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令和元年度文化庁映画賞・文化記録映画大賞を受賞するなどしたドキュメンタリー映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』(2018年)の続編『ぼけますから、よろしくお願いします。〜おかえり お母さん〜』が、2022年3月25日より、新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷、ポレポレ東中野(以上、すべて東京)ほか全国で順次公開される。 東京で働く信友直子監督が、広島県呉市で暮らす認知症の母親と、耳の遠くなった父親の生活をありのままに映し、年々深刻化する老老介護や認知症に関する問題の実態も浮き彫りにした作品として注目を集めたドキュメンタリーの続編。 父は家事全般を取り仕切れるまでになり日々奮闘しているが、母の認知症はさらに進行し、ついに脳梗塞を発症、入院生活が始まる。外出時には手押し車が欠かせない父だったが、毎日1時間かけて母に面会するため足を運び、母を励まし続け、いつか母が帰ってくるときのためにと98歳にして筋トレを始める。その後、一時は歩けるまでに回復した母だったが新たな脳梗塞が見つかり、病状は深刻さを極めていく。そんな中、2020年3月に新型コロナの感染が世界的に拡大 。 病院の面会すら困難な状況が訪れる。それでも決してあきらめず奮闘する父の姿は娘に美しく映るのだった。 今回は、前作で始まった介護生活の、その後を描く。認知症とともに生きることの大変さや家族の苦労など、日本全体が抱える高齢化社会の問題を含みながらも、映し出されるのは、こんな風に生きられたらと憧れを抱かせてくれるような、幸せな夫婦の姿。現実を冷静に映し出そうとする監督としての立場と、実の娘であるというふたつの立場で葛藤しながら撮り続けた。 老いや介護を扱った作品は数多くあるが、どの家庭にも起こりうる宿命を優しく見つめた本作は、家族でなければ撮れない貴重な人生の記録である。母親の入院と、新型コロナの世界的拡大により、いつも一緒だった夫婦が顔を合わせることさえままならなくなった現実を映した続編もまた、多くの人に“自分の物語”として響くに違いない。 予告編では、穏やかなピアノの曲が流れる中、見ているこちらも思わず微笑んでしまうほど、愛らしい笑顔で話す父親の姿から始まり、「認知症になった母を90代の父が支え、ふたりで暮らす物語。それには、こんな続きがありました」と、信友監督の語りによる “物語”へと続いていく。

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  • 『ぼけますから、よろしくお願いします。〜おかえり お母さん〜』(2022年3月25日より全国順次公開) (C)2022 「ぼけますから、よろしくお願いします。〜おかえり お母さん〜」製作委員会
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