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アマゾンのキーパーソンが来日、ビデオ配信サービスの背景とは

 Amazon.co.jpが、音楽配信サービス「Amazon MP3」に続き、日本国内の映像配信市場への本格参入となる、新サービス「Amazonインスタント・ビデオ」ストアを開始した。同サービスのオープンを機に、同社デジタル配信部門のキーパーソン、ビル・カー氏が来日。国内メディアに向けて、今後の展望を語った。

■デバイスに固定されないサービスを目指すアマゾン

 アマゾンは13年11月26日より映像配信サービス「Amazon インスタント・ビデオ」ストアをオープン。ハリウッドメジャー作品や米国ドラマのほか、東宝や松竹などの国内映画会社や、テレビ朝日、TBSなどの、計2万6000本(オープン時)を超えるドラマやアニメ作品の配信を開始した。ユーザーはHD(高画質)コンテンツなども選択でき、レンタルならば100円から、購入の場合は1000円から利用できる。

 米アマゾンでは、「〜インスタント・ビデオ」は06年より、また「〜MP3」は07年よりサービスを開始。従来のEコマース事業との両輪で、順調にデジタルコンテンツの売上も伸ばしてきた。日本でのサービス開始にあたり、音楽・映像配信部門のトップでもあるビル・カー氏(Amazon.com デジタルミュージック&ビデオ部門 バイス・プレジデント)が来日。国内における今後の同事業の展望を語った。

「当社ではカスタマーエクスペリエンスをもっとも重視しています。米国でのサービス開始から時間が空いてしまったのも、ハード・ソフトともに、環境が整うのを待った結果です。Kindle Fireの発売開始や、取扱いコンテンツ数など、満足のいく状況となったことで、このタイミングでのサービス開始となりました」

 ビル氏は、同社の利点として、(1)デバイスに固定されない、(2)幅広いセレクション、(3)視聴環境の充実化を挙げた。については、13年12月には「〜インスタント・ビデオ」のiOSへの対応を発表。(2)の「セレクション」については米国で10年に設立し、順調に成長を続る“Amazon Studio”の成果を強調する。

「“Amazon Storyteller”という、映画制作者の創作活動や作品の配信を支援する仕組みもできました。すでにパイロット版が配信され、その後、TV放送が決定した例もあります」

 今後は、映画・TVドラマ、さらに幼児向け作品など、幅広いジャンルの作品を送り出していくという。また、(3)「視聴環境」については「映像のハイクオリティ化と、セカンドスクリーン機能の充実」を挙げた。

■発展の余地を残すデジタルビデオ市場

 日本国内のデジタル配信市場がアメリカ本土ほどに広がっていない状況に関しては、売上の現状や、戦略の詳細についての明言は避けたものの、デジタル音楽ロッカーサービス「Cloud Player」の機能の充実や、CD購入時にMP3音源を無料で提供する「AutoRip」等の機能の追加などをアピール。「会員数・成長率ともに満足している」とコメントした。

 加えて、DVD・BDの販売数に比して、デジタルビデオサービスの市場規模が小さい点も指摘し、「現在の市場を見る限り、日本でのデジタルビデオ市場には、まだまだ発展の余地が大きくある」と期待する。

 一方で、国内のコンテンツホルダーにとって、アマゾンとのパートナーシップには、日本国外のアマゾンストアへ自社作品を送り出せる可能性を秘めている点も魅力だろう。国外への配信については未定としつつも、「当社のゴールも、お預かりしたコンテンツを全アマゾンストアで扱えるようにすること。今後の重要な検討課題のひとつ」とした。14年以降の国内の音楽・映像配信市場は競争の激化が予測できる。同社の動向も大いに注目される。(ORIGINAL CONFIDENCE 14年1月13日号掲載)



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  • ビル・カー氏(Amazon.com デジタルミュージック&ビデオ部門 バイス・プレジデント)/99年、Amazon.com入社。現在、世界各国における音楽配信および映像配信のビジネスを管掌
  • アマゾンのデジタル配信サービス「Amazon インスタント・ビデオ」。計2万6000本を超えるドラマやアニメ作品を配信(オープン時)。レンタルは100円から利用可能。購入は1000円から販売

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