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浜田麻里デビュー40周年 進化した豊かなボーカルを響かせる新作『Soar』に歓喜と驚愕の声

 1980年代、唯一無二のハイトーンボイスで、瞬く間にヘヴィメタルシーンの最前線に踊り出たロックシンガー・浜田麻里。当時の音楽シーンで女性シンガーと言えば、アイドルやニューミュージックが主流であったが、その中でひと際異彩を放っていた彼女は、1989年にリリースした「Return to Myself」でシングル、アルバムともにオリコン週間ランキング1位を獲得。ジャンルの垣根を超えて幅広い人気を獲得し、名実ともに日本のヘヴィメタル・クイーンとなった。人々を熱狂させたその歌声は今も健在。このほどリリースされた通算27枚目のアルバムでは、より進化した豊かで信念のこもったボーカルを響かせている。

浜田麻里、5年ぶりのオリジナルアルバム『Soar』リリース

浜田麻里、5年ぶりのオリジナルアルバム『Soar』リリース

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■よりパワフルに豊かに ファンを驚かせたハイトーンボイス

 今年デビュー40周年を迎えるヘヴィメタルシンガーの先駆者、浜田麻里が5年ぶりにリリースしたオリジナルアルバム『Soar』に、歓喜と驚愕の声が上がっている。3月3日のリリース情報解禁と共にリード曲「Tomorrow Never Dies」が先行配信されて以来、ヘヴィメタル・クイーンの健在ぶりに期待は高まるばかり。発売日の4月19日午前中には名前がTwitterのトレンド入りし、待ちきれないファンの熱気をうかがい知ることができた。

 何がそれほどまでにリスナーを驚かせているのか。それはなんと言っても“衰え知らず”の一言では片付けられない歌声だろう。歌唱力に定評のある浜田だが、その声量も60歳を迎えてますますパワーアップしているのだ。1曲目「Tomorrow Never Dies」は、浜田の真骨頂とも言えるハイトーンボーカルが冴えわたる高速メタル。重厚なリフやメロディックなギターソロは往年のファンには感涙もので、若いメタルヘッズにはジャパニーズ・ヘヴィメタルの真髄を知らしめる1曲に仕上がっている。

 また、浜田の突き抜けるようなロングトーンの美しさもよく知られているところ。2曲目「Escape From Freedom」や7曲目「Dancing With Heartache」など、どこまでも伸びるボーカルから間奏へとつなげる楽曲展開のカタルシスは、美しくブレのないロングビブラートがあってこそ実現し得たものだと言えるだろう。

■アルバムに通底する自らの表現や美学を貫く姿勢

 ストリーミング全盛の近年は、イントロや間奏が短い楽曲が増えているが、本アルバムに収録された楽曲のイントロは総じて長い。6曲目「Dramatica」に至っては、オリエンタルなストリングスから畳み掛けるギターによるイントロが1分ほど続き、浜田のボーカルを迎え入れる。

 収録曲はすべて、作詞はもとより、作曲、アレンジに至るまで浜田本人が関わっている。もともとコマーシャリズムからは一線を画した活動をしてきた彼女だけに、時代の風潮に逆行するというよりはむしろ、自らの表現や美学を貫こうとする姿勢が、そうした楽曲構成からもうかがえる。

 ラウドなメタルに軸足を置きつつも、5曲目「Zero Gravity」や11曲目「Last Leaf」といった繊細なバラード、全編にストリングスを効かせた洗練されたサウンドの3曲目「Prism」、抒情感あふれる歌声で聴く者を包み込む9曲目「River」など、緩急つけて聴かせるドラマチックな全11曲を収録。綿密に構成された楽曲群に、「久しぶりに通して聴きたくなるアルバム」との声も多い。

 アルバムの制作テーマをポジティブに捉えた“死生観”とした浜田は、その理由を「人生の時間を意識することは、かえって自己の可能性に挑戦し、突き進むエネルギーになる」と語っている。ヘヴィメタルは、声量が求められ喉を酷使するジャンルだ。しかし、生身のシンガーとして歌い続けるためにキーを下げるのは「守りに入る」こと。そんな選択肢は持ち合わせていないとばかりに、HR/HMの名盤と名高い前作『Gracia』(18年)をも凌駕する歌声を披露し、「思考と意志は人の一生をも超越していく」という信念を見事に体現化している。

