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オクトーバーフェスト人気が後押し 若者に支持される個性派ビール

 日本でもすっかり定番となった、ドイツビールの祭典「オクトーバーフェスト」。今年もお台場で幕を開け、都内を中心にしながらも東北や関西でも開催される。若者のビール離れと言われる昨今だが、同イベントは20〜30代を中心に大きな盛り上がりを見せ、昨年度は約60万人もの動員を記録。個性派ビールをイベント感覚で味わうという、この“新しいビールの楽しみ方”は、大手メーカーも続々と発売しているクラフトビールにも波及している。

本場ドイツで行われているオクトーバーフェストの様子(Obst / PIXTA)

本場ドイツで行われているオクトーバーフェストの様子(Obst / PIXTA)

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◆オクトーバーフェストで新たなビールの味を知る若者続出

 オクトーバーフェストとはドイツのバイエルン州ミュンヘン市で開催されている世界一のビール祭りのこと。日本では各地で小規模なイベントが催されていたが、現在の盛り上がりのきっかけとなったのは、2003年5月に行われた「ジャーマンフェスト」と10月に横浜・赤レンガ倉庫で行われた「オクトーバーフェスト」だと言われている。以降、開催期間や開催地等が拡大されており、知名度上昇に伴って動員数も上昇した。

 ビールは醸造方法によってエール系とラガー系にわけられ、さらにその下で細分化されている。この種類の豊富さはビールの魅力のひとつであるが、日本ではこれまで「ラガー系のピルスナー」が圧倒的に多く、それ以外のビールに触れる機会が少なかった。しかし、オクトーバーフェスト人気や、再燃した地ビール人気により、さまざまなビールを知る機会が増加。コンビニエンスストア等で展開されている大手メーカーのクラフトビールもまた、若者ビールファン拡大の足掛かりとなっている。

◆クラフトビールに力を入れる大手メーカーの中にも“個性の波”が

 特に、コンビニエンスストアで展開されているクラフトビールの数々は、飲用機会の増加や飲用シーンの多様化に貢献。2012年よりシリーズ展開を開始し、現在は上質な苦みと深みのある香りが特徴の『グランドキリン』、ホップの華やかな香りが特徴の『グランドキリン ジ・アロマ』、甘く香ばしく薫る麦が特徴の『グランドキリン ビタースウィート』(セブン-イレブン限定)の3種類を発売しているキリンビールの「グランドキリン」シリーズは、2014年販売数量が対前年比約6割増で着地するなど好調だ。同社が行った飲用率調査によると、20代男女の支持が拡大しており、「独創性や個性を期待する、クラフトビールに興味がある層からの支持を獲得している」(同社)という。

 クラフトビールと一口に言っても各社商品のアプローチ方法はさまざまだ。サントリーが今年3月より発売を開始した「ザ・プレミアム・モルツ」ブランド最上位の深いコクが楽しめる『〜ザ・プレミアム・モルツ〜マスターズドリーム』は、パッケージデザインも上質・高級感を演出。アサヒビールが同3月より展開している爽やかな香りを楽しめる『アサヒ クラフトマンシップ ドライペールエール』はパッケージにレーダーチャートを取り入れて味の特徴をわかりやすく訴求。前述の『グランドキリン』は“醸造家の自由な発想”から生まれた個性豊かな風味とグッドデザイン賞を受賞した現代的なパッケージが、若者世代からも支持されているという。このようなカラーの違いもまた、消費者側の好奇心をくすぐっている。

 ラガー系の味に慣れ親しんでいる中高年と比べるとビールに対する先入観が低い若者世代にとって、昨今のクラフトビールブームは、“刺激体験”の一種でもある。イベント開催地が遠い、地ビールを注文するのが面倒、飲みたい時に飲めない…という問題をコンビニエンスストアに並ぶ各社の商品が解消したことで、クラフトビール人気は全国で定着していくかもしれない。

関連写真

  • 本場ドイツで行われているオクトーバーフェストの様子(Obst / PIXTA)
  • キリンビールの『グランドキリン』シリーズ
  • サントリーの『〜ザ・プレミアム・モルツ〜マスターズドリーム』
  • アサヒビールの『アサヒ クラフトマンシップ』

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