お笑いコンビの千鳥がMCを務め、バラエティー『全力！脱力タイムズ』（毎週金曜　後11：00）の制作チームによる、フジテレビ系バラエティー特番『千鳥のクセがスゴいネタGP』が30日に放送（後7：00）。番組では、今輝く人気芸人たちが、普段のネタとは一味違う“クセがスゴいネタ”を披露しているが、この時代ならではの新感覚バラエティーに仕上がっている。

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　番組には、秋山竜次（ロバート）、3時のヒロイン、霜降り明星、どぶろっく、野田クリスタル（マヂカルラブリー）、ハリウッドザコシショウなど、お笑い賞レースの王者が続々登場。そのほか、鈴木福、中村俊介、濱田崇裕（ジャニーズWEST）も特別出演。鈴木は、くっきー！、中村は丸山礼、�M田はコウメ太夫とそれぞれコラボネタを行う。

　自粛生活が続く中、フジテレビが強い覚悟をもって大きく振り切った完全新作バラエティー。総合演出を務める名城ラリータ氏にリモートでインタビューを行った。

■“今だからこそ”の特番　WEST濱田とコウメのコラボは「ファンの方に怒られるかも…」

――今回の特番が立ち上がった経緯は？

もともと『脱力』で一緒にやっているフジテレビの狩野雄太さんと話をしていく中で、この時期だから、コンビやトリオの方にひとりずつ参加していただいて、普段見せないひとりのネタを見せていただくのはどうか、という案が出たのがきっかけです。

――新型コロナの影響で、集まれないという事情を踏まえた特番、ということ？

まさにその通りで、このご時世じゃないと思いつかなかったかもしれないです。先日放送された『ENGEIグランドスラム　リモート』でもアクリル板を置いて、間隔を取ってネタを披露していましたが、今回はコンビやトリオの方にも“ピン”で出ていただいて、普段見せない顔をみなさんに見ていただく形になったらいいなという思いがありました。コンビで出られる方もいらっしゃいますが、時間的な都合とかでこれまでテレビで出されていなかったものを出していただいたり。見てほしいものをやっていただきました。千鳥さんの存在も大きくて、お2人がどうコメントするか、どんな顔でネタを見られているかっていうのも大きな軸としてあったので、普段見られないネタと千鳥さんの反応の両方を見ていただきたいです。

――かなり濃厚なネタが集まっていますが、そういった意味でも千鳥さんの存在は大きい？

お2人が、どういう状況でもご本人たちの言葉で解釈することで、また違った笑いが生まれますよね。ネタと千鳥さんたちのコメントまでがひとつの作品じゃないですけど、その辺りは意識して、芸人さんにネタを選んでいただく段階から「千鳥さんがスタジオで見ています」と説明しました。ネタとスタジオ撮りは別日にしたのですが、スタジオ収録での千鳥さんの反応を大事にしたくて、スタッフはネタ収録であえて反応しないようにしていて。出てくださった芸人さんたちは、まったく反応がないので不安な気持ちだったようです（笑）。

――収録時はどのようなコロナ対策を？

ネタは、演者さん同士が集まって密にならないように1組ずつ収録しました。定期的にスタジオの大きな扉を開けて換気をして、カメラマンなど、スタジオにいるスタッフもなるべく少なくしました。あと、スタッフはもちろん、出演者の皆さんも全員、スタジオに入る前に検温と手指のアルコール消毒をして。千鳥さんやゲストの方がいらっしゃるスタジオ収録も、きちんとアクリル板を立てて、ソーシャルディスタンスを取っています。僕らがやっていることに対して、見ている方が不安を感じることがあってはいけないので、きちんとケアをしたつもりです。

――コラボネタも大きな魅力になっている。

まさに博打みたいな感じでした（笑）。それに対する千鳥さんのコメントにも、ぜひ注目してください。『脱力』でもそうなのですが、ウソをつかないでやりたいと思っています。もちろん、成功したら成功で見せるし、不思議な空気が爆発してしまったネタも変な演出をせずに放送しようと思っているので、それはそれで見どころのひとつかなと思っています。非常に恐れ多くて、僕らはそんなつもりはなかったのですが、ノブさんからは「『脱力タイムズ』をやっているみたいだ」と言っていただきました（笑）。

