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映画演劇文化協会による、著しい活躍をした映画製作者を中心に表彰する『第41回藤本賞』(対象:2021年4月〜22年3月に劇場公開された映画)の選考が行われ、最高賞にあたる藤本賞は、『ドライブ・マイ・カー』を発案、プロデュースし、世界的な評価と成功に導いた山本晃久氏に決定した。 村上春樹氏の同名短編小説を濱口竜介監督の脚本(大江崇允氏と共同)と演出により映像化した『ドライブ・マイ・カー』は、喪失と再生というテーマに取り組み、第74回カンヌ国際映画祭脚本賞、第94回アカデミー賞国際長編映画賞、第45回日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめとする国内外の映画賞を受賞。世界の映画人から評価され、日本国内においても観客動員数80万人を超えるヒットとなった。 特別賞として、庵野秀明氏とともに『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を製作した緒方智幸氏の受賞が決定。1995年のテレビ放送以来、社会現象を巻き起こし、熱狂的なファンを生み出した「新世紀エヴァンゲリオン」と、2007年に始まった新劇場版シリーズ、四半世紀にわたって発展し続けたエヴァンゲリオンのすべての完結編である『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は、動員670万人超、国内興行収入は100億円突破の大ヒットを記録。同作は2021年3月に公開された作品だったが、同年7月まで続くロングラン興行となり、コロナ禍の日本映画界に対して果たした多大な貢献を鑑み、選考委員会で討議の結果、本年の特別賞に選定された。 奨励賞には、『劇場版 呪術廻戦 0』のプロデュースチーム(松谷浩明氏、齋藤雅哉氏、池田亮太氏、村井佑梨羽氏、大塚学氏、瀬下恵介氏)が選ばれた。同作は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)連載開始直後から注目を浴びていた芥見下々氏による「呪術廻戦」の、テレビアニメ第1期に続く初の映画版。シリーズ前日譚にあたるエピソードを圧倒的なクオリティで描くことで、コアファンはもとより原作漫画やテレビアニメに触れていなかった新たなファンも取り込み、一大ムーブメントを巻き起こした。観客動員は980万人を超え、2021年度興行収入第1位となる大ヒット作に導いた。 また、『東京リベンジャーズ』を製作した岡田翔太氏が新人賞を受賞。和久井健氏による原作漫画を、旬の若手俳優を起用して実写化。原作の世界観を的確に描出した演出やアップテンポな音楽、魅力あふれるキャラクターたちによって、タイムリープとヤンキー映画が見事に融合し、青春映画の枠を超えた幅広い世代の胸を熱くさせる斬新かつ痛快なアクション映画となった。観客動員は300万人を突破し、2021年の実写映画における興収第1位の大ヒット作に導いた。 藤本賞は、映画にほれ込み、映画づくりに生涯を捧げ、269作品を製作した名プロデューサー・藤本真澄氏の功績を讃えて設けられた。藤本賞には賞金50万円、藤本賞特別賞、藤本賞奨励賞にはそれぞれ賞金30万円、ならびに各賞に対し、副賞が贈られる。なお、新型コロナウイルスの感染状況に鑑みて、今年も授賞式は開催されないことが決まった。

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  • 『ドライブ・マイ・カー』山本晃久プロデューサー
  • 『ドライブ・マイ・カー』 (C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
  • 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(C)カラー
  • 『劇場版 呪術廻戦 0』(C)2021 「劇場版 呪術廻戦 0 」製作委員会 (C)芥見下々/集英社
  • 『東京リベンジャーズ』(C)2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会

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