ORICON NEWS

『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015 in EZO』観戦記

 今年も8月14・15日の2日間、北海道・石狩湾新港樽川ふ頭で野外フェス『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015 in EZO』が開催された。7つの特設ステージに約100組のアーティストが出演、時折雨模様の天候ながら、全国からのべ6万5000人のファンが集い、熱く濃い時を過ごした。

【写真】その他の写真を見る


 まずは初日のSUN STAGEにKANA-BOONが登場。初参戦ながらヒット曲を矢継ぎ早に繰り出し、オーディエンスがのめり込む。ギターの音色が冴え渡り、サンステ前は早くもヒートアップ。メンバーもライジングの空気にいち早く馴染み、常連組昇格濃厚とみた。

 BIGMAMA、米津玄師らが次々ステージに登場する中、defgarageの二番手に登場したの札幌在住の5人組ガールズバンドDrop's。リハーサルから「かわいい」の声がとびかっていたが、ひとたびプレイが始まると「カッコイイ!」の声に変わる。成長株として眼を見張る存在であることを見せつけた。

 この日は、解散が決まりこれが最後の夏フェスとなるPE'Zや初参戦の佐野元春&THE COYOTE BAND、復活なったREBECCAからNOKKOと土橋安騎夫が、と話題のグループが目白押し。オーディエンスを悩ませる。メンバー急病により急遽出演キャンセルとなったユニコーンからは、ABEDONと奥田民生がABEDON+OT(fromユニコーン)として登場。雨の中サンステを沸かせる一方、RED STAR FIELDでは佐野元春〜が、往年のファンから若い世代までが詰めかけるなか反戦のメッセージをこめたパフォーマンスで訴えかけ、「サムデイ」から続く「約束の橋」「アンジェリーナ」の3曲は大合唱となる感動的シーンも。

 defgarageでは夜の本気ダンスがフルテンションで観客を躍らせて、EARTH TENTでは変わらぬNOKKOの歌声が響いたかと思えば、SCOOBIE DOがMCを務めるFRIDAY NIGHT SESSIONにレキシや福原美穂に混じって、スペシャルゲストとしてつのだ☆ひろが登場。ミラーボールの灯りと「メリー・ジェーン」が夜空にこだまして初日が終了した。

 2日目は今年初となる地元の中学校の吹奏楽部の出演があったが、そこはやはりライジング。ちゃんとスカパラのメンバーが加わりコラボ、中学生達にも思い出深いステージになったに違いない。クリープハイプ、RIZEなど他のステージにも顔出しする芸達者な常連のステージが続いたが、RIZEはパフォーマンスのしめくくりに「ロックバンドでした」と一言、自らの存在を誇示したのが印象的だった。

 この日もキュウソネコカミ、聖飢魔II、怒髪天、ザ・クロマニヨンズら濃いパフォーマンスがそこかしこで炸裂する。ひと際異彩を放ったのが安全地帯。DJプレイでスタートし、玉置の妻でもある青田典子と藤原理恵の二人による元C.C.ガールズをバックダンサーに従え「じれったい」「悲しみにさよなら」を披露。アンコールで「田園」を弾き語るとアカペラで「夏の終わりのハーモニー」を歌い去って行った。短時間ながら強烈なインパクトを残したことは間違いない。もう一人defgarageに登場した夏木マリ。大人の魅力全開でセクシーかつパワフルなロックをがんがん浴びせ、オーディエンスをくぎ付けに。そのカッコよさには脱帽。

 夜も更けて「徹子の部屋」ならぬ「民生の部屋」がサンステで繰り広げられ、直前までサンステを務めたPerfumeや松崎しげる、トータス松本をゲストに迎え、まったりとした時間が流れる。ライジングでよもや「愛のメモリー」が、それもサンステで流れようとは誰が想像しただろう。一番奥のボヘミアンガーデンでは昨年ライジングデビューを果たしたT字路sが今年も独特の声で楽しませ、レインボーシャングリラではTOWA TEI、TAKKYU ISHINOらによるDJプレイが沸かせている。

 日付が変わってメーンのサンステにはback numberが登場しひとときメロディーに浸る。そして迎えるオオトリは10-FEET。毎年この会場にきて、いつかはオオトリが夢だったという彼らが存分に暴れまわり、朝日こそ雲の向こうに隠れたままながら、いつしか白々と夜が明け熱く燃えたフェスは果てた。

 今年で17回目を数えるわけだが、年々家族連れの姿も増し、フェス馴れしたオーディエンスが増えてきた。それだけ自由にこの空間を楽しむすべを身につけてきているというわけだ。そして毎年ここで世代を超えて音楽を楽しむ時間と空間を共有するという、得難い経験を積むことになる。ファンと共に成長し続けるフェスの行く末を見守りたい。
(音楽ジャーナリスト 内記 章)

<RSR2015入場者数:主催者発表>
8/14(金) 30,000人
8/15(土) 35,000人
延べ  65,000人

関連写真

  • KANA-BOON
  • 佐野元春&THE COYOTE BAND
  • 夜の本気ダンス
  • 『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015 in EZO』に出現したパトレイバー
  • 『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015 in EZO』
  • 『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015 in EZO』サンステージ
  • 『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015 in EZO』アーステント
  • 『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015 in EZO』ヘヴンズゲート
  • 『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015 in EZO』レッドスターフィールド

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索