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映画『ベルセルク』はどこを目指していくのか〜窪岡俊之(監督)×島田明(白泉社編集者)【後編】

 公開中の劇場アニメ『ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵』の窪岡俊之監督と、原作者・三浦建太郎氏の担当編集者、島田明氏に聞く。

映画『ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵』ポスター(C)三浦建太郎(スタジオ我画)・白泉社/BERSERK FILM PARTNERS

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――連載開始から22年も読者を惹きつけてきた原作漫画。そのダークな世界観の魅力とは?

窪岡:自惚れたり、卑下したり、あるいは他人を妬んだり、見下したり、人間が持っているダークサイドな感情から目を背けていない。むしろ、積極的に描こうとすらしている、思い切りの良さが気持ちいいなって思いましたね。

島田:『ベルセルク』は連載開始が20年以上も前で、しかも当時と同じテンションで描き続けている。昭和生まれの当時の中学生たちにガッツカッコいい、グリフィスすごいと支持されて、今日まで至っているけれど、平成生まれの今の中学生、高校生たちがどう受け止めるか、受け入れてくれるのか、すごく気になりますよね。

窪岡:今、ソフトで薄口なものが増えていますからね。日常系といいますか、半径3mの世界というか。『べルセルク』の世界観は壮大すぎるくらいで、対極にある感じ。

島田:進化の過程と考えれば、もはや、恐竜みたいなものですよね(笑)。日常系の作品もいいけど、たまにはハードで、重くて、デカイもの食らうのも新しい刺激になっていいんじゃないかな。たぶん『べルセルク』のような作品を、ゼロから新たに生み出すというのは今の時代、難しいと思うんですよね。「こんなに面白い話があったんだ」と再発見してもらえたら十分です。

窪岡:映像面では「ここまでダイナミックな作品は見たことがない」と言ってもらえるように、スタッフ一丸となって制作してきました。数千の人馬が入り乱れる合戦シーンなど、かなりCGの力を借りています。キャラクターの顔や手の表情を繊細に表現するには2Dの作画が勝るけれど、3DCGでなければ描けない面白さもある。より自然な2Dと3Dのハイブリッド映像の実現を目指したチャンレジを含めて、原作の世界観の映像化に挑みました。

島田:パート2以降はもっと、原作の世界観を映像化すべく、業界の常識を打ち破る新たな表現領域にまで踏み込んで、精一杯面白いと思うものを期待しています。

 <ベルセルク・サーガプロジェクト>第1弾は、『黄金時代篇I 覇王の卵』(公開中)に続いて、『黄金時代篇II ドルドレイ攻略』(6月23日公開)、第3部『黄金時代篇III 降臨』(2012年冬公開)が年内に一挙公開される。

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  • 映画『ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵』ポスター(C)三浦建太郎(スタジオ我画)・白泉社/BERSERK FILM PARTNERS
  • 映画『ベルセルク』の窪岡俊之監督(左)と白泉社の編集者・島田明氏 (C)ORICON DD inc.

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