ミュージック インタビュー&コメント

ミュージックライブレポート
2010年4月18日
LIVE REPORT
BUMP OF CHICKEN
確かな熱が生まれた新曲初披露“ライブ”

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BUMP OF CHICKEN    
ファンと分かちあったプレミアムな音楽空間
 2週連続でのリリースとなるシングル、「HAPPY」をライブで初披露するイベントを4月10日に六本木ヒルズアリーナにて行ったBUMP OF CHICKEN。参加希望の応募総数5万人の中から選ばれた幸運な1500人(プラス、周囲のスペースに集まった500人)と共に分かち合ったこの音楽空間は、名実共にまさにプレミアムなひとときだった。

 スタイリッシュなビル群に囲まれながらも、桜の木が彩る青空を仰ぎ見ることのできる、まるでパティオのような空間。そこに、ザ・フーの「クイック・ワン」が約束の合図のごとく響き渡る。ドキュメンタリー・ミュージックビデオの撮影を兼ねたイベントだが、彼らの“ライブ”に向けた真摯な姿勢がもうこの瞬間から明確に伝わってくる。いつもと同じ幕開け、たたずまい。

 そして、オーディエンスの大歓声のなか、「R.I.P.」の荘厳なイントロが奏でられると、その空間はとても滑らかにBUMP OF CHICKENの音楽世界へと染め上げられていった。一心に傾けられる耳、共振する心。空気はピンと張り詰めているが、そこには確かな熱が生まれていた。

 「新曲をいち早く皆さんに聴いてもらいたくて、こういう場を設けさせていただきました」という藤原基央の言葉に導かれ、続いて披露されたのは「HAPPY」。もともとは藤原が友人を思って書いた切実なメッセージソングだが、リズミックなサウンドとそこに乗るオーディエンスのクラップの相乗効果により、楽曲に刻み込まれた“道標にも似た光”がさらに強靭さを増したようにも感じられる。

 そして、増川弘明が穏やかに紡ぐアルペジオをバックに語りかけるように歌い始めたのは、「魔法の料理 〜君から君へ〜」。直井由文と升秀夫が生み出していく気持ちのいいグルーブに桜の花びらが舞い踊る光景は、なんとも美しく、優しく煌いていた。

 本来ならここで終了、となるはずだったライブ。しかし、「もう1曲だけやらせて!」と、急遽予定外のアンコールへ。2日後に誕生日を迎える藤原への“おめでとう!”の声も飛ぶなか、なんと演奏されたのは「ガラスのブルース」!彼らの黎明期からの普遍的名曲の大合唱で、ボルテージはますます上昇。メンバー4人の“限られた時間でも十二分に楽しんでもらいたい”という心持ちが伝わってくる、素晴らしい大団円。もう心から感涙、だ。
(文:竹内美保)
【過去のインタビュー&特集】
■シングル「HAPPY」「魔法の料理 〜君から君へ〜」インタビュー
 『新たな地平へと進むタイプの異なる2曲!!』(2010/04/14)
■シングル「R.I.P./Merry Christmas」インタビュー
 『新作映像に映し出す“僕らの原風景”とは?!』(2009/11/25)
■アルバム『present from you』特集
 『シングル・カップリング集は、あなた“から”のプレゼント』(2008/06/18)
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