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AKB総選挙 “速報結果”では惨敗のNMB 主力メンバー・吉田朱里に聞く起死回生の策とは?

 過去最多人数339名が立候補している『第10回AKB48 世界選抜総選挙』。開票は6月16日にナゴヤドームで行われるが、それに先立ち5月30日には“速報”として1位〜120位までの順位が発表された。選抜入りとなる16位以内にNMB48の名前は、なんと0名。120位以内でも14名というさみしい結果。AKB48、SKE48に続き、3番目に結成されたグループとしては、もっと存在感を誇示したかったに違いない。ORICON NEWSは、NMB48の中から、昨年の総選挙で選抜入りし、主力メンバーとして活躍する吉田朱里にインタビューを敢行。今年は“神7入り”を目標に掲げている彼女が、開票日までもう間もなくの今どんな思いを抱えているのか、そして“アイドル不毛の地”とも言われてきた大阪で活動するNMBとしての苦悩など、グループの奮闘について聞いた。

“アイドル不毛の地”大阪で奮闘するNMB 多くの人を巻き込んでいかないと、上位には入れない

 昨年開催された『第9回AKB48 選抜総選挙』では、16位で選抜入りを果たしたNMB48・吉田朱里。自身のメイクやヘアアレンジを紹介したYou Tubeの個人の公式チャンネル『アカリンの女子力動画』も大きな反響を呼び、女性ファンも一気に拡大。フォトブックを2冊出版し、さらには赤文字系ファッション雑誌『Ray』の専属モデルに抜擢されるなど、“女子が憧れるアイドル”としてまさに飛ぶ鳥を落とす勢いの人気ぶりだ。しかし、今年の『第10回AKB48 世界選抜総選挙』の速報では42位。今年の総選挙は「神7入り」を掲げる吉田の、この状況への率直な感想を聞いてみた。

 「速報の段階から、選抜争いをしたかったというのが本音です。この順位は悔しいですね。私はこの1年、1人でも多くの方に参加していただける総選挙にしたいと思って活動してきました。1人の方にたくさん投票してもらう総選挙もあると思うのですが、世間の方にもっと注目してもらうためには、これまでAKBグループに興味がなかった人も巻き込んでいかないといけないと思っているので。速報はたった1日の集計。投票期間はまだありますし、“まだ投票してないよ!”というファンの声もいただいています。それに私は毎年速報から順位を上げてきているので、きっと本番では大丈夫と信じています」

 今回の速報に名を連ねたNMB48のメンバーは、120位まで数えても14名と、振るわずな結果。かねてから“NMB48は総選挙に弱い”と言われているが、その理由を吉田はこう分析する。
「ここ何年も“NMB48は総選挙に弱い”と言われ続けているのは知っています。やっぱり土地柄というのもあるのかなと思っています。大阪の人って気が強いように思われがちですけど、実は戦い事は好きじゃないというか、そういう気質は関係ある気がしますね」

 かねてから、大阪では“アイドル不毛の地”と呼ばれていた。商人気質の関西エリアは、購買力が弱いエリアとして知られ、「大阪で成功したアイドルはいない」とさえ言われていたようだ。それほど大阪のアイドルが躍進していくのはハードルが高いのだ。そういった要素に加えて吉田のファンの多くはアイドルの追っかけに熱心な“ドルオタ”ではなく、オシャレが大好きな若い女性。こうした今どき女子はそもそも総選挙のやり方を知らない場合が多い。

 「CDを買って投票するってすごく手間がかかるんです。だから、いくらその人が好きだからといっても、総選挙に参加するかと言われたらしないって方のほうが多くて。それが、私のYouTubeのチャンネル登録者数(約57万人)と票数の差に表れていると思うんです。打開策…と、言えるのかはわからないですけど、投票の仕方がわからない方のために、投票のやり方をレクチャーした動画をYouTubeのチャンネルにアップしました。SNSに投票の仕方を投稿するのはみんなやってるし、私らしいアピールの方法は動画だと思うので。“思ったより簡単だったから投票してみる”という声もたくさんいただいたんですよ。迷ったらファンの方の気持ちになって、“自分ならどう考えるのかな?”って考えるのは常にやっていますね」

