21日、東京明治記念館で行われた『ショートショート フィルムフェスティバル ＆ アジア 2021』アワードセレモニーで「HOPPY HAPPY AWARD」が発表され、大門嵩監督、祁答院雄貴監督の『徒然甘々』が受賞した。授与式には HOPPY+SSFF & ASIA製作のショートフィルム『願いのカクテル』に出演の國村隼、『The Supermission』に出演の筒井真理子、ホッピービバレッジ株式会社代表取締役社長・石渡美奈氏が出席した。

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　米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭、ショートショート フィルムフェスティバル & アジア（SSFF & ASIA）とホッピービバレッジ株式会社が共同で手掛けたオンラインでショートフィルムを無料鑑賞できるWebサイト「HOPPY HAPPY THEATER」。

　本サイトで公開される『願いのカクテル』は、妻を亡くした男・穂積（國村）が、行きつけの居酒屋で知り合った夫婦との交流していくなかで、閉ざした心が徐々に開いていく姿が描かれる。主演を務めた國村は「思い返せば2年前のいまごろ撮影をしていました」と振り返ると「脚本を読んだときは、つまみが話し出すなんて、ファンタジックとても可愛らしい話だなと思いました」と感想を述べる。また國村はコロナ禍の現状を鑑み、「またこんな風に、たまたま居酒屋で隣になったお客さんと角突き合わせて話ができる時代に戻ればいいなと思っています。いろいろな意味で、人とのコミュニケーションが大切なんだと思っていただければ」と作品に込めた思いを語る。

　同じく「HOPPY HAPPY THEATER」で公開される『The Supermission』は、スーパーで働く対人恐怖症かつ潔癖症の女性店員が、とある日にやってきた外国人観光客と対峙することで、新たな一日を踏み出そうとする姿が描かれる。本作で主演を務めた筒井は「撮影が始まったときは、まだ緊急事態宣言は出ていませんでしたが、コロナウイルスが蔓（まん）延し始めていたとき。奇しくもいまの世界と重なっているところもあり、ぜひご覧いただきたい作品です」と力を込めると「昨年、ショートフィルムの審査員を務めさせていただき、世界中の映画を観る機会がありました。これまでショートフィルムは、映画の短いものだという認識だったのですが、ショートフィルムにしかできない表現がたくさんあることを知りました」と魅力を語っていた。

　また、今年から設立された「HOPPY HAPPY AWARD」の第1回受賞作が、祁答院雄貴と大門嵩が監督を務めた『徒然甘々』に決定。大門監督は「この作品は、コロナ禍でまったく仕事がなくなった僕や、僕の映像仲間が何もすることがないから作ろうか……と言ってできた作品。それがこんなに大きな映画祭で評価されたこと、うれしいです」と受賞の喜びを語る。

　本アワードを設立した石渡氏は「いまから4年前にショートフィルムと出会ったのですが、メッセージ性の強いショートフィルムと、ホッピーに親和性を感じ、コラボすることで楽しいことが生まれるのでは」と意図を明かすと「私たちのお客さんの多くが居酒屋さんです。コロナを経て、新しい居場所として居酒屋さんの在り方が問われるとき、ホッピーとショートフィルムがコラボすることで、また新しい居場所ができるのではないか」と未来に思いを馳せていた。

　『徒然甘々』の受賞理由について石渡氏は「多くの人が人と人とのつながりを恋慕しているなか、亡くなったお父さんを含めた家族の話や、これから家族になる人のつながりを、本当に温かく描いた作品でした。拝見してホッとしたし勇気をいただきました」と絶賛していた。



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