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ソフィア・コッポラ監督、5年ぶり最新作引っさげ来日「初めて男性の視点で映画を撮った」

 昨年9月にイタリアで開催された『第67回ベネチア国際映画祭』コンペティション部門の最高賞である金獅子賞を受賞した米映画『SOMEWHERE』のソフィア・コッポラ監督と、主演の米俳優スティーヴン・ドーフが19日、都内のホテルで来日記者会見を開いた。同作は自堕落な日々を送るハリウッドスターが、娘と暮らし始めたことで自分を取り戻していく物語。

映画『SOMEWHERE』のプロモーションで来日したソフィア・コッポラ監督(右)と主演のスティーヴン・ドーフ 

映画『SOMEWHERE』のプロモーションで来日したソフィア・コッポラ監督(右)と主演のスティーヴン・ドーフ 

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 『マリー・アントワネット』(2006年)を撮った後、2006年に第1子、2010年に第2子を出産し、仏・パリで育児に専念していたソフィア監督。この間、カリフォルニアを懐かしく思い出しながら、イメージを膨らませていったのが今作の主人公ジョニー・マルコだった。ソフィア監督は「今回初めて男性の視点で映画を撮りたいと思いました。『マリー』はガーリーで女性視点でしたから」と今作を執筆した。

 スティーヴン演じるジョニーのもとに、前妻と同居する11歳の娘クレオがやって来ることから物語は動き出す。ご存知、ソフィア監督は米映画界の巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督の娘で、幼い頃から父親が撮る作品に女優として出演してきた。今作の製作総指揮として父の名前も並ぶ。

 会見でソフィア監督は「クレオと私の少女時代の生活はずいぶん違います。親は離婚もしていないし、ハリウッドに住んでもいません。しかし、映画業界で育ち、有名な親を持つ気持ちは分かります」。さらに、自身の私生活の変化をふまえて、「脚本を書く直前に娘を産んで、“家族”というものの考え方、人生観が変わった。人生におけるプライオリティが子供を産んだら変わってくるのは当然だと思います。どう影響されるのかを考えつつ脚本を書きました」と語った。

 スティーヴンもまた、作曲家の父とミュージシャンの兄を持つアーティスト一家育ち。「ジョニーの(ハリウッドスターという)仕事において、俳優同士であるという点では共感しました。俳優というのは孤独を感じる職業ですし、冒頭の人生を見失った所にいる、ジョニーの心境は理解できました。そして今回は、ソフィアと新しい男性像を作りたかったから、あえて自分とは違う部分も出しています」とアピールした。

 ちなみに、娘クレオを演じるのはダコタ・ファニングの4歳年下の妹エル・ファニング。彼女も『バベル』(2006年)『ベンジャミン・バトン数奇な人生』(2008年)などに出演し、姉にまけじと着実にキャリアを積んでいる。スティーヴンは「11歳の少女との共演ということで会う前は少しナーバスになった」そうだが、ソフィア監督が「スティーヴンとも仲良くなるように、時間を作りました」と配慮。その甲斐あってか、スティーヴンは「父と娘との物語を、彼女とうまくコミュニケーションを取ることで、うまく引き出せたと思います」と自信をみせた。

 会見の最後に日本のファンに向けて、スティーヴンは「自分にとっても大切な作品で、ソフィアの私的な想いをふまえつつ、新しい作品になっていると思います。同じように気に入って頂けたら幸いです」。ソフィア監督は「(上映時間の)2時間LAに行って、シャトーに滞在した気持ちになって欲しいと思います。家族愛やアイデンティティを描いた普遍的なテーマなので、ぜひ楽しんでご覧頂けたらと思います」と話していた。

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