仮面女子・川村虹花 「誰も挑戦したことのない“武闘派アイドル”へ。限界まで突き進みたい!」
2018-07-20 eltha
唯一無二の「武闘派アイドル」への道
【川村虹花】 お母さんが格闘技の大ファンで、若い頃はプロレスラーになりたいという夢をもっていたそうなんです。そこで、私が代わりに叶えられたらいいな、と思いました。あと、テレビで格闘技イベントの「RIZIN(ライジン)」を見ていて、女性選手たちの鍛え抜かれたかっこいい体型に憧れをもちました。いまだかつてアイドルで総合格闘技に挑戦した人はいないから、これはアイドルとしての自分にとっての「打撃力」になるのではないかと思いました。
――デビュー戦までのトレーニング期間は、どのくらいありましたか?
【川村虹花】 ジムに通って本格的にトレーニングを始めたのは2017年3月からです。セミプロとしての参戦した「DEEP JEWELS18」までは10カ月くらい。試合当日になって、対戦相手がジュニアオリンピックのアマチュアボクシングの実績がある人だとわかり、驚愕しました。でも、「逃げたい」とはまったく思いませんでした。逆に「ここで勝ったらすごい」「やるだけやってやろう!」と思ってぶつかり、結果は3−0で判定勝ちでした。
「アイドルだから格闘技をなめている」とは思われたくない
【川村虹花】 やはりダンスパフォーマンスと格闘技ではトレーニングの質がまったく違うので、体のラインも変わりました。二の腕などが引き締まり脂肪が減った分、体重も2〜3kg減って全体的にキュッと持ち上がった印象です。事務所からは体づくりに関して「ここまでにして」といった制限がまったくないので、とことん鍛えて筋肉の割れた“細マッチョ”を目指せればと思っています。
【川村虹花】 「きつくない」といえばウソになります。正直、ヘロヘロです。でも、本気で頑張らなければ、結果は残せないと思っています。「アイドルだから格闘技をなめている」とは思われたくないし、本気でぶつかり、厳しいトレーニングを乗り越えた結果として試合に勝ちたい。挑戦するからには、応援してくれるみなさんのためにも、ちゃんと実績を見せたいと思っています。
――どんな毎日を送っていらっしゃいますか?
【川村虹花】 月曜から土曜まで、毎日ジムで朝から14時くらいまで、日替わりのトレーニングメニューをこなしています。そのあと、秋葉原の常設劇場で夕方からライブ2本に出演。帰宅はだいたい深夜24時すぎで、そこからステージ衣装やトレーニングウェアなど、ものすごい大量の洗濯をします。就寝は3時くらいです。地方ライブから明け方に戻って来て、ジムに直行という日もあります。
トップパフォーマンスは、人気投票“ビリ”から生まれた
【川村虹花】 仮面女子のライブはファンのみなさんの投票制になっていて、ライブ会場でメンバーのランキングが毎週発表されるんです。毎日が総選挙ですから、シビアな世界です。私は16歳で仮面女子候補生から昇格して、仮面女子のユニットのひとつ「スチームガールズ」に入りました。でも、全然人気がなくて……。
最初は“ビリ”でしたが、そこでめげることはなく、むしろ「やってやるぞ」と気持ちになりました。自分のライブ中のパフォーマンスの映像を何回も繰り返し見て、かっこよく見えるように動きをとことん研究しました。
また、秋葉原でのチラシ配り、SNSでの発信もまめにするようにしました。やがてファンの方に支持していただけるようになり、人気ランキング1位になれたときは「やっとここまで来ることができた」と、うれしかったです。
元気をくれる猪狩の笑顔 いつかまた同じライブに…
【川村虹花】 最初は「どうして猪狩がこんなことに……!?」と、どうにもならない感情があふれてきて落ち込みました。病院に初めてお見舞いに行ったときには、どう声をかけていいのかわからなくて。でも、猪狩の方から「病院でこんなことがあったんだよ」とか、すごくたくさん話してくれて、逆に私たちメンバーが彼女から元気をもらいました。本当に強いと思います猪狩は。
最初、猪狩は靴下も自分ではけない状態でしたが、つい最近は靴下もひとりではけるようになっていてお見舞いに行くごとに、できることがどんどん増えています。明るい笑顔でちゃんと前を向いて、リハビリを頑張っている彼女は、勇気をくれる存在です。
私が出る試合もAbemaTVで見てくれていて、私が勝ったことをすごく喜んでくれました。最近の猪狩は「腕を鍛えて、虹花ちゃんに腕相撲で勝つんだ」と言っているらしいです(笑)。
PROFILE
川村 虹花(かわむら ななか) アイドルグループ・仮面女子メンバー。2017年12月、女子総合格闘技「DEEP JEWELS 18」で総合格闘家としてデビュー。月刊バイクマガジン『モトモト』(造形社)にて「いけてるバイク女子になりたい!」連載中。