2019-03-29 （更新：2019-07-31） ORICON NEWS

“悪女”が似合う女優ランキング

　ドラマや映画に欠かせないヒロイン。その影で、ストーリーが進んでいき、次の展開を迎えるきっかけを作るのに必要なのが「悪役」だ。物語を際立たせるための重要な役割を担っており、演技力も求められる。今回ORICON NEWSでは、女性編として“悪女”が際立つ女優ランキングを調査。 “悪女”役が板についていている【菜々緒】が1位に選ばれた。

「私の名刺」と本人も認める“プロ悪女”ぶりと完璧な自己プロデュース力

目ヂカラと完璧ボディも悪女的エッセンスのひとつ

　10～50代と全世代で1位となった【菜々緒】。悪女役として注目を集めるきっかけとなったのは2014年放送のドラマ『ファーストクラス』（フジテレビ系）。その後、『サイレーン　刑事×彼女×完全悪女』（2015年／フジテレビ系）、『Missデビル人事の悪魔・椿眞子』（2018年／日本テレビ系）と悪女役が続いた。過去に『パンテーン』CM発表会で「髪と悪女は私の名刺かなと思っています」とコメント。バラエティ番組でも、そのイメージを守るためか悪女を匂わせる発言が散見される。

　スタイルの良さと美貌も、完璧な悪女を演じるうえでのよきスパイスとなり、作品に華を添えている。最近ではauのCM『三太郎』でもドSな乙姫様がハマっており、彼女の魅力をアピールしている。

　そんな彼女には「悪女として主役も張れるし、主役でなくても悪女でありながらユーモアのあるキャラを演じられるため、独特な味を出していると思う」（愛知県／20代・男性）、「恐ろしく冷たい悪女をやらせたらこの女優さんが一番！でも、どこか本気で憎めないところがすごい」（兵庫県／50代・女性）など絶賛の声が多数。「ピッタリだから。目で主張できる目線もすごく物語っている気がする人だから」（愛知県／50代・女性）と目ヂカラを称える声も多かった。

いまだ続く“あの発言”の余波…？　ドSの「エリカ様」も見たい

その美貌から聖女役もハマる沢尻エリカ

　菜々緒同様に、全世代でTOP3入りした2位の【沢尻エリカ】。最近では聖女の役が多いものの、言動や私生活からも「平成の悪女」というイメージが残っている様子。『ファーストクラス』（2015年／フジテレビ系）や『大奥』（2016年／同局）で悪女を演じた。中でもカリスマモデル・りりこを演じた映画『ヘルタースケルター』では、本人と役柄が渾然一体となった熱演が称賛された。2020年放送のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』の会見では「12歳で芸能界に入って、がむしゃらに生きてきました。たくさん失敗もしたし、挫折もして、学んで、ここまで成長してやってくることができました自分の集大成だと思います」と目に涙を浮かべながら語ったことも話題に。

　清濁併せ呑む豪胆さを見せる彼女に「カッコいい悪女であってほしいという個人的な願いと憧れがある」（千葉県／10代・女性）、「冷ややかな瞳が良いですね」（東京都／50代・女性）と女性たちが支持。また「『別に…』のイメージが未だに抜けないから」（青森県／40代・男性）と視聴者も悪女の“エリカ様”を求めているかのような声もあった。

エキセントリックな演技が印象的　ボタバラ旋風も巻き起こした元祖“悪女”

ボタバラの名台詞が忘れないない人多数！

　エキセントリックでちょっと壊れた悪女が似合う【小沢真珠】が3位に。2004年の昼ドラマ『牡丹と薔薇』（フジテレビ系）で香世を演じたイメージが強く印象に残っている。ドロドロ愛憎劇で「ボタバラ旋風」も起きた昼ドラのヒット作だ。「役立たずのブタ！」など名台詞の数々も飛び出し、これをきっかけに知名度もアップした。

　アンケートではやはり「『役立たずのブタ！』の名ゼリフが忘れられない」（北海道／40代・男性）、「昼ドラのイメージが強いから」（神奈川県／30代・女性）などドラマのインパクトを語る声が多く寄せられた。また、「目のでかさが悪女そのもの」（東京都／30代・女性）と吸い寄せられるような大きな瞳も悪女要素のひとつのようだ。

圧倒的な美貌と演技力、そして批判を恐れぬ覚悟を持った“悪女”女優たち

“悪女×薄幸”の両刀使い!?の木村多江

　4位にランクインしたのは、19年1月期ドラマ『後妻業』（フジテレビ系）でも悪女を演じ、木村佳乃とのビンタ合戦も話題となった【木村多江】。薄幸イメージもあるが、悪女役もハマる演技の幅を披露して多数の作品に出演。

　これまでにも数々の悪女を演じており、役柄に没頭してしまうためドラマ『ブラックリベンジ』（日本テレビ系）の会見では「家族に『怖い』って言われました」と告白。「幸の薄い表情がさらに嫌な女を倍増させてる気がします。演技が上手すぎるということです」（埼玉県／30代・女性）と演技力の高さにエールが送られた。

壇蜜の小悪魔的な笑顔にほだされちゃう

　悪女や殺人犯、良妻まで、多種多様な役を演じる【小池栄子】は5位に。ドラマ『大奥～華の乱～』（フジ系）のお伝の方（瑞春院）役などで個性を発揮してきた。「『悪女』だけど、哀しみや心の闇も表現できる力があるので」（埼玉県／50代・男性）と演技の実力を評価。

8位には、ドSでハニートラップなど静かに仕掛ける悪女役が多い【壇蜜】が。主演映画『私の奴隷になりなさい』のほか、NHK連続テレビ小説『まんぷく』のモデル役も記憶に新しい。「色気を武器にした悪女が上手い」（大分県／50代・男性）「ハニートラップの役が似合う」（愛知県／30代・男性）と男性票が集まった

　悪女を演じることは、女優としての“覚悟”も必要になる。それは、一度悪女を演じると、その強烈なインパクトから抜けられず、他の役でも悪女イメージがぬぐえないケースもあるからだ。だが、視聴者の心を掴む演技ができれば、確実に認知度を上げるのきっかけにもなり、30代以降であれば特に、演者としての幅につながるだろう。それだけ“悪女”が似合うと言われるのは、女優冥利につきる褒め言葉なのかもしれない。