いつか来る“さや姉卒業”前に“神7入り”で、見続けてきた背中に近づきたい

 「この1年、すごく恵まれた環境で活動してきて、選抜落ちなんてありえない!」

 前述したとおり、吉田はアイドル活動のみならず、モデル、ユーチューバーなどの活動が充実しており、すでに人気も知名度も獲得している。“選抜入り”“神7入り”にどうしてもこだわる理由はなぜか。
 「やっぱり、選抜に入らないとなかなかテレビに出れないですし、それに世間の方が抱いている48グループのイメージって、やっぱり“総選挙”だと思うんです。総選挙ならAKBグループに興味がない方でもニュースを観てくださるし、注目度が全然違うんです。昨年16位で選抜入りしたあとは、いろんなメディアに取り上げていただいて、この1年で状況がガラッと変わりました。総選挙の力は、身に染みて感じています。総選挙の結果がすべてじゃないけど、AKBグループのメンバーである以上、総選挙で爪痕を残したいと考えるのは当然なのかなと思います。いつまでも“さや姉のグループ”ではいけないと思うし」

 NMB48の一期生“さや姉”こと山本彩は、昨年に続き不出馬。お茶の間人気の高く、誰もが認めるグループの“顔”でもある山本だが、NMB48のメンバーであれば、誰しも“脱・さや姉”も想像したことがあるのではないだろうか。
 「最近ようやく、さや姉が今までどれだけ多くのものを1人で抱え込んできたのかがわかるようになってきて。私は自分のことだけ考えている間も、さや姉はグループのことを考えていました。自身のちょっとした発言によってグループの印象が大きく変わってしまうし、すごく慎重にやってきたと思う。コンサートでも私は自分の立ち位置と言わなアカンことだけ覚えているだけだったけど、さや姉はグループの先を見据えて発言しきゃいけない。そういうのを誰にも相談せずに、1人で決めて1人で抱え込んできたんだなと思うと本当にすごい人なんだなって」

 しかし、いつかは山本にも卒業の時期はやってくることはわかっていると吉田は話す。
 「“彩さんいなくなったらヤバイ”という不安はメンバー同士の共通認識としてあります。私は、さや姉と同じ一期生なのに、いまだにその同期に全然追いつけていないのが悔しくて。でも悔しいのと同時に、すごく尊敬しているし、さや姉がいる間にせめて背中タッチぐらいはしておきたいなって思う。そういった意味でも、総選挙はさや姉に近づくチャンスなんです。さや姉の最高順位は4位だから、私が神7に入ればいざ“脱・さや姉”となったときに、少しでも不安をカバーできるんじゃないのかなって。ファンの方にも、さや姉にも、安心してもらえるんじゃないのかなって思うんです」

ファンだけが頑張る総選挙は嫌 しんどい思いをするなら一緒に

 “脱・さや姉”となったときのことについて話す表情には緊張感が漂った。「総選挙でも山本を手本に?」という質問をぶつけると吉田は「いいえ(笑)」と首を横に振った。

 「自分はさや姉みたいになろうとは思っていません。私も他のメンバーもNMB48にはみんなその子なりの“個性”があるから、誰かがさや姉になろうとするんじゃなくて、1人1人がそれぞれの“強み”を活かしたグループに成長していこうっていう意識があるんです。 “こんなことやってみたい!”と自発的に思う子が多いし、“やりたいことはどんどん言って!”と、サポートしてくれる体制もある。アンダーガールズの子でもヨガの動画だったり、お料理の動画だったり、自分の強みに特化したチャレンジをしている子が目立ちますね。総選挙はメンバーであっても、個人戦になってしまうのですが、それぞれ精いっぱいやって、グループの躍進につなげようという思いが強いです」

 名古屋で行われる総選挙の開票日まで残すところあと数日。吉田は本番までの時間をどのように過ごすのだろうか。
 「吉田朱里と言えばYouTube! ですから動画制作をこまめにやるつもりです。ここ最近もまた寝る間を惜しんで頑張って動画を作っています。ファンの方が寝る時間を削って、腱鞘炎になりながらシリアル番号を打って投票してくれているのに、自分は休んでいるなんてできないし、どうせしんどい思いをするなら一緒がいいじゃないですか。私はファンの方だけが頑張る総選挙は嫌いなので、この期間は自分の体をいじめぬくつもり(笑)。アイドルとファンが一緒に頑張る総選挙にしたいです!」


(文/Kanako Kondo 撮影/徳永徹)

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