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総額210億円、名器「ストラディヴァリウス」一堂に “世界初”バイオリンの体験型フェス開催

 300年以上にわたりバイオリンなど弦楽器の最高傑作として名高い「ストラディヴァリウス」が、アジアで初めて東京に集結する『東京ストラディヴァリウス フェスティバル 2018』が、今年7月から10月にかけて開催されることが決定し、11日に都内で記者会見が行われた。推定総額210億円、21挺のストラディヴァリウスが一堂に会し、“世界初”の試みとなる「体験型」クラシックフェスティバルの概要が発表された。

(左から)東京藝術大学・澤和樹学長、フェスティバル実行委員長・中澤創太氏、「クレモナ市ヴァイオリン博物館」館長のパオロ・ボディーニ氏 (C)ORICON NewS inc.

(左から)東京藝術大学・澤和樹学長、フェスティバル実行委員長・中澤創太氏、「クレモナ市ヴァイオリン博物館」館長のパオロ・ボディーニ氏 (C)ORICON NewS inc.

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 ストラディヴァリウスは約300年前、イタリア・クレモナの職人アントニオ・ストラディヴァリとその息子らによって製作された弦楽器の総称。今回はアントニオが製作したもののみを集める。バイオリンが特に有名だが、ビオラ・チェロ・ギターも製作されている。完璧な均整の取れた形状と、音色・響きの美しさはバイオリン(および弦楽器)の最高傑作として数世紀にわたり揺るがぬ評価を得ており、その“値段”も高額なことで知られる。

 冒頭あいさつに立った同フェスティバル実行委員長の中澤創太氏は、5年も前から同イベントの準備を進めてきたことを明かし「21本ものストラディヴァリウスを日本に集めるのは不可能だとずっと言われ続けたのですが、さまざまな方の協力でやっと実現に至ったという思いです」と万感の様子。

 続けて、「近年ファンの数も減り、高齢化して“閉じた世界”になりつつあるクラシック音楽を、中心的楽器である『バイオリン』で盛り上げたい。そのシンボルとして一般への知名度もある『ストラディヴァリウス』に注目しました」とフェスティバルにかける思いを打ち明けた。

 フェスティバルは7月よりコンサートや展覧会などなどさまざまなイベントで展開。10月9日から15日までは21挺の楽器が展示される『ストラディヴァリウス 300年目のキセキ展』が、東京・森アーツセンターギャラリーにて開催される。また、10月1日にはサントリーホールで世界的バイオリニスト、マキシム・ヴェンゲーロフが2挺のストラディヴァリウスを弾き比べるコンサートなど、レアなイベントが満載。中澤氏は「楽器にフォーカスしたイベントがこれほどの規模で開催されるのは世界初と言えると思います」と胸を張った。

 記者会見では東京藝術大学の澤和樹学長によるストラディヴァリウスの演奏も披露。マスネ作曲「タイスの瞑想曲」を演奏した澤学長は他のバイオリンとストラディヴァリウスの“音”の違いについて「まるで女王様のような、近寄りがたくすらある高貴さがある」と魅力を語っていた。

 会見にはそのほか、伊「クレモナ市ヴァイオリン博物館」館長のパオロ・ボディーニ氏、駐日イタリア大使ジョルジョ・スタラーチェ氏が出席した。

■『東京ストラディヴァリウス フェスティバル 2018』公式サイト
http://tsf2018.com/

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  • (左から)東京藝術大学・澤和樹学長、フェスティバル実行委員長・中澤創太氏、「クレモナ市ヴァイオリン博物館」館長のパオロ・ボディーニ氏 (C)ORICON NewS inc.
  • フェスティバル実行委員長・中澤創太氏 (C)ORICON NewS inc.
  • 東京藝術大学の澤和樹学長によるストラディヴァリウスの演奏 (C)ORICON NewS inc.
  • 『東京ストラディヴァリウス フェスティバル 2018』記者発表会の模様 (C)ORICON NewS inc.

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