まるでバンドを始めた頃のような勢いと衝動がぎっしり詰まったアルバム『I
♥
U』を携えて、Mr.Childrenは昨年11月から約1ヶ月間、初めてのドームツアーを行った。心のままに音楽を鳴らしている喜びがまっすぐに伝わってくるライブは、何万人もの観客を動員するでっかいドーム会場でも、彼ら4人の姿をありのままに私たちに届けてくれていた。本当に気持ち良さそうに音を奏でていた彼らがそこにいたからこそ、私たちは05年のMr.Childrenの音楽が、きっと06年のMr.Childrenへつながると強く信じられた。だから、彼らの新曲を早く聴きたいと待ちこがれていた人は、たくさんいたはずだ。
前シングル「四次元
Four
Dimensions」以来、約1年ぶりのシングルとなる「箒星」には、タイトルチューン「箒星」と「ほころび」「my
sweet
heart」の3曲が収められている。この3曲は初ドームツアーを終えたあと約1ヶ月間のオフをとった彼らが、すぐさまスタジオに入り、セッションを行なった中からレコーディングされた曲だという。そうか、彼らは私たちと同じように06年のMr.Childrenから生まれる新曲たちを早く聴きたかったんだ。アルバム『I
♥
U』や初ドームツアーで感じた事や見たものが、どんな風に新曲へと結びついていくのかを知りたかったんだ。約1ヶ月間のオフの間も、彼らはゆっくりと体を休めながらも、早くこの4人で4人の新しい音を心から鳴らしたくてうずうずしていたに違いない。
タイトルチューン「箒星」は、ぐんぐんと気持ちが上向きに上昇していく軽快なポップソングだ。すでにTVのCM(サッカー選手・中村俊輔やゴルファー・横峯さくらが出演している)で流れているので、耳なじみの人も多いはず。桜井和寿の若々しい(!?)伸びやかな歌声が、キラキラしたバンドサウンドに乗り、本当に気持ちがいい音楽を鳴らしてる。なんて素直な音楽なんだろう。思わず口ずさみたくなってしまう心地良さを「箒星」は持っている。
2曲目に収められた「ほころび」は、とてもシンプルだ。メロディに呼ばれてすべてがシンプルに組み立てられたって感じ!?しかし、そのさりげなさが歌詞の切なさをより一層心にグッと残してる。「ほころび」のシンプルさは06年のMr.Childrenの新しい一面かもしれない。3曲目には大人っぽいジャズテイストの「my
sweet
heart」を収録。今作に収められた3曲は、すべてがMr.Childrenのラブソング。心のままに音を奏で、心のままに歌っている真っすぐなラブソングが、Mr.Childrenの06年初めての新曲として私達のもとに届くのだ。
(文:松浦靖恵) |
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