・ネバー・ダイ」で、ここで念願がかないファントムを演じたわけです。この楽曲はロック・テイストで、舞台上でも轟音のなか、少年のボーイソプラノと共鳴しながら歌います。作曲のアンドリュー・ロイド=ウェバーが何度も書き換えたというこの曲をどうしても音源として残したいと思いました。
――アンドリュー・ロイド・ウェバーさんは、石丸さんのキャリアにとっても大きな存在ですよね。
石丸そうですね。このベスト盤もロイド=ウェバーだらけですから(笑)。それも自分が自分である証なのかなと。