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嵐・二宮和也、映画で“愛を知らない”料理人役に「我ながら本当に嫌なヤツ」

後半は、滝田監督の孫になったつもりでいました(笑)

――巨匠・滝田洋二郎監督は、『おくりびと』(2008年)で米国アカデミー賞外国語映画賞を受賞しています。初コラボの感想は?
二宮和也 一般的なイメージはわかりませんが、ものすごく優しい方です。「あれ買って欲しい」って言ったら、本当になんでも買ってくれるんじゃないかと思うほど優しくて(笑)。後半は、滝田監督の孫になったつもりでいました(笑)。

――二宮さんは、いろんなアイディアを提案したそうですが?
二宮和也 今回は脚本を読んだときから、全体の“うねり”みたいなものに積極的に加わりたいと思うようになっていたので、いろいろと提案させていただきました。そういうことがとても言いやすい現場だったのは、やはり監督のお人柄です。もちろん演じる上で何かを提案するときは、ただ「これがやりたい」というだけでは相手も納得しないと思っています。なぜこうしたいのか? 実現するためにはどうすればいいか? を踏まえた上でプレゼンするんですけど、 監督はいつでも「いいよ」って言ってくださる。

――演じる側としてはやりやすい?
二宮和也 すごくありがたいです。たとえば、そのアイディアが結局は使われなかったとしても、一度はやりたいようにやらせてくださる。誰でも、自分が思うことを否定され続けたら、ヘコむじゃないですか。だから「いいね。ちょっとやってみようか」と、とりあえず肯定されることは、作品に携わる人間としては嬉しいことなんです。
――たとえば、どんな提案がシーンに生かされていますか?
二宮和也 いろいろあります。たとえば、充がレストランを経営している頃の回想シーン。食材が気に入らなくて、従業員たちに「今日は店を閉めるってお客さんに言ってこい」と厨房を出る場面があるんですが、そのあとに「それ(客に伝える)くらいなら、お前らにもできるだろ」というセリフ。これは台本にはなくて、僕が付け足したものです。我ながら、本当に嫌なヤツだなと思うんですけど(笑)。

――なぜそのセリフを?
二宮和也 撮影前に監督から、「もうひとつ、何かないかなぁ?」と言われていたんです。だから、家に帰ってあれこれ考えて足しました。そういうふうに、監督からは毎日「あなたが持っているものを見てみたい」と言われていたので、僕も毎日考えて、何個かアイディアを持って現場に臨んでいたような気がします。

――クライマックスの充のアップは、感動的でしたが?
二宮和也 あれも台本にはなかったんです。でも撮影していくうちに、やってきたことのすべてを清算するような充のカットが欲しいな、と僕は思っていて。監督をはじめみなさんと話し合い、意見が一致しました。撮影監督の浜田毅さんが「もうちょっと寄りたい」「光をもっときれいにしたい」と言ってくださり、細かな調整をしました。あのシーンは、物語の終着点だと思います。それと同時に、観る方には関係ないかもしれないけど、撮影や録音の技術スタッフさんたちの仕事の集大成的なシーンでもあったんです。結果的に、撮って本当に良かったなと思いますね。

「嵐に還元できないものはやらない」と決めている

――最後に、俳優としてのお考えを教えてください。嵐としての二宮和也と、俳優・二宮和也の共存はどのように考えていますか?
二宮和也 僕は大前提として、個人の仕事に関しては「嵐に還元できないものはやらない」と決めています。もし、僕が『ラストレシピ』をやっていなかったら、嵐として何かの活動ができたかもしれない。実際はそんなことはないかもしれないけれど、個人の仕事をしている時期は、言ってみれば、嵐がなにか大きなことをやれる可能性をゼロにしているわけですから。でも僕は、それでも個人で仕事をした分だけ、なにかを還元しなきゃいけないと思っています。作品への思いと同時に、中途半端なことをやっていたら、ほかの4人に迷惑をかける。そういう気持ちが常にあります。それはきっと、4人も、いちいち考えていなくても自然にそうなっていると思います。
(文:金子裕子)
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映画『ラストレシピ 〜麒麟の舌の記憶〜』

 70年前、天皇の料理番・山形直太朗(西島秀俊)が考案した幻のフルコース。消えた伝説のレシピの謎を追うのは、どんな味でも再現できる=絶対味覚“麒麟の舌”を持つ天才料理人・佐々木充(二宮和也)。最後の一皿に隠された、壮大な愛とは?
監督:滝田洋二郎
出演:二宮和也 西島秀俊 綾野剛 宮崎あおい 竹野内豊
11月3日(金・祝)公開
【公式サイト】(外部サイト)
(C)2017映画「ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜」製作委員会
(C)2014田中経一/幻冬舎

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