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電子チケットにICカード連携の動き

 7月8日〜10日の3日間で開催された、『第2回ライブ&イベント産業展』では、超高画質対応の大型モニターやVR技術を使用したライブ配信などの新技術に加えて、電子チケット分野ではICカードチケットの新たな動きが見られた。

7月に京都で行われた音楽フェス「京都大作戦2015」で実施されたICカードチケット。写真は入場時の様子

7月に京都で行われた音楽フェス「京都大作戦2015」で実施されたICカードチケット。写真は入場時の様子

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■周辺地域を巻き込んだソリューションも生む

 昨今、急速に利用機会が増加している電子チケット市場において、ICカードやリストバンドに、チケット機能とプリペイド機能を内包させる新たな動きが見られている。早くから電子チケットに取り組み、ビジネスを拡大させているエブリィ・エンタテインメントは、本年7月に京都で行われた10-FEET主催フェス「京都大作戦2015」で、同様のサービスを実施。来場者からも「買い物が楽」、「便利」と好評価を得たという。

 同公演では、リクルートライフスタイルが提供するリクルートIDと連動したウォレット決済サービス『リクルートかんたん支払い』と、エブリィ・エンタテインメントが提供するチケット購入サイト「Ticket Every!」を連携させて、チケット購入者にクレジット決済もできるICカードチケットを送付。当日はカードを専用端末にかざすだけで来場でき、グッズ購入や飲食の支払いもキャッシュレスでできるようにした。

「会場では、リクルートライフスタイル様のご協力のもと、タブレットやスマートフォンを使用した、簡易かつ高機能なPOSレジアプリ“Air レジ”システムを使用し、「じゃらん」や「ホットペッパー」などで利用されているリクルートポイントも使えるようにしました。事前にキャッシュレス登録をしていただいたユーザーには600ポイント(=600円分相当)を付与しましたが、こうしたポイントサービスもとても好評でした」(エブリィ・エンタテインメント取締役 マーケティング部 部長 中野智人氏)

 エブリィ・エンタテインメントは、アーティストの次世代型ファンクラブ運営管理業務やチケッティング業務を行っており、ファンクラブ会員証のICカード化も進めている。

ももいろクローバーZSEKAI NO OWARIポルノグラフィティなどで導入していただいています。ライブ会場で専用端末にカードをかざすだけでファンクラブ会員継続が完了できるなどの簡易さからもご評価いただけていると思っています」

 これを、「京都大作戦2015」ではICカードチケットとして応用した。決済システムについては、リクルートの“Air レジ”を採用したことで、予め、グッズ売場や飲食店に専用タブレット端末を置いてもらうだけという導入の簡易さもあり、多くの売場で対応させることができた。

「買いやすさもあり、1人あたりの購入額も上がります。オペレーションに関しても、ほぼ問題なく実施できました。今後、会場周辺の店舗にも“Air レジ”対応のタブレットを置いていただくことができれば、周辺地域を巻き込んだソリューションも生み出すことができると思います。フェスなどでは地域活性にも貢献できると考えています」

 こうしたサービスの利点は、カード1枚で会場物販から飲食まで支払いを済ませることができ、さらに主催者側はそれらのデータから消費動向等の分析ができる点にある。周辺のショップなどでもICカードチケットでの決済ができるようになれば、より詳細なユーザーの傾向を知ることができ、グッズ開発やその他、新規サービスの企画にも繋がるだろう。

 同社では、電子チケットおよび、ペーパーチケットにQRコードを付けることで利用できる当日発券システムでも事業を拡大させており、当然、今回のようなICカードチケットでも利用可能だ。

「今回のICカードチケットは新たな選択肢の1つ」と中野氏は語る。ビジネス活用の可能性を急速に広げるライブチケット関連の動向に引き続き注目したい。

(ORIGINAL CONFIDENCE 15年8月10日号掲載)

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  • 7月に京都で行われた音楽フェス「京都大作戦2015」で実施されたICカードチケット。写真は入場時の様子
  • ICカード1枚で、入場から商品購入まで可能(写真)

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