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ガンプラ│トップモデラーインタビュー(ガンダムプラモデル)

プラモなのに“金属”の重さを感じる…だと? プラスチックに見えない「“鉄製”ガンキャノン」

作品:まるで“金属製”?ガンキャノン/制作:ハンド(@hando17523657)

作品:まるで“金属製”?ガンキャノン/制作:ハンド(@hando17523657)

 来年40周年となるガンダムプラモデル(ガンプラ)は、モデラーたちの創意工夫により様々な表現方法や作品が生まれた。今回は、プラスチックのキットに“金属感”や“錆感”をどう付与するかで悩み続けるモデラー・ハンド(@hando17523657)氏を紹介する。

プラスチックの“質感”からどうにか脱出しようと模索

――このガンキャノンのテーマを教えてください。

【ハンド】この作品は、まだ私がガンプラを初めて数ヵ月の頃の物で、当初はテーマを考えずに制作していました。ただ、この機体制作の時期を境に、金属感をイメージした「プラスチックに見えないガンプラ作りを目指そう!」というコンセプトに目覚め、今に至っています。

――使用したキットを教えてください。

【ハンド】MG 1/100 RX-77-2 ガンキャノンです。

――制作する際にこだわったポイントは?

【ハンド】やはり金属感ですね。光沢部分を出すことで、プラスチックに見えない風にするのが楽しいです!この作品は、プラスチックの質感からどう脱出しよか模索していた時期だったと思います。とにかく鉄のイメージがこのガンキャノンの制作ポイントです。

――特に苦労された部分は?

【ハンド】この頃は「自分らしいガンプラ表現」の開拓途中で、他の人が表現していないような方法はないかと試行錯誤していました。なので、ガンプラを始めるようになってからは出先でも、何でもかんでもガンプラと結び付けるようになってしまいました(笑)。「あっ!この形、この色、この草も使えるかな。この錆も!この模様も!」などなど、見るものはガンプラのヒントだらけなんですよ。

――錆や鉄の表現が「自分らしい表現」だと目覚めキッカケは?

【ハンド】当初、ネットで他のモデラーさんの作品を見まくっていた記憶があります。で、まずは塗装の剥がれが気になって何とかできるようになり、次に錆表現でした。ただ、錆に関しては、技法について調べる必要はありませんでした。何故なら、もうすでに頭の中に錆の色んな種類があったんです。というのも、若い時からバイクが趣味で、解体屋で安いバイクを3台買って、それを一台にするとか良くやっていました。古いバイクなのでどれも錆だらけ。鉄部の錆、エンジン回りの錆、キャブ自体の錆や汚れ…など。錆でも、油混じりの錆とガソリン混じりの錆、全然違うんですよ!

――錆の違いですか…あまり意識して見たことはありませんでした。

【ハンド】錆だけでも、その表現方法は非常に奥深いです。錆と鉄感は試行錯誤してどうすればその様に見えるんだろうと色々手を動かしていました。まだまだ修行の途中ですが、その表現を作品から感じてもらえたら嬉しいです。

“決まりごと”を破って生まれる“偶然の発見”が自分の手法

――錆表現も素晴らしいですが、何よりこのキャノンから感じる“重さ”の秘訣は?

【ハンド】やはり鉄感でしょうか。人のイメージには基本の形体があると思います。それは、「鉄には光沢感がある」「鉄は茶色く錆びている」といった決まりごとです。なので、どうしたらその様に見せる事が出来るかが勝負となります。

――その手法について聞かせてください。

【ハンド】自分の場合、塗装に関しては一般的な“決まりごと”を破っています。例えば、1番やってはいけない“成分が合わない同士を混ぜる”とかです。もちろん失敗もありますが、そこから偶然生まれる発見は楽しいですよ!そして、その中から見つけ出す手法で鉄感や錆感も出しています。

――技術的な面で「壁」を感じたことは?

【ハンド】1つ目は色表現です。永久に追求しなくてはいけないテーマだと思っています。とにかく、色調によって何カ月も手掛けてきた機体の良し悪しは決まってしまいますからね。まさに最終段階の分かれ道です。2つ目はインフラの問題です。私の作業スペースはとにかく狭い(苦笑)!よく作業場を紹介しているモデラーさんがいますが、広い環境を整えられていて正直羨ましいです。この辺が解消すれば、もっと楽しく快適に作業に打ち込めると思いますが、こればっかりはどうしようもないですね(笑)。

――ガンプラを制作していて達成感や楽しさを感じる瞬間を教えてください。

【ガンプラ】私にとってのカタルシスは、「このガンプラは鉄?」とか、「錆、鉄感ハンぱね!」とコメントしてもらえた時ですね。あと、ガンプラ制作を通じて、色々な方とコミュニケーションがとれるのが楽しいですね。ガンプラを始めて様々な方と会話ができ、本当に良い場を得られたと思っています。人生の“最終職”だと思っているほどです。

(C)創通・サンライズ

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