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海外からも続々日本進出 加熱する“氷菓子商戦”の勝者は?

 いよいよ本格的なサマーシーズンを迎え、各社さまざまな新作の氷菓子を展開。照りつける太陽以上に加熱するのが“氷菓子商戦”だ。先ごろ日本初上陸を果たした『ICE MONSTER』などを筆頭に、新たな食感を求めて各社しのぎを削っているが、その商品開発は決して一朝一夕ではない。昨年、夏限定商品として発売された「コットンスノーキャンディ」が320万食以上売上げ大ヒットを記録した『ミスタードーナツ』商品開発部・吉田安幸氏に、新食感スイーツ誕生までの“生みの苦しみ”を聞いた。

ミスタードーナツ商品開発部・吉田安幸氏

ミスタードーナツ商品開発部・吉田安幸氏

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■「ミスドは夏に弱い」の定説を打開するために生み出された新食感スイーツ

――昨年発売した、新食感スイーツ『コットンスノーキャンディ』が、320万食以上を売り上げる大ヒットを記録しました。
【吉田】おかげさまで、『ミスタードーナツ』の氷菓子としては大変ご好評を得ることが出来たと思います。弊社の商品といえば、100円〜200円が主なので、500円を超える高価格帯の『コットンスノーキャンディ』がここまでご支持を受けたことは正直驚いています。

――ヒットの最大の要因はどこにあったと思いますか?
【吉田】ひとつは、やはり“新規性”だったと思います。私どもは「氷でもない、アイスでもない」と謳っているのですが、今まで見たこともないような商品を提供出来たことが大きかったです。あとは、昨年かき氷ブームが来ていたので、そこに上手く乗ることが出来たことも要因だったと思います。

――確かに「わた雪」のように口の中でふわっとトロける食感がこれまでの氷菓子にはなかったものです。ただ、商品化するにはそれ相当な苦労があったことは想像に難くないです。
【吉田】色々ありましたね(しみじみ)。一番苦労したのは、冷たいままで、かつ食感を保ったままお客様に届ける点でした。そのためには、原材料の問題から、製造機械の問題、店員の育成など、さまざまな面で根本的な見直しがありました。

――注文を受けてから1個ずつの手作業。さらに削ったアイスにシロップをかけるという、これまでの手法ではなく「味が付いたアイス」を専用機械で削るということからも、その独自性は見て取れます。
【吉田】ありがとうございます。「味が付いたアイス」を削るというのは、独特な食感を損ねないことはもちろんですが、少しでも早くお客様に提供するための、時間効率という点でも重要でした。

――毎年、夏に向けて様々な新商品を各社展開しますが、やはりドーナツを主力とする御社から、“定番”となり得る氷菓子商品を生み出す、エンドユーザーに認識させるのは悲願だったのでは?
【吉田】仰るように、弊社と言えばやはり「ドーナツ」のイメージが当然あると思います。夏場にかけては、やはりドーナツの売り上げも若干下がりますので、弊社としても夏場の主力商品という部分はネックでした。これまでにもかき氷はもちろん、フラッペや氷ドリンクなど、さまざまな氷菓子商品を毎年展開してきましたが、やはり爆発的なヒットというところまでには至らなかったのは事実です。

――そこで、根本的な見直しを図ったと?
【吉田】はい。上層部からは「キラーアイテムを生み出しなさい」という指示が下ったので、そこで見出したのがコットンスノーキャンディだったんです。本音を言えば、やはりドーナツを絡めた夏の商品を作りたかったという思いのあるのですが(笑)、それは今年発表した「ミスターサマードーナツ」(※ 同社初の夏専用ドーナツ)で叶えることができたので良かったです。

■1000〜1500円が相場のアイスには負けない

――そう考えると、これまでの取組みが“地続き”な印象もありますね。過去発表してきた氷菓子の経験、反省点を活かして作られたのが『コットンスノーキャンディ』。そして今年、悲願だった夏専用ドーナツに至る。
【吉田】そうですね。これまで培ってきたプロセスは確実に活かされていると思います。ただ、今まで作ってきた商品ではこれ以上の伸び代がないと思ったのも事実で、ある意味“逸脱した商品”が必要だったんです。それが「コットンスノーキャンディ」だった。「出来ない」で始まったら進まないので、「どうやったら出来るか」を各部署が模索しながら進めていった結果と言えるでしょう。

――『ミスタードーナツ』の本気がコットンスノーキャンディに集約されていたんですね。ただ最近では、同じように食感を楽しむ『ICE MONSTER』が日本に上陸するなど、ライバルの追従の厳しいものがありますよね。
【吉田】そうですね(笑)。追従があるのは致し方ないことですが、私どもは総店舗1300店のスケールメリットから裏打ちされた、“成功と失敗”の事例を数多く持っていますので、さらにその先を行くことが出来るのでは? と考えています。

――「コットンスノーキャンディ」は税込みで561円からと御社の中では高額ですが、他社を見ると1000〜1500円が相場。そう考えると、決して高くないですね。
【吉田】原材料を仕入れる際に、海外の取引先と何度も交渉をさせて頂きました。普通ならやはり1000円を超えてしまうんです。ですが、粘り強く交渉した結果、なんとか現在の値段で抑えることが出来ました。本当に高品質な商品を、お手ごろな価格で提供する。ただし、付加価値も十分に備えた商品を食べて頂きたいんです。例えば、マンゴーやイチゴの量も多いです。それは私自身が欲張りだからということもあるのですが(笑)。

――常にエンドユーザーの視点を忘れずに商品開発を行った結果だったと。昨年の「コットンスノーキャンディ」、そして今年は初の夏用ドーナツ「ミスターサマードーナツ」が夏の主力商品として期待されます。ちなみに、来年の展開も言える範囲で教えて頂ければ(笑)。
【吉田】うーん……難しいですね(笑)。現状で発表できることはないのですが、やはり“捻った”商品、見た瞬間ビックリするような商品を発表したいと考えています!

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  • ミスタードーナツ商品開発部・吉田安幸氏
  • わた雪のような食感を実現させた「コットンスノーキャンディ」
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