プライベートでも親交があるというムロツヨシと伊藤沙莉が7月8日公開のアニメ映画『映画ざんねんないきもの事典』で声優として共演する。役柄はナビゲーターのキャラクター・モグモグ（ムロ）とその娘・グララ（伊藤）。収録中のエピソードや、それぞれの“ざんねん”な部分について話を聞いた。

【写真】その他の写真を見る

■監督からのオファーは“親子 漫才”　お互いに「共演できることがうれしい」と相思相愛

　同作は今泉忠明監修による児童書の大人気シリーズ『ざんねんないきもの事典』（高橋書店）のアニメ映画化。「サイの角は、ただのいぼ」など、いきものの実は“ざんねん”な真相を、ユーモアと愛情たっぷりに紹介する原作をベースに、映画では、世界中の様々ないきものについてリサーチし、豊かな自然の存在とともに「ざんねんないきもの」たちが多数生息する南極・オーストラリア・日本(長野県安曇野)の３カ所を舞台に、オリジナルストーリーが楽しめる。

――大人気のシリーズとなりますが、オファーを受けての感想はどんなものでしたか？

【伊藤沙莉】　お話をいただいてから原作を拝見したのですが、動物たちの“ざんねん”な姿がとてもかわいらしい作品です。この映画に携われることもうれしかったんですが、久々にムロさんと共演させて頂けるということもうれしくて。そんな“うれしい”が詰まったお仕事ですごく楽しみにしていました。

【ムロツヨシ】　僕は最初、マネージャーさんから「モグラの親子のお父さん役に興味ありますか」と聞かれて、「それは興味がある」と第一声から前のめりでしたね。作品を知るごとに、“ざんねん”をあえてフィーチャーして、そのいきものの特徴を伝えるタイトルやコンセプトがいいなと思いまして。あと伊藤沙莉さんと久しぶりのお仕事っていうことで、親子役で掛け合いができるのも楽しみで。即答で「引き受けさせて下さい」と言いました。

――実際、演じてみていかがでしたか？

【ムロ】　監督から「親子漫才のような形を目指しています」と指示があったので、終始楽しんでやらせていただきました。でも僕ら2人で喋っているとテンポが速くなっちゃうんですよ。お子さんたちにも見ていただきたいので、ゆっくりテンポを合わせていく作業が楽しかったですね。

【伊藤】　私がやらせて頂いたグララはおっとりしていて、“ツッコむ”というよりは“正す”というか、「じゃあ仕切り直して…」みたいな女の子。私もテンポを合わせる作業は難しさもありながら、とても楽しかったです。

■演技外の2人は“ざんねん”？ 「物をなくしたり、返すのを忘れたり…」

――もしかして、アドリブもたくさん入れられたんですか？

【ムロ】　それが、アニメーションだとキャラが口を開けてないと喋れないじゃないですか。“後ろ姿の時はチャンスだ”と思っているんですけど、今回は後ろ姿があまりなかったので、ちょっとだけ…でしたね。

【伊藤】　いや、めっちゃ足してました！

【ムロ】　そんなことないよ（笑）。

【伊藤】　台本のト書きに書いてある擬音というか「タッ！」とか「ファラファファラ」とか、読まなくていいものまで全部読んでいましたから（笑）！　しかもムロさん、動くし。モグラなので、地上に出てきて「まぶしっ！」というセリフがあるんですけど、そこでまぶしそうなジェスチャーまで本当にやっているのがおもしろくて、こらえきれなかったですね。それで笑い声NGを出してしまいました（笑）。

――俳優と声のお仕事は、向き合い方はやはり違うのですか？

【ムロ】　そうですね。僕は声のお仕事では“ムロ”が出てこないよう抑える作業から始めます。でも僕が演じる理由も欲しいので、“ムロ”がそのキャラクターに、良い足し算のような形で出ればいいなと思いながら演じています。キャラクターありきですからね。

【伊藤】　私の場合は実写のお仕事では見た目も含めて演じますから、引き算の方が多いんですね。ですがアニメは声色を変えるとか、伝わりやすさを含め、足し算が多くなっていると思います。

――なるほど。次にタイトルにかけて、お2人の“ざんねん”な部分もお聞きしたいのですが。

【ムロ】　きのう、半年ぶりに牛乳をコップ2杯飲んだら内臓がびっくりしちゃったみたいで（笑）。牛乳は好きなんですけどね。で、テレビ局についたらすぐトイレへ…そこから長い戦いがという“ざんねん”がありました（笑）。あとはすぐ物をなくしちゃう。マネージャーさんのペンを借りたんですけど…まだ見つかってないらしいです（笑）。

【伊藤】　あ、それ私が持ってますよ！ 私がその後借りたんですよ！

【ムロ】　今、見つかりました。

【伊藤】　こういう“借りパク癖”は私のざんねんなところですね。

【ムロ】　悪気なくね。

【伊藤】　そうなんですよ、悪気なく。以前、ドラマで入院しているシーンがあって、手首に巻く名前付きのベルトの小道具をつけたまま帰っちゃったり、腕時計の小道具とかも…。

【ムロ】　後で返すんだけどね。

【伊藤】　絶対返すんですけど、借りてたことをすぐ忘れちゃう。

【ムロ】　あと僕は最近、仕事の入り時間が覚えられなくなって。たとえば7時15分に集合なんだけど、中途半端な時間なので6時45分と勘違いしたり。

【伊藤】　わかる！（笑）

■満を持してのエピソードにスベり、落ち込む「身近な人に助けられている（笑）」

【伊藤】　あと、私の“ざんねん”なところは、バラエティ番組に番宣などで出させていただいた時に、調子に乗って喋りすぎて家に帰って後悔することですね。

【ムロ】　サービス精神が働いちゃうやつだね。

【伊藤】　あと、満を持してのエピソードでスベったりとか。事前の打ち合わせではスタッフさんが笑ってくれてたのに、本番で言ったら全然盛り上がらなくて。

【ムロ】　あるよね（笑）。

【伊藤】　それで落ち込んで、兄（お笑い芸人のオズワルド・伊藤俊介）に相談したら、「盛り上げるのはお前の仕事じゃないから、落ち込まなくていい」と慰めてくれて。でも結局1週間くらい引きずっちゃう。それも私の“ざんねん”なところかも。

【ムロ】　僕もバラエティのあとは引きずっちゃいますね。撮影が終わってマネージャーさんと車に乗ったら、その日の失敗を思い出して無言になっちゃって。マネージャーさんはその空気に気付いてくれて「おもしろかったですよ」と慰めてくれます（笑）。忘れようとしても忘れられないので、逆に記憶してともに生きるようにしています。

【伊藤】　お互い身近な人に助けられていますね（笑）。

――どうもありがとうございます。では最後にメッセージを！

【ムロ】　こんな“ざんねん”な2人がナビゲーターの”モグラの親子“を演じています。最後はしっかりとうちの“ざんねん”な娘（伊藤）がまとめてくれます。みなさん、お聞き逃しなく！

【伊藤】　ひどーい。その振り（笑）！　“ざんねん”といえど、それが個性だったり愛しい部分だったり。“ざんねん”も愛す…そこを問いかける作品になっていると思うので、ぜひ劇場に足を運んで下さい。

『映画ざんねんないきもの事典』　7月8日（金）公開　取材・文／衣輪晋一　写真／Mitsuru Yamazaki　★ORICON NEWS 動画視聴ページTOP
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」