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ゲスの極み乙女。、なぜ人気? 新世代の台頭でバンドブーム再燃なるか
強みを活かし短期間でブレイク
彼らが短期間で爆発的にブレイクした理由のひとつは、メディア戦略の上手さにあると言えるだろう。unBORDEレーベルにはゲスの極み乙女。のほか、きゃりーぱみゅぱみゅやandrop、神聖かまってちゃんらテレビやネットメディアなどをうまく活用しブレイクしたアーティストが多数所属しており、ノウハウを蓄積している。また、スペースシャワーミュージックというメディア系の事務所に所属していることも強み。例えば、セールスに影響を及ぼす可能性もあることからショートバージョンのみを公開しているアーティストも多い新曲MVを発売前からYouTubeでフル公開しているほか、「アソビ」(『au isai FL LGL24』CMソング)、「私以外私じゃないの」(コカ・コーラ「ネームボトルキャンペーン」CMソング)や「デジタルモグラ」(TVドラマ『すべてがFになる』主題歌)など新作には必ずリード曲にタイアップがつき、印象的な使われ方をしており、タイアップに合わせた曲作りができる器用さも武器といえるだろう。
積極的にメディアに出ていく若手バンド
一方で、SEKAI NO OWARIはどちらかというと邦楽ポップスを現代風に進化させ、ビジュアルやライブにおける世界観作りなどとことん“エンタテインメント”として昇華させようとしているのに対して、ゲスの極み乙女。の川谷は「重視しているのは“サビのメロディー”。ただ日本人が親しみやすい歌謡的なメロディーではなく、どこかに自分が聴いてきた洋楽の影響を潜ませるようにしている」と話しており、個々のメンバーの豊かな音楽ルーツがぶつかり合い、独特の個性を生み出している。YouTubeのコメント欄には演奏に対する海外からのコメントも多く、どちらかというとバンドとしてのグルーヴ感など、スタイリッシュななかにある骨太さが魅力となっているようだ。
アイドルグループやアニメソングなどが音楽チャートを賑わせている一方で、サカナクション、ONE OK ROCK、SEAKI NO OWARI、そしてゲスの極み乙女。と、新世代のバンドのブレイクも続いており、点でのヒットから線、やがて面となっていくことで、バンドブーム再燃がいよいよ目前まで迫ってきた。