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大阪の“秋フェス”・“ミナホ”の魅力

■18カ所で、450組のアーティストが競演。秋フェス“ミナホ”の魅力

 10月31日〜11月3日の4日間、この時期に毎年大阪で行われている“秋フェス”こと『MINAMI WHEEL』(ミナミホイール)が開催された。10周年を迎えた今年は過去最大規模になり、大阪・ミナミの18カ所のライヴハウスなどに、総勢450組ものアーティストが集結した。

11月2日、CLUB QUATTROでライブを行ったSCANDAL 

11月2日、CLUB QUATTROでライブを行ったSCANDAL 

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 この“ミナホ”の愛称で親しまれる『ミナミホイール』に、遅ればせながら初参戦したわけだが、ミナミの町全体がライヴハウス化するこのイベント、音楽好きには本当にたまらないイベントだ。新人を中心に450組ものアーティストが繰り広げるショウケースを、はしごできる手軽さ、どのように観て回ろうか頭を悩ませる楽しさ、自分の好みのアーティスト・音に出会えたときの嬉しさが魅力的だ。

 同じパスを首から下げた人達と、あっちこっちですれ違う、街全体を巻き込んでのこのライブサーキットに年を忘れて興奮し、ライブハウスをあっちこっち巡って、前から気になっていたアーティストや、それまで全く知らなかったアーティストのパフォーマンスをこれでもかというくらい観て、非常に刺激的だった。アメリカ村の三角公園に行けば、ファッションショーや、松下優也やMiChiといった注目アーティスト達がフリーライブを繰り広げ、“ミナホ”のキーステーションになっていたBIG STEPの大階段でも、勉強不足で申し訳ないが、今まで名前も聞いたことがなかったアーティストがフリーライブを演っており、それがすごく良かったり、街全体が音の洪水という感じで、非常に居心地がよかった。

 このイベントは米国・テキサス州オースティンで毎年行われている音楽見本市として知られるイベント、SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)や、ニューヨークのCMJのライヴショーケースを手本にしており、参加アーティストは新人や中堅アーティストが中心だ。一般の音楽ファンはもちろん、全国から音楽関係者が集結することもあって、新人にとっては特に絶好のアピールチャンスでもある。大阪で絶大な影響力と人気を誇る主催者のFM802の音楽に、アーティストに対する愛情、そして街を大切にする愛情が隅々にまで行き渡っており、心地よかった。

 ただ、一組のアーティストを狙い撃ちで観たいファンはいいかもしれないが、色々と観てみたいという音楽好きにとっては、これ以上規模が大きくなれば、最初に書いた手軽さがなくなったり、選ぶ楽しさが苦しさに変わったり、金銭的な負担が増えたりと、色々な問題が生じてくると思うが、FM802の音楽を愛するスピリットが、そんな問題も解決してくれるはずだ。10年間も続いているということは、誰もが有意義だと感じているからだろう。今後も是非続けて欲しいイベントだ。


 MiChi

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