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エレカシ30周年 宮本男泣きの熱唱「どんどん元気になる」

 ロックバンド・エレファントカシマシが17日、さいたまスーパーアリーナで47都道府県ツアーのファイナル『30th ANNIVERSARY TOUR “THE FIGHTING MAN” FINAL』を開催した。21日にデビュー30周年を迎えるエレカシは、3時間10分にキャリア30年を凝縮させた31曲を熱演。アンコールでは宮本浩次(Vo/G)がグッとこみ上げる感情を抑えきれずに男泣きしながら熱唱し、ファンの胸を打った。

30周年記念ツアーファイルで男泣きしたエレファントカシマシの宮本浩次 Photo by 大森克己

30周年記念ツアーファイルで男泣きしたエレファントカシマシの宮本浩次 Photo by 大森克己

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 オープニングはアニバーサリーイヤーを怒とうのごとく駆け抜けてきたエレカシの30周年を振り返る映像が流れ、宮本、石森敏行(G)、高緑成治(B)、冨永義之(Dr)、サポートメンバーのヒラマミキオ(G)、村山潤(Key)、ホーンセクション4人、金原千恵子ストリングスチーム8人を加えた総勢18人によるインスト曲「3210」で幕を開けた。間髪入れずに強烈なエネルギーとスピード感にあふれる「RAINBOW」になだれ込むと、いきなりアクセル全開の宮本が咆哮(ほうこう)し、観客のボルテージを一気に引き上げた。

 自称総合司会の宮本は「ようこそ、エブリバディ! 最高の1日にすべく、みんなに自慢の曲を聴いてもらうべく、総勢何人になりますか…たくさんのメンバーでみんなに最高の歌をお届けしに参りました、エレファントカシマシです。存分に楽しんでくれ」とあいさつ。チケットが完売したことを感謝すると、「俺たちの大事な歌」と紹介した「悲しみの果て」をメンバー4人だけで演奏。続けて宮本がネクタイを外して放り投げ、15歳の時に作ったという「星の砂」を熱唱した。

 おもむろに「1週間ハラハラドキドキで毎日過ごしています」と切り出した宮本は「と言うのも、6月6日にアルバムが出ることが決定しました」とサプライズ発表。割れんばかりの拍手を浴びながら「必死の思いで月火水木金土日…。みんなにいい歌届けたいぜ、ドドドドーン!」と話すと、20年前にリリースした「夢のかけら」「風に吹かれて」を味わい深く聴かせ、これからの季節にぴったりな10年前の曲「桜の花、舞い上がる道を」では、花道を歩きながら歌う宮本が見えなくなるほどの桜吹雪が華やかに舞い上がり、会場は祝祭感に包まれた。

 エレカシは昨年、初めての47都道府県ツアーを成功させ、年末には『NHK紅白歌合戦』に初出場。ここに来て全盛期とも言えそうな充実ぶりを見せている。昨年の活動を振り返った宮本は「ツアーでは我々が考えている以上にみんなが来てくれて。免疫力が上がる体験させていただきまして、どんどん元気になりまして。いいコンサートができてると思います」と感慨深げ。「紅白歌合戦にも出られてとてもうれしかったです」と話すと、紅白でも披露した代表曲「今宵の月のように」を、続けてパンクロックの新曲「Easy Go」をエネルギッシュに初演奏し、さらなる進化を感じさせる新曲にファンは大興奮していた。

 3部構成で行われたライブのクライマックスでは、宮本だけがステージに残り、アコースティックギター弾き語りで「涙」を熱唱。本編最後はメンバーも合流すると、デビューアルバム『THE ELEPHANT KASHIMASHI』の1曲目を飾った「ファイティングマン」で締めくくり。ステージの背景に掲げられたツアーロゴとシンクロするように、大股を開いた宮本の豪快なジャンプでフィニッシュした。

 鳴り止まない喝采はそのままアンコールを求める手拍子に変わり、再びステージに戻ってきた宮本は「予定曲数は終わってるんですけど…全ての養分を使い切ったっていうのもあるんですけど、エビバデ聴いてくれ」と自らを奮い立たせる。ラストナンバーには「今の季節にぴったりだと思います。明るい歌、大好きな歌です」と言う「四月の風」を選んだ。

 レコード会社から契約を打ち切られた失意のなか、96年に「何かが起こりそうな気がする」と信じて作った曲を満員のさいたまスーパーアリーナで熱唱した宮本は、歌い始めてまもなくすると声を震わせ、頬には涙がつたった。タオルで涙をぬぐい、「エビバデ、どーんと行け! 気をつけてな。うまいもん食って帰れよ。いい顔してるぜ!」とファンに呼びかけた51歳の宮本のほうこそ、少年のようにキラキラ輝いたいい顔をしていた。

 終演後には『FUJI ROCK FESTIVAL』(7月27〜29日、新潟・苗場スキー場)に初出演することを告知。6月6日発売の23枚目のアルバムを引っさげ、6月25日からライブハウスツアーをスタートさせることもあわせて発表。31年目も快進撃を続けそうだ。

■『30th ANNIVERSARY TOUR “THE FIGHTING MAN” FINAL』
▽一部
01. 3210
02. RAINBOW
03. 奴隷天国
04. 今はここが真ん中さ!
05. 悲しみの果て
06. 星の砂
07. i am hungry
08. 夢のかけら
09. 風に吹かれて
10. ベイベー明日は俺の夢
11. 昔の侍
12. さらば青春
13. 笑顔の未来へ
14. 桜の花、舞い上がる道を
15. ズレてる方がいい
16. 今を歌え
17. 風と共に
18. ガストロンジャー
19. 俺たちの明日
▽二部
20. 男餓鬼道空っ風
21. この世は最高!
22. RESTART
23. 夢を追う旅人
24. 今宵の月のように
25. Easy Go(新曲)
▽三部
26. あなたのやさしさをオレは何に例えよう
27. so many people
28. 友達がいるのさ
29. 涙
30. ファイティングマン
【アンコール】
31. 四月の風

関連写真

  • 30周年記念ツアーファイルで男泣きしたエレファントカシマシの宮本浩次 Photo by 大森克己
  • さいたまスーパーアリーナで30周年ツアーを締めくくったエレファントカシマシ Photo by 大森克己
  • 桜吹雪が舞い上がるなかで「桜の花、舞い上がる道を」熱唱 Photo by 大森克己
  • さいたまスーパーアリーナで30周年ツアーを締めくくったエレファントカシマシ Photo by 大森克己

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