2015-06-12
“働く男”600人への実態調査で驚きの結果!
サラリーマンの9割が“疲労感”
春の清々しい陽気も過ぎ去り、本格的な夏の到来をひしひしと感じる今日この頃。炎天下の中で働くサラリーマンにとって体調管理は必要不可欠だが、完璧に行っていると断言できる男性は少ないだろう。ORICON STYLEでは、20代〜40代の“働く男”600人を対象に『日頃の疲れに関する実態調査』を実施。すると、想像以上に世のサラリーマンたちの体に疲労が蓄積していることがわかった。


今回の調査では、まず『あなたは日頃、疲れを感じることがありますか?』という質問を投げかけたところ、【とても感じている】が44.2%、【やや感じている】が46.7%と、実に90.9%が疲労を感じているという驚きの結果に。対して、【感じていない】と答えた人はわずか9.1%に留まった。世代別でも、ほぼ均一で疲れを感じているようで、疲労は必ずしも“若さで乗り切れる!”というものでもないようだ。
具体的な“疲労”の詳細としては、『あなたはどんなときに疲れを実感しますか?』という問いに、【ダルさや倦怠感が生じたとき】が67.2%、次いで【日中、眠気がとれないとき】が50.6%となり、【朝なかなか起きられないとき】(49.5%)、【肩こり・腰が痛むとき】(45.9%)などが続いた。やはり、日ごろから営業回り等での忙しない移動や一日中パソコンとにらめっこという実情は、肉体的な疲労を蓄積し、ダルさや眠気、肩こりなどの症状として表面化するようだ。
そんな肉体的な疲労を解消する手段として欠かせないのが、栄養ドリンクやエナジードリンクの存在。勤務中に疲れを感じ、すぐにエネルギーをチャージしたいときに、働く男性たちにとっては無くてはならないアイテムとなっている。近年、特にエナジードリンク市場は飛躍的な成長を見せており、様々なメーカーの参入が相次いでいる。


だが、多くのサラリーマンは、栄養ドリンクとエナジードリンクに違いがあるということを知らないようだ。
栄養ドリンクは“医薬品”または“指定医薬部外品”で、エナジードリンクは“清涼飲料水”だという認知度はまだまだ低く、今回の調査でも「栄養ドリンクとエナジードリンクの違いを知っていますか?」というアンケートを実施したところ、【知っている】と回答した人は17.5%に留まり、【なんとなく知っている】が47.8%と最も多かった。
具体的な効能や効果をキチンと把握したうえで飲んでいるサラリーマンは少ないようで、「あなたは“栄養ドリンク”と“エナジードリンク”を、症状や場面等により飲み分けしていますか?」という質問では、【飲み分けていない】が56.4%と過半数を上回る結果となった。
現在、エナジードリンクが市場を拡大していますが、栄養ドリンクとエナジードリンクを混同しているユーザーが多いようです。具体的に栄養ドリンクとエナジードリンクの違いをお聞かせください。
摂南大学
薬学部 学科長
太田 壮一先生
学位:薬学博士
専門分野:環境保健学・食品衛生学
主な担当科目:食品衛生学II
両者を簡単に分類すると、エナジードリンクは清涼飲料水、栄養ドリンクは医薬品や指定医薬部外品となります。まず、医薬品は、資格を持たない一般人が販売を許可されていない成分または分量を含むものを指します。次に、指定医薬部外品とは、医薬品医療機器等法によれば、医薬品に準ずる分類で、人体に対する作用の緩やかなものなどが該当します。しかしながら、両者は共にビタミンや無水カフェインなどが含まれており、一般的に、ユーザーが成分だけで判別するのは困難です。ただし、栄養ドリンクのラベルには、成分とその含量が明記されており、また、「肉体疲労時の栄養補給」や「滋養強壮」等の効能が表示されています。さらに、多くの栄養ドリンクには、エナジードリンクには含まれていない、タウリン、フルスルチアミン(ビタミンB1誘導体)、グルクロノラクトンなどの成分が含まれていることが分かります。
疲れを感じた際には、栄養ドリンクとエナジードリンクどちらが効果的なのでしょうか?疲れに有効な成分はありますか?
疲れたときの栄養補給を目的とする場合には、効能がある栄養ドリンクを飲むとよいでしょう。疲れの原因の一つとして、ビタミンB1不足があげられます。エネルギー源となる3大栄養素(糖質、脂質、たんぱく質)のうち、糖質が燃焼するときに必要なのがビタミンB1です。B1が不足すると、糖質からエネルギーがうまくつくられず、疲労を感じる原因になります。疲れが気になったら、ビタミンB1をとることをおすすめします。なお、寝不足が原因で疲労感がある場合では、カフェインや香辛料抽出物などの成分が含まれるものが、一時的には「シャキっと感」が得られるのでよいかもしれません。ただし、カフェインの高含量摂取は、身体に負担を与えるので、ラベル等に記載されている用法・用量を守って飲用することが肝要です。
栄養ドリンクに含まれる成分の一つ「フルスルチアミン」がありますが、具体的にどのような働きがあるのでしょうか?
フルスルチアミンは、ビタミンB1誘導体といって、いわゆる「親油性を高めた」ビタミンB1ということができます。エネルギー産生に重要な働きをするビタミンB1ですが、一度に多くの量を摂取しても吸収量に限界があり、通常の食事では不足しやすいといわれています。フルスルチアミンは、その点を改善し、親油性を高めることで腸管から吸収されやすくなっているため、一般のビタミンB1より、身体全体の神経や筋肉に行きわたり、疲れに効果を発揮します。

上記の結果を振り返ると、症状やシチュエーションに応じて栄養ドリンクとエナジードリンクを、しっかりと“飲み分ける”ことが大事だということが理解できるはず。カフェインや糖分を強い炭酸で流し込むエナジードリンクは、体をリフレッシュしたいときや爽快感を味わいたいときには最適。だが、肉体疲労時の栄養補給や滋養強壮に効果をもたらすのは栄養ドリンクなのだ。
疲れが残って朝起きるのがツライ…、毎日の通勤などで体がだるく集中力が持続しない…など、サラリーマンと“疲労感”の関係性は、切っても切れない“お得意様”のようなもの。だが、自身の起きている症状をしっかりと把握、改善することで良好な関係を維持できるはずだ。
【調査概要】
調査対象:全国、20代・30代・40代の男性
サンプル数:600サンプル
調査期間:2015年5月15日(金)〜21日(木)
調査手法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