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“ご当地映画”続々 埼玉らしさを入れ込んだ『ネムリバ』

 映画での町おこしを狙った“ご当地映画”がにわかに注目されている。23日より埼玉県内のユナイテッド・シネマ5劇場(浦和・春日部・入間・ウニクス南古谷・ウニクス上里)にて公開される映画『ネムリバ』(園田新監督)もその一つ。同作は、埼玉県が整備したデジタル映像制作拠点・彩の国ビジュアルプラザが実施する、若手クリエイターの育成を目的としたプログラムを経て制作された。主演は埼玉県出身・在住・在学の女性を対象に実施したオーディションで選ばれた埼玉県在住の女優・小野まりえ。主題歌を埼玉県出身の中山うりが手がける。

埼玉の魅力を詰め込んだ映画が誕生 (C)2010 D-MAP2009「ネムリバ」製作委員会 

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 同作は、アメリカから日本にやって来たミカが、心地よい“眠り”の場を提供する“ネムリバ”で添い寝スタッフとして働くことになり、様々な不安や悩みを抱える客や、一風変わった同僚たちとの交流を通して成長する物語。小説や漫画を原作とした映画が主流の中、プロットやアイデアのみを出発点に作られた。その中で園田監督は「映画の中にどう埼玉らしさを入れ込むかが大きな課題でした」と語る。

 撮影も埼玉県を中心に行われた。埼玉を東京など他の地域との比較で描くのではなく、外国から来た主人公が初めて触れる日本、世界の中の埼玉として描くことで、先入観なく埼玉を感じてもらえる作品を目指した。園田監督は「埼玉県にお住まいの方には映画の中で地元ネタを発見する楽しみがありますし、県外の方には都会的だけど古くからの街並が残る埼玉の良さを少しでも感じてもらえたら嬉しい」と話す。

 現在公開中の映画『桜田門外ノ変』(佐藤純彌監督)も茨城県の市民団体が企画を立ち上げて製作までこぎつけた“ご当地映画”だ。物語も幕末の大事件を水戸藩士の目線で描き、市内の公園には2億5000万円をかけて巨大なオープンセットまで作り、県内全域でロケ撮影も敢行した。オープンセットには映画公開前に14万人以上の観光客が訪れ、地域の活性化という目的は果たしつつある。

 23日に開幕する『第23回東京国際映画祭』のコンペティション部門に出品される『海炭市叙景』(熊切和嘉監督)は、北海道函館市の協力を得て製作された。函館出身の佐藤泰志の小説の映画化。架空の地方都市・海炭市に暮らす家族の再生の姿を描いた物語の中に、函館の町そのものと、そこに生きる人々のありのままの姿を映し出す。

 次世代の育成や地域の活性化など目的も、アプローチの仕方もプロセスもさまざまではあるが、“ご当地映画”が日本の映画界に新しい風を吹かせるか注目される。

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  • 映画『ネムリバ』場面写真 (C)2010 D-MAP2009「ネムリバ」製作委員会 
  • 映画『ネムリバ』場面写真 (C)2010 D-MAP2009「ネムリバ」製作委員会 
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