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桑田佳祐 Act Against AIDS 2008
『昭和八十三年度! ひとり紅白歌合戦』をレポート!! |
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起承転結、喜怒哀楽が凝縮された約3時間半のショウ |
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桑田佳祐がAAAコンサートをパシフィコ横浜で行うのは、今年で10回目の参加となる。今回、桑田が選んだテーマは「ひとり紅白」。文字通り紅組、白組をひとりでやってしまおうという企画で、昭和の名曲を中心になんと61曲を3時間以上かけ、ひとりで歌い切った。もちろんただ歌うだけではなく、映像内で「紅白歌合戦」の名司会者・宮田輝さんならぬ「宮田出留(でる)」として総合司会も務めた。さらに、本人が1人6役を務めた内山田洋とクール・ファイブの映像で笑わせ、ジュディ・オング「魅せられて」では高さ7メートルまで上昇し、横も10メートルも裾が広がる、小林幸子ばりの派手な衣装でど肝を抜き、ラストは白組“和田アキ男”「あの鐘を鳴らすのはあなた」で締めくくった。
もちろん“見せる”だけではない。「一人ひとりの歌手に愛情とリスペクトなどもろもろ込めました」という桑田のメッセージにあるように、ストリングス、ホーンセクションを含む総勢20名を越えるビッグバンドで、昭和の名曲をオリジナルのアレンジに近い形で聴かせてくれ、決して色褪せることのない日本の音楽シーンの、大衆文化の財産、歌謡曲、“うた”をきちんと聴かせてくれた。途中「現代東京奇譚」(07年桑田ソロ作品『ダーリン』に収録)では、現在の世界、社会が抱える問題をシリアスな映像で、問題提起し、AIDSの恐怖をきちんと伝えるなど、若いファンだけではなく、ファン全員の心と頭に“考えることが必要なんだ”ということを、自然な形で啓発していく術はさすがだ。起承転結、喜怒哀楽が1本のストーリーの中にきちんと凝縮された約3時間半のショウ。桑田佳祐はまさにサイコー最強のエンターテイナーだ。 |
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