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『下町ロケット』出演の俳優・瀧川英次のもう一つの顔“赤ペン瀧川”とは?

 第5話で「ロケット編」が完結し、第2部「ガウディ編」も好調なスタートを切ったドラマ『下町ロケット』(TBS系)。今期の民放ドラマNo.1を独走する本作の魅力と言えば、池井戸潤原作作品ならではの敵・味方がわかりやすい構図、そして感情移入しやすいキャラ設定があげられるだろう。第2部でも、佃製作所のライバル企業として憎らしい敵キャラが次々と新登場、その中の一人が俳優・瀧川英次だ。視聴者をイラッとさせる演技で注目される瀧川だが、一方で“赤ペン瀧川”との異名をとるもうひとつの顔も持っている。

俳優・瀧川英次のもう一つの顔、赤ペン瀧川先生 (C)ORICON NewS inc.

俳優・瀧川英次のもう一つの顔、赤ペン瀧川先生 (C)ORICON NewS inc.

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◆爬虫類のような不気味な目つきでインパクト与える 俳優・瀧川英次

 現在37歳の瀧川は、演劇ユニット「七里ガ浜オールスターズ」を主宰し、主に舞台を中心に映画、TVドラマで活動してきたが、ドラマで言えば『相棒seazon13』(テレビ朝日系)最終回にゲスト出演していたことが記憶に新しい。

 前述の『下町ロケット』の「ガウディ編」では、佃製作所に人工心臓弁の製作を発注する、日本クライン製造部企画チーフマネージャー・藤堂保役を演じており、ピッタリと髪を七三に分けた官僚エリート風だが、ときおり爬虫類のような不気味な目つきをするなど、そのインパクトはなかなかのもの。佃製作所に正体不明のパーツ製作を「この仕様と予算で何とか…」と依頼するも、佃製作所技術開発部部長・山崎(安田顕)のアイディア図面を裏で入手するやいなや、「これが新しい設計書と注文書。この予算で出来ないなら、他にできる会社もあるので」と手の平返し。その憎々し気な演技が印象的だったが、先日放映された第7話では、1シーンのみの出演でセリフはいっさいなし。しかし、横目でニヤリとする眼差しは相当に不気味で、多くの視聴者にさらに強いインパクトを与えた。

◆演劇はアルバイト!? 映画界では欠かせない赤ペン先生

 役者としてはほとんど知られてなかったが、本作で確固たる存在感を示した瀧川。そんな彼の“もうひとつの顔”とは、「赤ペン瀧川先生」(なんでも添削家、映画コメンテーター)としての顔である。と言ってもまったくわからない人もいるだろうが、その“芸”の内容を簡単に説明すると…「半袖半ズボンに蝶ネクタイ、大きな赤鉛筆を持った姿で登場。最初に迷惑(エロ)メール添削をしてから、キーワードをスライドショーでテンポよく映し出しながら、プレゼンするように映画解説をする」といったものである。

 イマイチわかりにくいが、早い話が「小ネタとツッコミを入れながら面白おかしく映画を紹介する」ということだ。かつての『エンタの神様』(日本テレビ系)にありそうな“お笑い芸”風でもあり、しいていえば同番組における陣内智則のネタに近いかもしれない。何げなく始めた“エロメール”の添削作業が、自身のブログで紹介してからジワジワと人気が高まり、劇場での“添削ライブ”をするまでにいたり、今では“通”のファンもついた知る人ぞ知る人気エンターテイナーなのである。映画紹介に俳優としての経験談を持ち込むことはほとんどなく、「俺、アルバイトで演劇とかやってるんだ」とネタにするほど。逆に『下町ロケット』の藤堂役があの赤ペン先生だと知って驚くファンもいるというほどだ。

 最近では各種映画イベントにも多数出演し、『東京国際映画祭』には4年連続でMCとして出演するなど、映画界では欠かせない存在になりつつある瀧川。今までは役者と言うよりも、“赤ペン先生”としての活動が目立っており、これまでにいない新しいタイプのコメンテーターとして需要も高まり、TV・ラジオ・イベントなどで引っ張りだこになっている。そしてここにきて『下町ロケット』の怪演により、俳優としてもブレイク寸前。今後は“ネタ先行型”の新型俳優として、大泉洋や「大人計画系」の俳優とはまたひと味違った、オリジナリティあふれる演技を見せてくれるであろう。役者として、また笑いが取れるコメンテーターのニューウェーブとしても、期待が持てそうである。

(文/五目舎)

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