矢部太郎、『大家さんと僕』ブレイクとこれから「新たな気持ちですべてできたら…」

 お笑い芸人・カラテカ矢部太郎によるフィクション『大家さんと僕』シリーズの番外編的な一冊『「大家さんと僕」と僕』が、きょう26日に発売される。一昨年の10月に発売されて以降、一気に反響が広がり、一躍“大ヒット漫画家”となった矢部に独占インタビューを敢行。『大家さんと僕』のブレイクから、自身の今後の活動などに迫った。

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 矢部と大家のおばあさんとの交流を描いた『大家さんと僕』は、心温まるエピソードが「ほっこりする」と話題を呼び、ロングセールスを記録。昨年4月には芸人として初、プロの漫画家以外でも初となる朝日新聞社主催『手塚治虫文化賞 短編賞』を受賞した。版を重ねていき、今月21日現在、78万4000部となっている。

 その番外編にあたる今作では、特別カラー描き下ろしの漫画からスタート。その後は「矢部太郎のまんが道」と題したロングインタビューが掲載されている。その中では、当初の大家さんのキャラクター設定や、「研究」と書かれたノートの存在など、創作活動の秘密も明かされている。「ギャグ漫画を描こうとしているのに、そんなに真面目にやっていたなんて、ちょっと恥ずかしいですよね」と照れながら頭をかいた。

 これまで“ひとり”で漫画を描いてきたが、アシスタントを採用しようと考えたりしたことはなかったのだろうか。「描くのが楽しいから、自分で描こうと思っちゃって。あとは、身の丈に合った絵柄を描いているからだと思います。『キングダム』みたいに8万の軍勢とかも出てこないですから(笑)」。『大家さんと僕』の発売以降、さまざまな場へ活動の幅も広がったが、今回の1冊にはその足跡もまとめられている。

 「本を出したことをきっかけに、いろんな仕事をさせていただいたりして、何かほとんど初めてのことばっかりで、よくやってきたなと思いますね。漫画もちろん初めてでしたけど、それについてインタビューを受けたり、授賞式でスピーチすることも初めてで、その場その場で一生懸命やってきて、それがいつの間にかまとまって1冊になったなという感じです(笑)。雑誌やテレビなどで描いた漫画も、この本にまとまって掲載されているので、この形で読んでもらえるってありがたいなと。自分のインタビューなどの活字は恥ずかしいですけど、漫画だったら素直に読めます(笑)」

 寄稿のページには、ちばてつや氏、里中満智子氏、秋本治氏といった漫画界の巨匠がズラリと並んでいるが「いやー本当にこんな機会なんてめったにないから、ダメ元で依頼させて頂いたらみなさん快く受けて下さり、その上、すごくステキなものを書いて下さって…。それぞれのタッチで大家さんを描いて下さったことにも感激でした」と恐縮。寄稿の中には、おぎやはぎの矢作兼の名前もあるが「実はほぼ同期で、同じネタ番組で勝ち抜いてきて、その後もお世話になっていて。それで、漫画が出た時にテレビ局で偶然お会いして、漫画をお渡ししていたので、ぜひコメントして頂けたらと思いました。すごく温かいメッセージを下さって、こんな風に思ってくださっていたんだ…と感動してしまいました」。

 7月25日には、1巻の発売前後のことから、大家さんとの別れまでが描かれた続編『大家さんと僕 これから』を発売するが「描きたかったものを全部描いたかなという感じがしています。全部描ききったかな」と胸を張る。『大家さんと僕』には、相方の入江慎也も登場しているが(入江は6月頭に吉本興業と契約解消となった)、今の心境について質問をしてみると「そうですね…ほかの芸人さんもいらっしゃることなので、何とも言えないですね」と悩みながら、ゆっくりと言葉を紡いでいった。

 「第2巻のテーマが、物事は思った通りにならないからこそ尊いなというもので、今それをものすごく実感しています。入江くんのことをいつか漫画という形で描きたいなという思いや、いろんな気持ちがありますけども、今はただ、目の前のことを自分なりに乗り越えていきたいなという気持ちが大きいです。これから、いろんなことに挑戦していきたいです」

 今後の“芸人”としての活動については「もちろん、続けたいと思います。ただ、ピンネタはやらないと思いますね。1回ひとりで劇場出て、フリートークをしたことがあったのですが、途中から何もできなくなっちゃって…(笑)。袖を見たら(キングコングの)西野亮廣くんがいたので『助けて』って言って、2人でしゃべったんです。だから、西野くんは恩人です」との思いを告白。「本当にこれからスタートという感じはしているので、何でもやりたいなという気がしています。比較的なんでもやりたくないと思っちゃうタイプなんですけど、新たな気持ちですべてできたらいいなという気がしています」と前を見据えていた。

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