――濱田さんはコウメさんとのコラボに果敢に挑戦されていました。

ファンの方に怒られるかもしれないです…。ただ、濱田さんは本当に器用かつ懐深くネタをやっていただきましたし、ちょっとアドリブっぽいところにも挑戦してもらいました。そのすごさと相方のすごさもあったのですが、それがかけ算にならないこともあるという（苦笑）。ファンのみなさんには、濱田さんの器用さを見ていただくということでご容赦いただけないかと思っております。

■リモートでも『脱力』流の番組作り　大看板『ENGEI』とは違った魅力

――『脱力タイムズ』チームのネタ番組という点にも注目が集まっていますが、現在の『脱力』の番組作りは？

今は、新撮部分と再放送を合わせた傑作選を放送していますが、こういう時期なので、みなさん集まっての収録ができない中で、どういったことがあるだろうという話し合いはしていて。昨今、リモート企画というものが、どこも宿題として出されている中、リモートではやらないようなことをやるにはどうしたらいいだろうということを話していますが、やっぱり有田（哲平）さんはすごいですね。いろんなことを考えてくれています。

――昨年の『脱力タイムズ』では、アンタッチャブルの復活が大きな話題に。

あれも本当に有田さんがいたからということ、そして番組の歴史ですかね。これまで、最後のパートで柴田英嗣さんに“相方”が出てくると振っておいて、結果的に山崎弘也さんに似ているバービーさんが来るっていうことを何度もやっていましたが、（復活した時に）「このためにやっていたんじゃないか」って思うくらいでした。『脱力』は有田さんが座長ですので、僕らは有田さんの笑いみたいなものをできるだけ広めていくことを引き続きやっていきたいです。

――日テレでは『有吉の壁』がレギュラー化され、TBSでは『ドリームマッチ』が復活。お笑い色の強い番組がゴールデンで相次いで放送されている状況を、どのように考える？

『有吉の壁』も『ドリームマッチ』もすごいですよね。かっこいいなと思います。『有吉の壁』を手がけていらっしゃる橋本和明さんには、うちの妻（ギャル曽根）が『有吉ゼミ』でお世話になっていますが（笑）、それぞれ違ったテイストの番組で結果を出されているのは、テレビマンとしてすばらしいと思います。『有吉の壁』、本当にすごいですよね。いろんな番組に出られているのに、なかなか見ない有吉さんの顔が見られるという。オリジナルのものができているなと感じています。

――今回の『クセがスゴいネタGP』でも、千鳥さんの楽しそうな様子が垣間見える。

やっぱり、お2人が楽しそうにされている顔を見ると、ネタとの相乗効果でさらに楽しんで見てもらえるなと感じています。ノブさんも話されていたんですけど、ウチは『ENGEIグランドスラム』には勝てない（笑）。『ENGEI』の横にひっそりとあるという、まさに『脱力』みたいな感覚で見ていただくありがたいですね。こういうネタを披露する場があると、テレビとしての幅が広がるかなという思いがあって、フジテレビで言えば『爆笑レッドカーペット』が出てきた時に、今までと違うジャンルの方が出てきたりもしたので、今回の特番でも、これまでとは違う裾野を広げていけたらいいなという気持ちです。見ていただく方には、何も考えずにバカバカしい笑いを楽しんでいただきたいです。願わくばレギュラーになればと思っているので、みなさんぜひ見てください。

■バラエティー特番『千鳥のクセがスゴいネタGP』出演者

司会：千鳥（大悟、ノブ）
ゲスト：池田美優（みちょぱ）、伊原六花、広瀬アリス
出演芸人：秋山竜次（ロバート）、飯尾和樹（ずん）、上田航平（ゾフィー）、エミリン、COWCOW、狩野英孝、かまいたち、ガリベンズ矢野、くっきー！（野性爆弾）、コウメ太夫、小島よしお、後藤拓実（四千頭身）、斉藤慎二（ジャングルポケット）、3時のヒロイン、じろう（シソンヌ）、霜降り明星、高岸宏行（ティモンディ）、チョコレートプラネット、都留拓也（ラパルフェ）、とにかく明るい安村、どぶろっく、どみちゅん、友近、中岡創一（ロッチ）、中川家、ねんねん（ひよしなかよし）、野田クリスタル（マヂカルラブリー）、ハナコ、原口あきまさ、ハリウッドザコシショウ、広音、ぺこぱ、ホリ、丸山礼、Mr.シャチホコ、ミラクルひかる、望月隆寛（ダニエルズ）、ゆりやんレトリィバァ、りんごちゃん、ワタリ119