ORICON STYLE

2005年04月06日
“素のマライア”のスピリットがこめられた『MIMI』


──今作で10枚目。10という数字に特別な意味はある?
【マライア】 ええ。非常に意義があると思うわ。10枚かかって、ようやくわたしは自分の思い通りにアルバムを作ることができたの。“これがわたしよ!”と自信をもって差し出せるアルバムをね。特に女性のファンには、このアルバムが含んでいる自由を感じて欲しいな。シングルの「イッツ・ライク・ザット」がいい例だけど、クラブに行くためにばっちりメイクして、お気に入りのドレスを身につけて、自分に“It's my night!(今夜の主役はわたしよ!)”って歌い聞かせてる感じね。そういう楽しい曲なのよ。人生を最大限に楽しまなければという前向きな興奮、とでも言うのかしら。それがアルバム全体を包むスピリットなの。耳を澄ませてもらえば、楽しくて、ハッピーで、いいヴァイブが伝わると思うの。それは全て、今のわたしの気分を反映しているのよ。

──今回関わったプロデューサー、じゃなくて、絶対人任せにしないあなたとの“共同”プロデューサー、カニエ・ウェスト、ネプチューンズのファレルたちについてですが……
【マライア】 しょうがないんだろうけど、わたしのプロデューサー/ソングライターという側面はイマイチ見過ごされちゃってるわ(笑)。マスコミが男性に支配されてるせいよ(笑)。“この曲はどんな風にして作ったんですか?”なんて質問は滅多にないわ。知りたいのはスキャンダルやゴシップで、音楽とは全然関係ないことばかり。結局は“女”って部分なのよ。男性ならこんな誤解をされることはないわ。例えばファレルだって、ラッパー兼プロデューサーで、それが普通だと思われてるでしょ? しかもイケメンなのに、誰も“ヘえ、彼ってプロデュースもするんだ”なんて驚いたりはしないし……。プロデュースはわたしにとってすごく大切な作業だから、スタジオでも人の勝手にはさせないの。ヴォーカルを録る時は共同プロデューサーは入室禁止なのよ。だから、彼らとは本当に純粋な意味でのコラボレーションなのよ。カニエとは以前から一緒にやりたいと思っていたし、ネプチューンズのファレルとは前から親しい友人だったの。ジャーメイン(・デュプリ)ともミュージシャンとして一緒に成長してきたように感じるわ。



──ゲストMCも、スヌープ・ドッグといいネリーといい口の達者な色男系ですよね。
【マライア】 そうね(笑)。実はネリーのことはそれほどよく知ってるわけじゃないの。でもすごくナイスな人でクールだったわ。スヌープはもう最高よ。大好き! 本当に楽しい人なの。とにかくレイドバックで、一旦ブースに入ればいつも彼のノリでさらっとキメてくれるし。コラボするのも今回が2度目よ。いえ、ビデオに出てもらったことがあるから、実際には3回目ね。彼はいつもわたしの前ではとっても礼儀正しいわよ(笑)。

──で、今回のラップの使い方を聴いていてすごく面白いと思ったんですが、単にブレイクにラップを入れるんじゃなくて、まるでMCとデュエットするかのようにして、彼らの声をヴォーカルの質感の中に完全に溶け込ませていますよね。
【マライア】 ええ、その通りよ。そうすることが重要だと思ったの。なぜって、やっぱりラッパーの声も単なる添え物ではなくて、アルバムにもうひとつの質感というか層を加えるわけだから。聴き手の耳を捉える要素のひとつとして、曲の一部にしたかったのよ。例えばカニエが参加した「ステイ・ザ・ナイト」とか、いかにもヒップホップ的な成り立ちのトラックを使っていても、やっぱり主役はわたしの声なのよ。前面に押し出されているのはヴォーカルだと思う。だから究極的にはあくまでヴォーカル主導のアルバムよ。いわゆる、カッコいいヒップホップ・トラックの上に適当に歌が乗ってるというんじゃなくて、たっぷりの上質のヴォーカルと、ホットなトラックの集まり、という感じね(笑)。
 約2年半ぶりとなるニューアルバム『MIMI』(3月30日リリース)のプロモーションの為、来日した元祖歌姫マライア・キャリー。3月31日に東京・六本木ヒルズアリーナで、ファンの為のイベントを行った。日本初となる屋外ライブに、アルバム購入者の中から抽選で選ばれたファンと音楽関係者計約800人を招待。そして入れなかったファンや見物客が、音だけでも聴こうと会場に詰め掛けた。
 マライアの登場と同時に、待ちわびていたファンより大きな歓声と歓喜がわき起こる。胸元が大きくはだけた真っ赤なドレスで登場したマライア、日本語で「こんばんは。元気ですか?」とあいさつ。ニューアルバム『MIMI』の中から、「イッツ・ライク・ザット」と「ウィ・ビロング・トゥゲザー」の2曲を披露。2003年3月の来日公演以来の天使の歌声に、聴き惚れるオーディエンス。
 アルバムについては、「作っている間、歌っている時も本当に楽しいアルバムができました。皆さんにも私のように、アルバムを聴いて楽しんでもらえたら嬉しいです。」と、1年半かけて制作したアルバムの思い入れを語った。また、「本当に素晴らしいアーティストとコラボレーションができて嬉しいです。」と、アルバムの聴きどころでもあるコラボレーションについて語った。
 アルバムタイトルについては、「理由は解らないけど、皆が私の事を“ミミ”と呼ぶようになり、本当に親しい友人と同じようにファンの皆が大好きなので、アルバムのタイトルにつけました。」と語った。
 そして、久しぶりの来日に対し、「本当に大好きな日本に、また帰ってこれて嬉しいです。」と、ファンにメッセージを送った。
 最後に日本語で「ありがとう。愛しています。」とあいさつ。マライアの音楽に対する情熱とファンを愛する心が、日本のファンの心に大きく刻まれたことだろう。
(文:編集部 佐野友香)
1970年3月27日、ニューヨーク郊外のロングアイランドで生まれる。
1990年、デビュー・アルバム『マライア』が、全米で首位獲得。
以降、リリースする作品は全米に限らず全世界でヒットを記録。
1991年2月、第33回グラミー賞で『ベスト・ニュー・アーティスト』と『ベスト・ポップ・ヴォーカル フィメール』を受賞。
1991年10月4日、アルバム『エモーションズ』で、3位獲得。
1993年9月11日、アルバム『MUSIC BOX』で、2位獲得。
1994年10月29日、アルバム『メリー・クリスマス』で、首位獲得。
1995年9月30日、アルバム『デイドリーム』で、首位獲得。
1997年9月10日、アルバム『バタフライ』で、首位獲得。
1998年11月18日、アルバム『The Ones』で、首位獲得。
1999年10月27日、アルバム『RAINBOW』で、2位獲得。
2001年8月18日、アルバム『グリッター』で、首位獲得。
2001年12月12日、アルバム『グレイテスト・ヒッツ』で、3位獲得。
2002年11月20日、アルバム『チャームブレスレット』で、4位獲得。
2005年3月30日、アルバム『MIMI』をリリース。
オフィシャルサイト
MIMI
マライア・キャリー
2005/03/30発売
\2,548(税込)
ユニバーサル インターナショナル
UICL-1047
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