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フォロワー33万人超え「お文具」の“ユル名言”に癒される人続出「心の隅からそっと出して」

 インスタグラムやYouTubeのフォロワーが合計33万人超え、SNSでの累計PVは2億を突破し、若い女性を中心にその人気は子どもたちへと広がっている「お文具」。一見お餅にも見える謎の生物「お文具」のなんともいえないフォルムと、すべてを包み込んでくれるような優しい言葉に、「可愛すぎてたまらない」「まったり、ほっこり、のんびりとした気分になる」と絶妙なゆるさに癒やされる人が続出。どのような発想で生まれたのか、謎の生物「お文具」とは何者なのかその実態を探るべく作者に話を聞いた。

「お文具」は作者自身のこと…ウーパールーパーなど顔の単純な生物がモチーフ

――「お文具」というキャラクターは、どこから生まれたのでしょうか?

作者 教科書やノートの空いている部分に何かを埋めたくなる、そんな衝動にいつもかられていました。描きやすくて埋まりやすい物として誕生したのが「お文具」の原型です。何も考えずに描いていたので、これといったモチーフはないのですが…何かと言われれば、もしかしたら私自身なのかもしれません。

――お餅にも見える謎の生物ですが、モチーフは?

作者 オオグチボヤやオオサンショウウオ、ウーパールーパーなど顔の単純な生物をモチーフにしています。何かの動物をそのままキャラクターにしようとも考えたのですが、実際には存在しない生物の方がいろいろと可能性を秘めている感じがしたので、引き算をしていった結果、色も塗らずお餅みたいな未確認生物になってしまいました。

――なぜ「お文具」を描こうと思ったのでしょうか?

作者 特定の誰かに向けて描きたいと思って書いたわけではなく、自分自身の忘備録という形で、Twitterから始めたのがきっかけです。見返すと自分自身もほっこりしたので、身近な人や、知らない誰かが少しの間、癒される存在になれたらなと思い、現在もそのまま続けています。

――「お文具」は、心にあるものを具現化したようなフォルムで、素朴なイメージがあります。なぜ、ここまでシンプルなキャラクターにしようと思ったのでしょうか?

作者 動物をキャラクターに具現化してしまうと現実味が出て、実際に写真や映像で観たモチーフの動物とリンクしてしまう。覚えておきたかったことや伝えたかったことがストレートに入らないと思ったので、シンプルで素朴なキャラクターにしました。

思いついたものをそのまま一気に描き上げる一方で、お蔵入りになる作品も多い

――すべてを包み込んでくれるような「お文具」の優しい言葉に癒やされます。言葉選びで気を使っていることは?

作者 基本的には、自分自身の発言なのですが、お文具の発した言葉が直接的に取られないようにできるだけ気を遣っています。例えば、「生きた心地がしない=食べても味がしない」、「消えてしまいたい=明日が来るのが怖い」など、考えすぎかもしれませんが、センシティブな言葉は繊細な人の心に直接刺さってしまいそうで、なるべくデリケートに柔らかく表現したいと思っています。

――頑張っている人や癒しを求める人たちへの「優しさ」がコンセプトとのことですが、読者に何を伝えたいですか?

作者 皆さまに何かを伝えたいと思って描いているわけではない。お文具が発信したことを全て受けとめて欲しいというよりは、お文具の発信したことを、読み手側にも「今必要なのか」「必要でないのか」を選んでもらい、「必要な時」に心の隅からそっと出して受け止めてもらう、そんな表現をしたいと思っています。そっと覚えてもらえたら満足です。

――とてもシュールなものから「犬の日」のような感動するエピソードまで、物語を描く際のこだわりは?

作者 特にこだわりはなく、思いついたものをそのままメモして、一気に描き上げます。1つの作品を制作するのに日をまたいでしまうと鮮度がなくなる気がして、お蔵入りになる作品も多いです。「出来上がった作品は寝かせておく」と言うクリエイターの方もいますが、私は寝かす作業が苦手で、その日のうちに、または翌日に投稿することが多いです。

――お気に入りの作品はどれですか?

作者 YouTubeに掲載しているアニメ『バケツプリン作ってみた』がお気に入りです。もともとは、バケツプリンを作るだけの動画にする予定だったのですが、アニメ製作の段階でアイデアが湧いて少しずつストーリーが変わり、意外性のあるアニメに仕上がった作品だったので、私自身も記憶に残っています。

――「お文具」が、ここまで人気を得た要因は?

作者 これは完全に…継続です。ほぼ毎日、漫画やイラスト、動画を載せていたので少しずつ見てくださる方も増えたのだと思います。週に1回、月に1回だった場合、絶対に見てくださる方はここまで増えなかったと思います。継続して描けたのも、継続して見てくださったフォロワーさんのおかげです。フォロワーさんのコメントやメッセージを見ると次々にアイデアやストーリーが湧くので。フォロワーさんがゼロならもう少し頻度が少なく、ひっそりと忘れないように自分だけの忘備録として描いていたと思います。

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