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杉野遥亮、“優等生”から脱却して見えた世界「自分らしく表現できている」

 花王『アタックZERO』のテレビCM「#洗濯愛してる会」では松坂桃李や菅田将暉らとともに爽やかな印象を残している俳優・杉野遥亮(23)。30日スタートのMBS/TBSドラマイズム枠で放送されるドラマ『スカム』ではその真っ白なイメージが黒く染まるようなダークな役柄に主演として挑戦する。テーマは、『振り込め詐欺』。笑いも交えた物語の根底にあるのは現代社会に生きる若者の苦しみ。インタビューでは台本を読み「自分も学生時代になにかに縛られている感覚、窮屈に思っていた時期もあった」と主人公に共感を示す彼が、いかにその閉塞感から脱却したのか語ってくれた。

30日スタートのMBS/TBSドラマイズム枠で放送されるドラマ『スカム』に主演する杉野遥亮 (C)ORICON NewS inc.

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 同作はルポライター・鈴木大介氏が巨大犯罪・振り込め詐欺に従事する若者たちの実態を取材した『老人喰い』が原案。社会から見放され、絶望的な状況に追い込まれた若者たちが、振り込め詐欺に手を染めていく様を描いた社会派詐欺エンターテインメント。 主人公の草野誠実(杉野)は順風満帆な勝ち組人生から一転し、新卒切りによって無職となり時を同じくして発覚した難病の父の治療費を稼ぐため、振り込め詐欺に手を染めることとなる…。

 「社会への閉塞感やうっぷんが原因だったり、世代間格差だったり…。自分にもわかるし、自分も学生時代、なにかに縛られている感覚、窮屈に思っていた時期もあったのでベースの部分で共感できたことが大きかった」と理解を示す。

 そして社会から見捨てられた誠実ら若者たちが“詐欺”という道で活路を開き、皮肉にも輝き出していく様を生き生きと熱演した。「誠実は苦悩しながら詐欺をやっているときにはキラキラしてみえる。それは、自分が自分らしく生きていく、やりがいや希望の光をみつけていくから。そこで起こった誠実の表情の変化が表現できていればいいな」。

■迷いながら過ごした学生時代 芸能界入りは「自分なりには正解だった」

 そんな誠実のように、杉野自身も閉塞感を抜け出した経験を持つ。「中学の頃からひたすら勉強、スポーツもやりそのなかでひたすら上を目指す…。すごく志高くやっていたんです。高校受験に成功した後に、今は目の前のことを精一杯やっているけど長い目で見た時に自分はなにに向かっているんだろうと、そう思った時から窮屈に感じ始めた。授業を受けていてもそれが実際に自分にどう糧になっていくんだろう、と考え始めると学校もサボっちゃったりすることもありました」と“優等生”である自分に迷いが生まれた。

 そんななか2015年に『第12回FINEBOYS専属モデルオーディション』でグランプリを獲得し芸能界入り。「大学時代に自分のやりたいことってどういうことなのかな、目標って本当にこれなのかなと思っていくなかで、この世界に入ったきっかけでもありますが、一歩なにか踏み込んでみる、自分を探してみる…じゃないですけど元々オーデションに応募したことも含めて、自分なりには正解だったと思います」。

 もし、不条理な目に遭ったとしたら「流されちゃうタイプ」だからこそ、誠実に共感できた、という杉野。だが「今この世界のなかだと立ち向かうことができるな、と思います。自分が楽しんでやっていけているし、自分らしく表現できている」と自信を持っている。

 「その時(学生時代)とは別の意味で先が見えないというのは、正解。日々、疑問を持つことが減りました。今、目の前にあることは明確な希望となって、いつか現れるはずだ、山に登れるんだという感覚があります」と確かな手応えを覚えた。

■デビューから4年で掴んだ連ドラ初主演「向上心につながる出会いだった」

 今作でデビューから4年での連ドラ初主演。順調なステップを踏んでいるが「早いとかやっと、というのはなく、今はすごくワクワクしている」と昂揚感は抑えられない。当初は『座長』と呼ばれることも慣れず恥ずかしがったが…。「慣れないです。僕に対しての『座長』って茶化している感じ(笑)。なので『やめてくださいよ!(笑)』みたいな反応しかできず…」と初々しさをみせる場面も。

 「ただ、いざ、クランクインすると“小林組”のなかに入れてもらったという感覚で、各セクションがプロの仕事をしつつ、いいものを求めていく空気が自然とありました。自分も誠実をより魅力的に演じようと常も模索し続けることができました。撮影が終わった後、スタッフもキャストも続編ありきのような話になったりしたので、うれしい気持ちになりました」と達成感をにじませた。

 “主演”を背負うことに関しては「プレッシャーはそんなになかった」。「“主演”の肩書よりも出演している皆さんのお芝居を見られるし会話できる、長く現場にいることができるので監督やスタッフさんと濃密に時間を過ごせることがラッキーでした。全体でいろいろなシーンを見ているから俯瞰(ふかん)でどんなイメージをもって、どうお芝居するか違った面からアプローチできる」と糧にする。

 小林勇貴監督や前野朋哉山本舞香和田正人ら芸達者たちとの芝居には「めちゃくちゃ刺激を受けました。今後、いろんな作品をやるにしろ、向上心につながる出会いだった。今は現場に戻りたいという気持ち。“ロス”なんですかね。それだけ自分のなかで芽生えた瞬間はいっぱいあった。燃え尽きた、というより、早くなにかをしたい、現場に入りたい、また続編をやりたい。前向きな気持ちです」とこれからの出会いに胸を膨らませる。今回は役柄で言えば“黒”。何色にも染まれる可能性を秘め、今後もさまざまな作品で活躍をみせてくれそうだ。

 30日から毎週日曜深夜0時50分よりMBSにて、7月2日から毎週火曜深夜1時28分よりTBSで放送スタート。※MBSでの初回放送は深夜1時50分から放送

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  • 30日スタートのMBS/TBSドラマイズム枠で放送されるドラマ『スカム』に主演する杉野遥亮 (C)ORICON NewS inc.
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