プロ野球・阪神タイガースの高山俊選手、千葉ロッテマリーンズから東北楽天ゴールデンイーグルスに加入が決定している鈴木大地選手が29日、都内で行われた『2019 スカパー！ドラマティック・サヨナラ賞 年間大賞』の授賞式に出席。2人に縁のある巨人の高橋由伸前監督が“激辛”の激励をした。

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　この日は高橋氏を招いてトークショーを開催。20年以上ぶりにユニホームを着ないでシーズンを過ごし「プレッシャーは、ほとんどない（笑）。今まで経験できなかったことや見えなかった部分を見せてもらった。楽しい1年ですね。それまで楽しくなかったわけじゃないですが（笑）」と軽快に語った。

　受賞者、それぞれについても口に。鈴木選手については「大地は交流戦のときに打つ。ジャイアンツ戦もよく打って、選手のときも監督のときも、結構、打たれた」と回想。一方の高山については「私が監督になった年にドラフトで入った。同じ六大学出身でずっと見ていた」としながら「まだまだ力の半分ぐらいしか出せていないんじゃないかな」と辛めのエールを送った。

　鈴木選手は高橋氏と同じ桐蔭学園出身。高校生時代に高橋氏が学校に来たことがあったそうで「かっこいい車で来て『これがプロ野球選手なんだ』と思った」と振り返る。照れる高橋氏は「いい車に乗って、いい車に乗ることも大事だなって思いました」と冗談めかして語った。

　一方、高山選手は高山氏と同じ千葉県出身。高橋氏は「三拍子揃っている。タイガースに足りないところを、たくさん持っている選手。高山くんがしっかり力を発揮してリーダーになれば得点力は上がる」とポテンショメータの高さを再度、強調していた。

　また、FAで楽天に加入することを発表している鈴木選手は「東北楽天ゴールデンイーグルスでお世話になることになりました」と改めて報告。高橋氏は「今まで通り、力を発揮できればチームのためにも自分のためにもなる」と背中を押した。

　プロ野球のレギュラーシーズンを通じて最も劇的なサヨナラ本塁打、またはサヨナラ安打を放った選手に贈られる同賞。今年の受賞者はセ・リーグから高山選手、パ・リーグから鈴木選手が選出された。

　MCとしてトークショーに出演した倉持。父・明氏が元ロッテの選手で自身もロッテファンであることから、FAで来季から東北楽天ゴールデンイーグルスでプレーする鈴木選手に「ファンとして聞きたいんですけど登場曲はまだ決まっていないんですか？」と直撃質問。FUNKY MONKEY BABYSの「告白」でおなじみの鈴木選手は「登場曲は特別なもの。引き続き使っていけたら」と笑っていた。

　高山選手は5月29日の読売ジャイアンツ戦（甲子園）で、4対4で迎えた延長12回裏。一死満塁のチャンスに代打で登場。池田駿投手から右翼席に劇的なサヨナラ満塁本塁打を放った。高山選手のサヨナラ打は16年5月21日の対広島戦以来2度目でサヨナラ本塁打は初。代打サヨナラ満塁本塁打はプロ野球史上17本目となった。高山選手は「どんなときも最後まで最後まで応援してくれる阪神ファンの方の気持ちがボールに乗り移った」と切れることなくスタンドに届いた打球を思い返した。

　鈴木選手は6月16日の対中日ドラゴンズ戦（ZOZOマリン）で、2対7で迎えた9回裏に、4点を返し1点差に詰め寄った2死満塁の場面で、右前に逆転のサヨナラ安打をバットを折りながら放ち、8対7の劇的なサヨナラ勝利を呼び込んだ。9回裏に5点差以上を逆転してのサヨナラ勝利はプロ野球史上9度目。今季、鈴木選手はサヨナラ打を3度記録。個人シーズン3度のサヨナラ打は55年ぶり3人目の球団対記録となった。

　鈴木選手は「あの試合は7回と9回の先頭バッターとして本塁打を打った。まだ点差はありましたが不思議ともう1回、回ってくるんじゃないかという気持ちでベンチで見ていました」と振り返り「バットも折れ、ボテボテでしたが抜けてくれという思いで一塁まで駆け抜けたのを覚えています。そのせいで、サヨナラした瞬間に一瞬、遅れてから喜んだ。今までの人生中でも印象に残るゲームで、これからも一生忘れることもないベストゲームでした」と感慨を語っていた。