デビュー40周年を迎えた浜田麻里

デビュー40周年を迎えた浜田麻里

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■名だたるミュージシャンが集結 特別な存在感を発揮

 87年からロサンゼルスにレコーディングの拠点を移し、海外のトップミュージシャンとコラボレーションしてきた浜田。そうした長年の交流から本アルバムには国境を超えた名だたるミュージシャンが集結。メタルファンであればクレジットを見ただけで、彼女がいかに特別な存在であるかがわかるはずだ。そして、そんな凄腕たちの奏でる極太なメタルサウンドにたった1人で挑み、圧巻の歌声でねじ伏せる。しかし、その佇まいはあくまでエレガントで美しい。

 中でも2010年のアルバム『Aestetica』以来、浜田のサウンドの重要なエレメントになっているギタリスト・高崎晃の続投はファンを大いに喜ばせている。LOUDNESS、LAZYの高崎晃といえば、言わずと知れたジャパニーズ・ヘヴィメタルのレジェンドだ。15年に開催された、国内最大規模のヘヴィメタルフェス「LOUD PARK 15」での2人の共演は、入場規制も出るほどの大盛況となり、ヘッドライナーのメガデスやスレイヤー等を抑えて「ベストアクトだった」との声も上がった。重厚かつメロディアスな高崎のギタープレイは、本アルバムでも存分に発揮されている。

 本作がリリースされた当日には、ストレスフルな現代社会を象徴する映像をモチーフとした「Tomorrow Never Dies」のミュージックビデオも公開。そしてYouTube Liveでは新作リリース記念として初のスペシャルトークショーの模様を生配信。リアルタイムでの質問コーナーでは飾らない素顔を披露した。

 10月からは本作を携えて40周年全国ツアー「The 40th Anniversary Tour “Soar”」がスタート。10月4日の福岡・福岡国際会議場を皮切りに、全国5大都市を廻ることが発表されている。30周年ツアーファイナルには高崎がゲストで登場しているだけに、今回も否が応にも期待してしまうところ。しかし、何より4年ぶりに浜田の生の歌声が聴けるとあって、早くも「ホンモノが聴きたい」と願う多くのファンが血をたぎらせている。

文・児玉澄子

<リリース情報>
浜田麻里 アルバム『Soar』(2023年4月19日発売)

アルバム『Soar』(初回限定盤:CD+DVD)

アルバム『Soar』(初回限定盤:CD+DVD)

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■初回限定盤:CD+DVD、スリーブケース入り/VIZL-2180/4500円 (税込)
※"Soar"tourライブチケット先行予約シリアルナンバー封入

アルバム『Soar』(通常盤:CD)

アルバム『Soar』(通常盤:CD)

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■通常盤:CD/VICL-65810/3500円 (税込)
※"Soar"tourライブチケット先行予約シリアルナンバー封入(※初回プレス分のみ)

<収録曲>※初回限定盤・通常盤共通
01.Tomorrow Never Dies
02.Escape From Freedom
03.Prism
04.Noblesse Oblige
05.Zero Gravity
06.Dramatica
07.Dancing With Heartache
08.The Fall
09.River
10.Diagram
11.Last Leaf

■浜田麻里 Profile
15歳でプロシンガーとしてのキャリアをスタート。スタジオボーカリストとして5 年間活動した後、83年4月、アルバム『Lunatic Doll』でデビュー。数多くのライブを重ねコンスタントなアルバムリリースにより、本格派女性ロックボーカリスト、ヘヴィメタルの女王としての地位を確立。87年よりレコーディングの拠点を米L.A.に移し、海外のトップミュージシャンとのコラボレートを開始。88年、ソウルオリンピックのNHKイメージソング「Heart and Soul」がスマッシュヒット。翌89年の「Return To Myself」はシングル・アルバム共にオリコン週間シングルランキング1 位を獲得。93年、MCA International と世界契約し、アジア、ヨーロッパに進出。KIM WILDE とともにヨーロッパツアーを敢行。国内ではアルバム『Anti-Heroine』、『Inclination』がオリコン週間アルバムランキング1 位に。97年のレコード会社移籍に伴い活動が一時停滞するが、その間もアルバムリリースを柱にした音楽制作を続け、2002年にはライブ活動を再開。35周年を機にビクターエンタテイメントに移籍。アルバム『Gracia』をリリースし全国ツアー『Mari Hamada The 35th Anniversary Tour “Gracia”』を敢行。23年4 月、最新アルバム『Soar』発表。

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