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期待される、HMVジャパンの今後

最後の“外資”が日本から撤退するも、
“HMVジャパン”は従来通りの展開を継続


 HMVジャパンと大和証券エスエムビーシープリンシパル・インベストメンツ(以下、大和証券SMBCPI)が7月31日、英HMVグループによるHMVジャパンの売却について発表した。英HMVグループと同社子会社のHMVミュージックリミテッドが、HMVジャパン及びHMVリテールリミテッドの発行済全株式を、大和証券SMBCPI設立の特定目的会社ディー・エス・エムインベストメンツカトルセに売却する契約を締結したもので、英HMVグループの発表によれば、買収総額は7000万ポンド(約170億円)。8月下旬の売却完了を予定している。

 英HMVグループは今年3月、経営戦略などをレポートした『Strategic and operational review』を発表し、グループが直面する競争激化などから06年度決算の予想未達の可能性を示唆。グループ経営の基盤となる英国事業などへ経営資産を集中させるため、黒字ベースで推移していたとされる日本事業の見直しについて触れ、今年6月までに方針を決定するとしていた。 今回の買収に伴い、大和証券SMBCPI側は日本市場におけるHMVブランドの使用権も同時に取得することになり、現在、国内62店舗を展開するHMVジャパンは従来通りの営業を続けるとしている。

 80年に日本での第1号店をオープンしたタワーレコードに続き、90年にはヴァージン・メガストアーズ、HMVも相次いで日本に進出していたがこの3社ともブランド名を継承した国内資本が経営を存続させるかたちとなった。タワーレコードは02年にマネージメントバイアウト(MBO)の手法で日本法人が米国法人から独立。ヴァージン・メガストアーズは日本法人に対して折半出資していた英ヴァージングループが、03年に保有株式のすべてを共同出資者の丸井に売却するかたちでいったん丸井の100%出資子会社となり、次いで05年、カルチュア・コンビニエンス・クラブが買収している。CCCは昨年にも新星堂、すみやを買収しているが、国内のレコード店チェーンをめぐる大型買収劇が今年も再燃したかたちだ。


    
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